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テーマ:読書(8961)
カテゴリ:【読書】子育て
書名 ![]() 子育てにマニュアルなし!(続) [ 吉野由美 ] 目次 第1章 私の家族 その後 第2章 今どきの親たちの悩みに寄り添う 第3章 吉野流子育てアドバイス Q&A 第4章 私の人生修行ー高校・OL時代 第5章 ホームヘルパーという仕事 第6章 底なし果てなし吉野物語 感想 2023年127冊目 ★★★ この人の本良いよ〜とオススメしてもらって読んだ本。 しかし「続」しか図書館になく、前著にして初著書の方は読めずじまい。 ステップファミリーで6人の子を持つことになった肝っ玉母さん。 全編熊本弁で、それが味わい深い。 ご本人はホームヘルパーをしながら、子育てにまつわる講演会などをたくさんやっていらしたよう。 ホームページや公式サイトがあるのかなと思って探したけど見つからなかった。 この本は2009年発刊なのでだいぶ古いんだよねえ…。 いつだって前向きで全力。 ビビリで人間が怖くて人間が嫌いな私からすると、この人みたいには百回生まれ変わってもなれそうにないんだけど(輪廻転生から解脱できなすぎる)、仰っていることは「そやなあ」と共感することがたくさんあった。 「学校は安心して子どもばやるところ。だけん、『学校の先生がこやんしなはらんけんこやんなった』とか『どやんしてもらおう』と思って学校にやるなって。子どもがどんな体験をして、“宝物”ばもらって帰ってくるかという気持ちで学校にやれ」と言います。いやなこと持って帰ったって、それは子どもにとって宝物。学校ていうとは、そんんな宝物ば拾いに行くところだけんね。今から“宝石箱”の学校に行かせるわけよって話ばします。 今って、消費者思考が強いというか、みーんな「お客様体質」だと思う。私も含め。 これもまた、資本主義という社会の問題か。 だから、サービスを受けられない、あるいはそれが平等じゃないという減点方式の視点になっている。 お客様として受けられる当然のサービスという前提があるから、そこをクリアしていないと叩かれる。 私がよく思うのは、危機事象時。避難所もそう。 学校に対しても、教育そのものに対しても、そういう態度でいるんじゃないか。 でも本当はそうじゃないんじゃないか? というか、そういうことでは限界があるし、窮屈じゃないか? ここからここまで私の陣地、私の受け持ち、私の責任。 だからそこから先は知りません。自己責任ね。 あるいは誰かを徹底的に責め立てるのも同じで。 しんどいなあ、と思う。 そこから出ることは出来ないんだろうか、と思う。 しかしそれには「人間力」のようなものが必要となるわけで、私にはそれは備わっていないんだけども…(ごにょごにょ)。 私は、自分の子育てを「実験」と思うとるとですよ。実験して成功するかせんかは、その子が決めるとです。実験だけん。『こら、失敗したばい』と思うたときは、やり直すとよか。「間違うたときがまたスタート」って思えばよかです。 この方、この本を書いている時点で、お子さんがもうほとんど巣立っていて、一番下の子も高校生くらい。 私は、自分の子供に思春期が訪れることが怖いんですけど、この本を読むと「そんなに身構えなくてもいいんかな」と思った。 だってこんなお母さんでも子ども色々思ってすれ違って家出たりするんやもん。 それで思うんですよ。 たとえば、「子どもの反抗期がひどくなければいいなあ」とか、「悪いことしないでまっすぐ育ってくれたらいいなあ」って、結局自分のエゴだよな、って。 面倒事で自分が悩んだり苦しんだりしたくないだけなんじゃないかって。 それは、「いい子」であることを子どもに強いて、その子の気持ちを蔑ろにしているよね。 思春期の頃、私は兄がわりと激しく反抗期をやっていたし、妹はずーっと不登校だし、真ん中の私は、母の相談役や聞き役として機能していて、だから自分の悩みや苦しみを外に噴き出すこともほぼなく、自分で考えて自分で決めて、全部自分の内側で完結させていたんです。 手のかからない子、大丈夫な子。「いい子」のキャラでいたかったから。 この子は本さえ与えていれば一人でも平気だから、と言われるのを聞くと誇らしかった。 でも私は、ほんとうのことをひとつも言えないままだった。 いまでもそうだ。 (かといって、模範的ないい子だったかと言われたらそうじゃないし、親の認識はまた違うんだろう) 子どもって「こやんせんならええね(こんなことしないといいけど)」と心配しとると、そうなったとき「うわー」って取り乱すばってん、「いつ、悪いことばしてくれるかね」って待っとってごらん。そら、楽しみだん(笑い)。「よしよし待っとった」ぐらいに考えとくと、何が起こったっちゃ怖くない、面白かというふうになるとですよ。大事なルールは、「我が子を否定しない」ということです。 ぐさーっと胸に刺さるわ。 私もさあ、そんなふうに思いたいなあ。 娘や息子が、失敗を過度に恐れるのを見ると、「私のせいなのかな」と思う。 夫と二人して「失敗しても良いのだ」と何度言い聞かせたって、私の本心がそうではないのじゃないか? 面倒事を起こさない子が良いーーーそうじゃないと愛せないと思っているのでは? 親が求める像があると、子どもはそれにあわせようとする。 そして、それに合わない自分を隠して、殺そうとする。 でも死にきれんよね、それがほんまの自分やからさ。 こういう本を読んで、子どもの声を聞いて、ちょーっとずつ、ちょーっとずつ軌道修正しています。 これから成長していく中で、いーっぱい問題があるでしょう。 なにもないことなんて、まあ、ないわな。 それはそれこそが問題やからな。 その時に「待ってましたあ!」って言いたいねん。 おろおろするやろうけど、どうすればいいかわからんやろうけど、それでも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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