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テーマ:読書(8978)
カテゴリ:【読書】ノンフィクション・ルポ・自伝
書名 ![]() 化け込み婦人記者奮闘記 明治大正昭和 [ 平山亜佐子 ] 目次 第1章 最初の化け込み婦人記者 第2章 化け込み前史 第3章 はみ出し者の女たち、化け込み行脚へ 番外編 化け込み記事から見る職業図鑑 感想 2023/07/07放送のNHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で紹介されていて、興味を持った本。 内容は「へえ、そんなことがあったんだ」ということばかりだったんだけど、その内容をそのまま紹介する(記事の内容)というよりは、それを書いていた人(記者)の紹介が多い感じで、私はいまいちだった。 明治20年代ごろに登場した「女性記者」という職業。 そしてその職につく女性がほぼ皆無だった時代。 (ちなみに、「はじめに」によると、2022年度の新聞・通信社記者数における女性の割合は男性の四分の一だそうだ。) 彼女たちは潜入捜査を行い、その様子を面白おかしく記事にすることで男性とは別の存在価値を示そうとした。 大正14年(1925年)関西大学法科在学中に社会部に採用された北村兼子は、彼女の著書『怪貞操』で、 個性のあるものは異端者と見なされて、これを排撃するに貞操問題をかつぎ出し、型に嵌まらぬものは突き落としてしまう。日本は女に取っての監獄部屋だ と書いたという。 これ、このまま現代にも通じません? そのことにびっくりするのだけど。 三宅花圃という人も私は今回はじめて知った。 小説『藪の鶯』で日本初の女性による近代小説で原稿料を受け取ったひと。 海外で化け込みをしていた女性記者ネリー・ブライ。 彼女は80日以内の世界一周に挑んだ人でもあり、これもまた別で知りたいなあ。 リジ・アラヤ殿下と黒田雅子子爵令嬢との結婚話…っていうのも初耳。 エチオピアの皇帝のいとこが訪日した際に日本を気に入って日本人花嫁を募った…って何そのハーレクイン。 女性の職業として「電話口消毒」っていうのがあったというのも、今見ると「何それ」って可笑しいんだけど、よく考えたらコロナの時に同じことしてたやんね。 この4月に職場を移ってから、ひとりの働く女として私が思っているのは、 「私に何ができて何ができないかを、私には決めさせてくれないんだな」 ということ。 それを配慮と呼ぶのか、喜ぶべきなのか、私は、それを。 その配慮に甘えている状況を、受け入れるべきなのか。 遠慮して、有難がって。 私にできるかできないかを尋ねもしないうちに決められたことに、すみませんごめんなさいありがとうございますと平身低頭して。 これはここまでなら私もできますよ、と言っても「いいよ」といなされる。 無理しないで、子どもがちいさいんだから、「お母さん」なんだから。 仕事はほどほどで、家庭をもっと大事にしてあげて。 お前それ、私が女じゃなくても言うんか。子どもが小さい男にも言うんか。 モヤモヤしていたけど、もうなんか途中から諦めの境地。 口をつぐんで、心のシャッターを下ろして、ただ働いています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.27 08:31:58
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