本のタイトル・作者
「グレート・ギャツビー」を追え (単行本) [ ジョン・グリシャム ]
"CAMINO ISLAND" by John Grisham
本の目次・あらすじ
プリンストン大学から、フィッツジェラルドの直筆原稿が奪われた。
窃盗集団を追う美術品の調査会社は、一人の男に捜査の目を向ける。
独立系書店「ベイ・ブックス」の経営者であるブルース・ケーブル。
作家たちのコミュニティを形成するこの裕福な伊達男は、熱心な稀覯本の蒐集家でもあった。
彼の書店の地下には、無数の初版本が眠っている―――その入手方法が合法か非合法は別として。
調査会社は、作品回収のためにある女性に白羽の矢をあてた。
金銭に窮した失業したばかりの大学講師。スランプ中の女性作家、マーサー・マン。
亡き祖母との思い出の場所へ帰り、執筆に専念する。
完璧なバックストーリーを持つ彼女をブルースに近付かせ、フィッツジェラルドの作品の有無を突き止める。
破格の報酬と引き換えにスパイ役を任じられたマーサーだったが、徐々にブルースに惹かれていき……。
引用
もし類義語辞書に手を伸ばしたいと思ったら、三音節以内の言葉を探すべきだ。僕はかなり立派な語彙を有しているが、そんな僕でさえ未だ目にしたこともないような難しい言葉をひけらかす作家くらい腹立たしいものはない。
感想
2021年読書:058冊目
おすすめ度:★★
村上春樹訳、ということで読んでみた。
村上さんの翻訳小説は、
極北 (中公文庫 む4-12) [ マーセル・セロー ]
これとか、自分では読まなかっただろうな、手に取らなかっただろうな、という小説に出会わせてくれるので好き。なんだけど。
この小説はイマイチだったなあ…。
なんでこの本、翻訳しようと思ったんだろう。訳者あとがきに書いてあったけど、いやしかし、これそんなに面白い?
確かに、稀覯本や独立系書店のくだりは、とても楽しい。読んでいて面白い。
でも、肝心のフィッツジェラルドの直筆原稿強奪事件は冒頭でちょっと出てくるだけ。
あとはうだうだしている女性作家が、作家仲間とわちゃわちゃしている話…。
分厚い本なのに内容が薄いというか、途中から「あんたなー、はよ小説書きぃや」と思っていた。
タイトルから、「オーシャンズ11」みたいな話を想像していたので、「あれ?」と肩透かしを食らった気分。
たしかに、書店主のブルース・ケーブルはかなり魅力的なんだけど…と思っていたら、訳者あとがきで、「Camino Winds」というブルースが主人公の続編が出ているらしい。
やっぱりそうなるか。
どうだろうな。翻訳でてもたぶん読まない。
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