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火力剣士様が行く(;^ω^)

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孫子「形 篇」 15,

「勝兵は先(ま)ず勝ちて而(しか)る後に戦い」



『戦闘における勝利の要因を洞察する水準が、一般の人と同じ程度では優れたものとは言えない』


プロ野球の話になりますが、選手が難しい打球をファインプレーで捕球するとアナウンサーが褒めることってありますよね。あまり守備が得意でないと思われる選手が意外な上手さでファインプレーをすると、より一層褒めそやします。


しかし、辛らつな解説者によると、下手糞だからファインプレーになるのだ、と言われてしまうことがあります。


何故でしょう。


その解説者によると、本当に上手い選手は普通に捕ってしまい、ファインプレーに見えないのだそうです。ファインプレーでしか捕れないのは下手糞な証拠であり、とても褒められたものではない、と言うことらしいです。



これと同じようなことを今回の孫子は述べています。


つまり、戦争に勝ったからといって誉めそやされるような人は優れた人ではない、というのです。



『細い毛を持ち上げたからと言って、力持ちとは言えないように、

太陽や月が見えたからといって、視力が良いとは言えないように、

雷鳴が聞こえたからと言って、耳が聡(さと)いとは言えないように、

われわれ兵法家の間で優れた者と称される者は、容易に勝てる態勢の敵に勝つ者である』




そのため、優れた者が戦う場合には、奇抜な勝利や智将だとの名声もなく、勇敢であるという武功もない、といいます。


『危なげない訳は、あらかじめ勝てるよう設定した状況で、もはや態勢的に敗れている敵に勝つようになっていたからである』


これはどこかに似たような章がありました。


そう、謀攻篇です。とくに、



9,戦わずして人の兵を屈する


10,上兵は謀を伐つ



この2章は今回の章と関係してくるかと思います。


これらの章で、孫子は敵の謀(はかりごと)を事前に打つことこそ最良の兵法であると言っております。実際の戦闘は最良の策ではないのです。


敵の謀を事前に察知して対処し、すべての事態を想定して態勢を整える。その上で戦闘になった場合、敵は勝てる態勢にないでしょう。


そういった敵に勝つことこそ、優れた者、と言うわけです。



さて、先の野球の話に戻りますが、技術的にはおそらく上手い人と下手な人の差はあまりないのだと思います。プロですからね。・・・あ、特別な人は別ですよw


そして、もちろん身体能力の差や、チーム内での役割からくる守備に対するウエイトの違いは確かにあるでしょう。が、最大の違いは打球が来る前にどれだけ準備をしているか、ではないかと思います。


上空の風の状態や、相手打者の現在の調子、自軍の投手の出来、そしてバッテリーの攻め方などを観察して、打球がどこまで飛ぶのか、どの方向へ向かうのかをあらかじめ予測できるかどうか、そこまで意識して守備についているかどうかではないかと考えます。


偉そうに書きますが、ゲソは素人ですからそんなもんでもないかもしれませんけどねww


しかし、それこそが勝つべくして勝つ方法なのではないでしょうか。



最後に、


『勝利する軍は勝利を確定しておいて、その実現に努力するが、敗北する軍はまず戦闘を開始してから勝利しようと努力する』


準備が大事ってことですね。


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