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2021.11.29
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テーマ:読書(8205)

本のタイトル・作者



私がフェミニズムを知らなかった頃 [ 小林エリコ ]

本の目次・あらすじ


はじめに
第一部
1 父は王様、母は従順な家来 
2 脂肪よりも筋肉が欲しい
3 母のようにはならない
4 この国の男たちは狂っているのかもしれない
5 平坦な地獄が待っているだけ
6 彼らはなにもしてくれない
7 男より弱いものになるということ
8 この理不尽な怒りをどうしたらいい
9 ノラのように
10 エロとパチスロのハイブリッドな漫画雑誌
11 母の幸せは私の幸せじゃない
12 自宅とデイケアを往復する日々
第二部
13 寂しいから一緒にいるだけ
14 最低で最悪のカップル
15 世界で一番情けない生き物
16 あなたは生活保護がいいと思う
17 ただ一人で暮らしているだけなのに
18 そこにはフェミニズムがあった
エピローグ

引用


それに、結婚して母のように専業主婦になったら、学んだことなど意味をなさないのではないか。家事をし、育児をして一生を終えるのなら学校での勉強は無意味ではないか。女の人生とは何なのだろう。ふと、胸に手をやると少し膨らんでいて、柔らかかった。その柔らかさの分だけ私は悲しかった。


感想


2021年283冊目
★★★

すさまじかった。
性的虐待、いじめ、不登校、自殺未遂…。
胸糞悪い男共のエピソードがこれでもかと続くので、ほんっとムカつきながら読んだ。
この人の見える世界が、今すこしでも平穏でやすらかであるように、祈る。

理不尽を前に、ただ頭に浮かんでは掻き消されていく「どうして」。
ただ流されていく、奪われていく、それが何かも知らないまま、分からないまま。
「なぜ?」
私が、フェミニズムを知らなかった頃。
その言葉に返って来る答えは、なかった。

82年生まれ、キム・ジヨン [ チョ・ナムジュ ]」 を読んだときの気持ちを思い出した。
記憶の底に沈めた出来事が、澱のように舞い上がる。
女性であれば誰しも感じたことがあるであろう、違和感が、嫌悪感が、蘇る。

あの時の、あの、手。
言葉。目。どうして。

マチズモを削り取れ [ 武田砂鉄 ]」を読んだときにも思った。

終わりなき絶望、平坦な戦場。
なぜここで、負け続けなくてはいけないんだろう?
闘っても無駄だと教え込まれながら、打ちのめされながら、それでもどうして戦わなくてはいけないの?
なぜここにいなくちゃいけないの?
世界が嘘に満ちていたことを、思い知りながら。

昔、「啓蒙」という言葉が、好きじゃなかった。
それはなんと傲慢な思想だろうと思っていた。
でも今、思う。

啓蒙―――蒙を啓く。
目を開かせる。世界を見せる。
それは、説明してくれる。
そして知る。

胸に詰まっていた、たくさんの「なぜ」。
喉に詰まって声が出なくなった、たくさんの「どうして」。
それに、学問は答えてくれる。
つかえがとれる。息を吐き出す。掠れた声が出せる。
ちいさくて怯えたような、長い間忘れていた自分の声。
そして、聞こえるようになる。
同じように出された弱々しい声が。
途端に世界が違った場所になる。
新しい言語を覚えたように。

フェミニズムが冷笑されている現状において、それでもなお、この人にとってそれは何よりの薬であったろうし、学問はそうでなくてはならないのだと私は信じる。

1gでも、1mmでもいい。
私はこの世界をよりよい場所にして去って行きたい。
自分を、世界を諦めない。
そのために学ぶ。それを絶対に止めない。

誰かがこんなくだらないことで苦しまなくてよいように。
フェミニズムなんて言葉が滅びてしまえるように。


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最終更新日  2023.01.01 01:27:49
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