2008/02/15(金)01:01
米兵暴行
昨日の北海道新聞「卓上四季」より
海がある限り、波はいく度でも打ち寄せる。沖縄の白い砂浜はわたしたちを和ませる。基地がある限り、事件は何度も繰り返すのか。米海兵隊員による女子中学生暴行で、沖縄は再び憤りに包まれた。
まだ14歳である。1995年の暴行事件では、12歳の小学生が被害を受けた。当時も再発防止を約束した。その後も、女性暴行やひき逃げ、放火など、米軍関係者の犯罪はやまなかった。空約束だ。
2000年の沖縄サミット前にも中学生が狙われた。サミットの際にクリントン大統領が謝罪し、綱紀粛正を訴えた。だが効果なしだ。県内の刑法犯摘発者は、昨年だけで46人になる。
日本政府はどちらを向いているのか。事件の日、岩国市長選があり、米軍機移転を容認する新人が勝った。移転に反対する市政への補助金を止めて兵糧攻めにし、市長交代を余儀なくさせたのが政府だ。
米艦寄港を認めない小樽市が受けた圧力も同じだろう。米艦は小樽、石狩湾新港に続き、近く久しぶりに釧路に入港する。釧路空港には昨年、緊急性がないのに米軍機が降りた。米軍は北海道に何をみているのか。千歳基地には、米軍戦闘機の訓練が移ってくる。
米軍は自らの世界戦略に沿って動く。政府は応援を買って出る。住民の不安は後回しである。沖縄の事件も、道内の動きも、この点で根はつながっている。海がある限り、波はやまない。
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私もこの文を書いた人と同じことを考えます。今回は怒りを通り越して空しさ、「どうせ本気で変える気なんてないだろうに」という諦めのような気持ちが強いです。
こう感じてしまうのは元ベトナム兵で沖縄にも駐留していたアレン・ネルソンさんの講演を聴いたから。
講演の内容は以前の日記にも書きましたが、一部を抜粋。
(http://plaza.rakuten.co.jp/375375/diary/200712050000/全文はこちら)
「沖縄で街に繰り出す時、目的は酒、ケンカ、女です。タクシーの無賃乗車で運転手を殴って意識不明にさせたり、売春目的の女に金を払わず容赦なく殴るということもよくあります。日本の皆さんは「なぜ?」と思うでしょうが、暴力的になるように訓練されているから驚くことではないのです。暴力性を基地に置いてではなく身に付けたまま街に出ます。
事件が起こると軍のトップは真っ先に謝罪しますが、内心は喜んでいます。兵士が暴力性を身に付け、戦場に行く準備が出来たことになるからです。」
ネルソンさんの体験を書いた本、「そのとき、赤ん坊が私の手の中に~みんな、聞いてくれ これが軍隊だ!」も出ています。1冊300円で安いですし、機会があればより多くの人に読んでもらいたいです。「戦争と軍隊の真実」が書かれています。
憲法9条・メッセージ・プロジェクト←こちらで買えます。
小樽港に入港した米艦「ブルーリッジ」についてはこんな記事がありました。
小樽市は米艦入港の是非を判断する三原則を持っている。《1》核兵器搭載の有無《2》入出港時の安全確保《3》商業港として商船の利用優先-だ。
しかし、米側と政府は核兵器については議論しない、安全面はブルーリッジに入港実績があるとする。
これに対し市は商船を優先する立場を初めて文書で伝えた。
小樽港は北海道を代表する歴史のある商業港だ。こうした当然の主張にまで、外務省から「圧力」が続いたこと自体、理解の範囲を超える。
市が断った後、理由などを尋ねる十回近い電話があった。外務省幹部が市を直接尋ねるのは異例だ。
外務省からは商船より米艦優先をとの説得があり、入港できるよう調整しないのは「港湾管理者としての能力に欠ける」との言葉もあったという。
これでは、国の言う通り、米側の望む通りにしなさい、ということでしかなく、問答無用に近い。
結果として商船入港の日取りが米艦と重ならなくなって、米艦入港の環境が整い、市は容認に転換した。商船の日程変更を国が働きかけたのでは、と勘繰りたくなるのもわかる。
山田勝麿市長は「商船を追い払ってまで入れるとしたら、まるで軍港だ」と話している。
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本当に日本政府の目はアメリカばかりを向いているとしか思えない。
何か事件や事故が起きても、
「真に遺憾。あってはならないこと。厳重に抗議する」など、聞きなれた言葉の繰り返し。
結局、一般の市民が犠牲になって終わるだけです。
こうやって米軍と日本国民はより深い関係になっていくんだろう。
各自治体の苦しい財政の足元を見透かして犠牲を強いる国。
家の近くに貼ってある自民党のポスターには「暮らしに安心」とあるけど、全ての面において不安しか感じません