書名
疲れた人に夜食を届ける出前店 [ 中山 有香里 ]
感想
284.泣きたい夜の甘味処 [ 中山有香里 ]
(→2024.01.01「
2023年12月に読んだ本まとめ」)
が良かったので、同じ作家(イラストレーター)さんつながりで前著。
これはねえ…疲れた人には刺さる。
疲れた人の前に現れる、謎の夜食出前店。
店長のクマに、従業員のサケ、ゴリラ、ネコ。
さらには天使や魔王も登場する。
1ページにほわっとした絵柄のエピソード、1ページにそのレシピという構成。
凝ったレシピだけじゃなくお手軽なもの、さらに手作りだけじゃなく市販のものもあって、なんというか「疲れた人へのレシピ」という感じ。
ホットケーキミックスを使ったスコーンは簡単で美味しそうだし、北海道チーズ蒸しケーキを焼いてバターなんてのも試してみたい。
私が好きなのは、「月曜日のモンブラン」。
憂鬱な月曜日の朝が来て、布団の中で起きられない女性。
そこにピンポンが鳴る。
やってきたのはクマとサケ。
「本日のゴール」として彼らが持ってきたのは、モンブラン。
今日は帰ったら…ケーキがある
それを励みに一日を頑張って乗り切る女性。
良いよねえ。
だってさ、帰ったらケーキがあるんだもん。
なんか嫌なことがあっても、落ち込んでも、「でも、家に帰ったら冷蔵庫にケーキがあるもんな」って思えるわ…。
この本を読んでいて思ったんだけど、みんな、頑張りすぎよな。
世の中の大人は、みんな真面目だし、立派だ。
私はちゃらんぽらんだし、まじめにふまじめ社会人で(まあこれは性格的な特性で抜けが多いってのもあるんだが)、「ゆるゆるの赤道直下な南国に生まれたかった…」と思うことがある。
そこでは「なんとかなる」「おたがいさま」「気にすんな」「明日できることは明日やろう」「今日もよく頑張った」を合言葉にしているのだ。
自己肯定感MAXな積極的先送り。真面目な人が苦労する国。
「南国少年パプワくん」「ジャングルはいつもハレのちグゥ」みたいな世界なのだ。
そこらへんのバナナもいで食って寝ようぜ!
なにかの本で、西洋文化が入ってくるまでの南国の暮らしのことを書いてあって、そこでは昼頃に起きてきて、その日に食べる魚をとったり果物やらをとって、食べて、寝ていたと。
それを西洋側から入ってきた人々に怠惰と言われ、また物質主義が入ってきて豊かさのためにいろんなモノが必要になり、カネが必要になって、たくさん働かないといけなくなって。
でも結局、今思えば以前の暮らしのほうがよっぽど豊かで幸せだったんじゃないか?という。
けれど私は現代っ子のシティガール(笑)なので、便利を捨てられない。
でもこの世は生きづらい。とかくこの世は窮屈だ。
いい意味での「いい加減さ」を身に着けて、生きていけたら良いのになあ。
私、ガッチガチのカッチカチだもの。
ねばならぬ、に縛られて、そうはなれない自分にいつだって失望して。
いつまでも合格しない自分試験。落第忍者ノマ太郎。
毎日毎日、疲れている。
あなたも、わたしも、ほんとうに頑張っているよね。
1日8時間も働くだなんて、正気の沙汰じゃないぜ。
生きて花丸、息して満点。
合格点を、そこに置きたい。
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