2353436 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

320life

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ノマ@320life

ノマ@320life

サイド自由欄

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

カテゴリ

2021.04.09
XML
テーマ:読書(8135)
カテゴリ:【読書】未分類

本のタイトル・作者



推し、燃ゆ [ 宇佐見 りん ]

本の目次・あらすじ


姉のひかり。母。海外赴任中の父。入院している祖母。
高校一年生のあかりは、ある日懐かしい映像に再会する。
4才の頃見に行った、ピーターパンの劇。
役を演じていた12歳の彼―――上野真幸。
現在はアイドルグループ「まざま座」に所属し、メンバーカラーは青。
目が離せない。心が鷲掴みにされて、心臓がそこから脈打つ。
私の、推し。
作品も人もまるごと解釈したい。ブログに思いを綴る日々。
そんな時、SNSが騒然となる。
推しが、ファンを殴ったらしい。

引用


体からだるさが溶け出ていって、芯から温もって、ああ、きょう、わたしはなんとか生きてけるなって思います。命のともし火は、毎朝、推しにわけてもらう。


感想


2021年読書:054冊目
おすすめ度:★★★

三島由紀夫賞最年少受賞(21歳)、第二作にして第164回芥川賞受賞。
2021年本屋大賞ノミネート作品になっていて知った。
2021年1月に読んだ本まとめ/これから読みたい本

推し、がいる暮らし。
その人が命を与えてくれる。
つまらない日常に。退屈な生活に。
彩りを、息吹を、活力を。
そういう熱い思いがぎゅっと詰まっていた。

私は2次元の人しか推したことがないので、3次元の人が推しだと大変だろうな…と思う。
その人にはその人の人生があるわけだから。
付き合ったり別れたり結婚したり離婚したり、他にもスキャンダルあったりするもんね…。
年も取るもんね。
2次元の推しはほら、けっこう死んじゃったり、公式の供給が途絶えてもう会えなくなったりするくらいだから…。泣

内面描写が丁寧で、特に最後の綿棒をぶちまけて、ひろうシーンが良かった。
でもどうしても、私は「お姉ちゃん」の視点でこの物語を読んでしまう。
(私には妹がいるからかもしれない。)
どっぷり感情移入してしまった。
お姉ちゃんが、頑張っていないのに頑張っているというのをやめて、と言っているのが、本当に辛かった。
叫んでいるみたいに聞こえた。
これ、お姉ちゃんのほうから見たら、また全く違う物語だろうな。

「推し」とか「推す」って、新しい用法ですよね。
昔は「萌え」って言ったもの。
おそらくオタクのマイナスイメージを払拭するために現れたんだろうな。
「萌え」が萌え出づる感じ、内側から沸き起こる感じ、受動的なのに比べ、「推し」は能動的。
支える、応援する、のイメージが強い。
会いに行けるアイドル系の登場と同時期に発生したんだろうか?
「萌え」と「推し」の言語研究とか面白そう(もうあるのかな)。
昔なら「俺の嫁」と言った(これは男女問わずこういう用法だった)ところ、今は「推し」と言いますよね。
対象のジェンダーを問わないところも敷衍した理由かな。
「尊い」も最近使われていて、「へえ、そんな使い方するんだ」と思った。
「神」も言われるけど、拝む、喜捨する(お金を捧げる)イメージも関係しているんだろうか。

閑話休題。

宇佐美さん、まだ大学生で、本作が2作目とのこと。
瑞々しい筆致で、これからが楽しみ。
前作『かか』もぜひ読んでみたい。


にほんブログ村 にほんブログ村へ



「みたよ」「いいね」の代わりに押してもらえると、喜びます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.04.09 12:01:08
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.