286.独学大全 [ 読書猿 ]
本のタイトル・作者独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 [ 読書猿 ]本の目次・あらすじ第1部 なぜ学ぶのかに立ち返ろう1 志を立てる2 目標を描く3 動機付けを高める4 時間を確保する5 継続する6 環境を作る第2部 何を学べばよいかを見つけよう7 知りたいことを発見する8 資料を探し出す9 知識への扉を使う10 集めた資料を整理する11 情報を吟味する第3部 どのように学べばよいかを知ろう12 読む13 覚える14 わからないを克服する15 自分の独学法を生み出す第4部 独学の「土台」を作ろう・国語独学の骨法・英語(外国語)独学の骨法・数学独学の骨法引用学ぶのは結局のところ、自分のバカさ加減と付き合うことだ(慣れ合うことじゃないぞ)。つまり、より長く学ぶことは、それだけ長く自分の頭の悪さに直面し続けることだし、より深く学ぶことは、それだけ深く自分の間抜けさと向かい合うことだ。<中級の壁>を越えて向こうへ進む奴の多くは、費やす努力に<見合う>ものが手に入らなくても、他にもっと楽で得な選択肢があったとしても、もうそれを学ぶことをやめられないバカだとも言える。才能の限界が見えようと、スランプに陥ろうと、若輩者がどんどん自分を抜いていこうと、病気や事故か何かでそれまで得たたくさんのものを失おうと、もうそれを学ぶことなしにはいられないから続けるんだ。コスパの勘定ができないからバカだし、繰り返しバカであることを自覚させられるから(謙遜抜きに)自画像的にもバカだろう。だが<中級の壁>を越えて、ずっと先まで行くのは、そういうバカだ。感想2021年286冊目★★★ものすごいボリュームの本。788pで2,880円。ふだん私が読むものに徹底して無関心な夫をして「えげつない本やな」と言わしめた一冊。「この本はあまり賢くなく、すぐに飽きるしあきらめてしまう人たちのために書かれた。」とあるのだけど、私が読書術の本を読んでいつも思うのは、「この本を読めるならどんな本だって読めるんじゃないのか」ってことなのだ。ふだん本を読まない人であれば、この分厚さにまずビビるだろう。そして、冒頭はゆるい絵とくだけた問答形式で、「あ、これ『夢を叶えるゾウ』系?」と読み進めたらおっとどっこい。ガッチガチの知識派。古典からの引用がバンバン出てくるし、情報量多いし専門的だし(書籍の検索の方法など、大学で習った文献の探し方そのもの)、「ちょっと思ってたんと違う」ってなるんじゃないかな…。私は漫画をたくさん読めばいいと思っているし、コミックエッセイでもいいと思っていて、「書物を手に取り、読む」という習慣をまず付けることから「読書」は始まるのだと思っている。だからこういう本で出鼻をくじくのは心苦しい。そこまで辿り付かないままに心折れてしまうのは。楽しもう。もっと、楽しんでいいんだよ。私たちはもう、大人なんだから。好きなことを学んでいいんだよ。だからこそ、私は「何を学べばよいかを見つけよう」の章は衝撃だった。え、ないの?知りたいこと。もっと勉強したいこと。私はもう、そればっかりでしんどいんだけど。心の引かれるままに本を読んで、その本からさらに関連する本を読んで、図書館を横断するように、というやり方をずーっとしてきたので、今更感がすごかった。しかし「独学」で学んでいきたい人、ある程度の素地がある人には、勉強法についてのところだけでもかなり参考になる。古今東西のメソッドをまとめてくれていて、「これ自分に合ってるかな、試してみようかな」と選べる。独学者のみんなは、この本から力強いエールを貰えると思う。冒頭で互いの航海の無事を祈る、とある。まさにそれだと思う。個々が個々の舟を漕ぎ、行きたい場所へいつか辿り付けるように。私は今年の1月に「今年は英語を勉強しよう」と決め、はじめは椅子に座っているのも苦痛でしかたなくて、ご褒美おやつを用意したり、色々工夫して「最高に怠け者で隙あらばサボろうとする自分」を手名付けて来た。で、だいたい1年たってどうか、というと「自信が付いた」。もちろん英単語も英文法も1月に始めたころより身に着いたのだけど、それよりなにより、「私は自分が決めたことを、誰に言われるでもなく、ただ自分のために、続けることが出来る」という万能感…全能感?が一番大きかった。宅建に挑戦しようかな、と思ったり、洋書の多読に挑戦しようかな、と思うけど、これもたぶんできるだろうな、と思っている。だってもう、私は「勉強する」という習慣があるから。その時間配分や勉強の中身を変えるだけだから。これ、実はものすごく大きなことなんじゃないかと思う。で、自分が試して来た中で一番役に立ったのは、相反するようだけど「自分に期待しないこと」。目標や計画を立てる時、人は理想の自分を前提に考えている。でも、ちょっと待て。自分を見て見ろ。もう何十年の付き合いだ。一番よく分かっているだろう?いかに己が怠け者で、流されやすく、甘っちょろいか。だから、その「最低の自分」に水準を合わせて、そのハードルを越えていく方式にしたほうが、私は続けやすかった。(昔読んだ剣持まよさんの『脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術』というコミックエッセイが参考になった。)そうしたらだんだん、「最低の自分」の「最低」が上がって来るのだ。長い距離を走れるようになる。もう少し高いハードルを超えられるようになる。これ、すごい発見だった。あ、自分ってもっといけるんだ、という感覚。もっと走れる、もっと飛べる。じゃあ、もっと行けるかもしれない。向こう側まで、行けるかもしれない。少しずつ、少しずつ、自分の「最低」を引き上げて。いつかそこへ辿りつけるかもしれない。そしたらね、もう、めっちゃ楽しい。死ぬまで永遠に学んでいけると思った。参考になったこと○2ミニッツ・スターター・タイマーを2分にセットし、すかさず作業を開始する。○35ミニッツ・モジュール・0~20分 新規項目の学習・20~24分 定着のための小休憩と復習の準備・24~26分 1日前の学習項目の復習・26~28分 1週間前の学習項目の復習・28~30分 1か月前の学習項目の復習・30~35分 今日の学習項目の復習→私は「新しいことを学ぶこと」が好きで、いつも復習が出来ないので、意識的に復習の時間を設けるようにして記憶の定着をはかりたい。○ロンブ・カトーの分数式(費やした時間+モチベーション)÷(抑制・阻害)=成果↓ 「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです ↓