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カテゴリ:マンガ
久しぶりにすごいマンガを読んだ!
25時のバカンス [ 市川春子 ] なんかすごいですこのマンガ! 乗り遅れてた! 知らんうちにすごい人出てた! (頭の悪い文章(^_^;)) SFというか「すこしふしぎ」というか、設定と用語はそっち。 でも絵はサラッとしてて線が細くて荒くトーン貼ったオサレ系。 ほんで「その発想はなかった!」ていう微妙にグロい描写あるんだけど、絵自体は爽やか系だからグロくなくて、余計に読者が「よく考えるとこれヤバイんじゃね」と想像しちゃうグロさというか、痛そうな感じ。 でも言いたいことは、人と人のつながりというか、ぶっちゃけ「ラブ」な訳ですよ。 このバランス! いやあ、こんな人がいたんだねえ。 日本は奥が深いや(?)。 この単行本には 「25時のバカンス」 「パンドラにて」 「月の葬式」 という3つの短編が入ってます。 一番ガツンと来たのはやっぱ「25時のバカンス」かなあ。 絵柄のオサレ加減に騙された! グロくて切ない話でした。 SFというには、ちょっとご都合主義なところがあって、どっちかっていうとファンタジーなんかなあ。 何かのメタファーなの? 寓話? 三つとも天才が出てくる話なのね。 天才ゆえに何か世間とズレてる、違うものが見えちゃう。 ずっと頭ん中グルグルしてる、そんな人達。 (ぼーっとしたり、なんとなくで行動しないんだろうなあ) 特に「25時のバカンス」のお姉ちゃんは賢こ過ぎてズレ過ぎて、言ってることがよくわからん、でも悪い人じゃないって言うか、むしろ純情、そこがかわいい、ありていに言って「萌え」ですな(^_^;)。 ほんでなんか「柔らかいもの」と「固いもの」にこだわりがあるようで、メタモルフォーゼというか、その描写がザワザワして、不安にさせる。 そこがいいんかなあ。 でもあんま深刻にはなんない。 と、ネタバレしないように遠回りに紹介してみました。 ぜひネタバレ見ないままで、自分の目で読んでほしい本です! 特に「25時のバカンス」は、衝撃あったんで! で、ちょっと思いついたことがあるので、以下ネタバレ改行で。 (読んだ人向けの文章です) 「パンドラにて」がなんかいまいちまとまってないというか、わかりにくい話になっちゃってる。 これはアレだ、要するに ○衛星パンドラで少女達が集められてたのは、謎の生物をおびき寄せるため。 ○少女達はパンドラ女子校を卒業すると衛星エンケラドゥスに行かされて、そこで働く男達の花嫁候補となる(だから女子校で花嫁修業的な教育を受ける)、というのは真っ赤なウソでしたー。実際はエンケラドゥス行きの船は来ない。卒業生はエアロックから宇宙空間に放り出されるだけ(!) ○少女達が宇宙空間で死ぬと、宇宙で生きてる謎の巨大生物が現れて少女を吸い込み、またどっか行ってしまう。 ○今まで、毎年、卒業生は放り出されてた! 謎の巨大生物をおびき寄せるためだけに! 酷い!(宇宙を渡れる生物の謎を解明するのは、人類の未来のために必要な課題なので仕方ない、的な) ここまでが、紙面からわかったこと。 酷いっす(>_<)。 血も涙もないっす(>_<)。 でも「謎の巨大生物」に吸い込まれた少女達は、なんか処置を施されて生き返ったっぽい。 ここから想像するに、「謎の巨大生物さん」は、少女達を助けるために、どっか遠い宇宙から来てくれたいい人(?)のようです。 きっとテレパシー的ななんかで、少女達が苦しんでるのをキャッチして来てくれた、と。 (マクロスFにもそんなんいたような) 宇宙飛行士のおっさんが事故で宇宙空間で死んだ程度のことでは来てくれない、のか? やっぱ、美しく清らかで儚げな少女sだと、遠い宇宙からでも駆けつけてくれるのか? だから女子校なんか? ラストまで読んでから、ダンスシーン読み返すと切ない。 もう儚い、儚いから美しい。 だから価値がある。 くそったれ! この計画発案者は悪魔だな! ベタだけどこの衛星が「パンドラ」だから、最後に残ったのは当然「希望」。 少女達は助かったし、どこか遠い星で今度こそ自由で幸せになれるに違いない。 ハッピーエンドに違いない。 だってパンドラだし! この話は一見、ナナが主人公に見えるからわかりにくかったんだけど、ロロを主人公だと思うとわかりやすいと思う。 喋んないから感情移入しにくいけど、実は行動してるのはロロ。 友達を救うために潜入したのはロロ、友達の最期を見たのは(真相に気付いたのは)ロロ、最後のページのセリフはロロ。 途中アクシデントがあったけど、結果オーライでロロの夢がかなって、よかったんでないでしょうか。 私、気付いちゃったんですけどー、これは「冷たい方程式」のオマージュじゃね? オマージュっていうか、変奏曲? 換骨奪胎? ええと突然「冷たい方程式」のネタバレですが、まあぶっちゃけたいした話でもないので(ヲイヲイ)(^_^;)、気になる人はウィキでも読んで。 「冷たい方程式」って「妹」が宇宙の真空中に放り出されて死ぬ話でないですか。 真空中に出ると人間は内圧で内蔵ぐちゃっとなって死ぬ、ていうのがこの小説発表当時の学説でした。 今は、そこまでぐちゃっとはならんよ、鍛えてる人なら1、2分耐えれるし、死因は窒息だから死体は綺麗なもんよ、っていう学説が主流。 当然、作者の市川春子も知ってると思うのね。 でも、わざわざ少女達のぐちゃっとした死体を描いた。 それは「冷たい方程式」のオマージュだから、と思うのよ。 「妹」だしね。 「冷たい方程式」は可哀想な話だから、あの少女が救える話を書こうとしたんじゃないか、と妄想。 この漫画の裏設定で、過去に「冷たい方程式」事件があったのに、謎の巨大生物が来て助かっちゃった事例があって、そこから「巨大生物はロリじゃね?」でおびき寄せ作戦が始まったんじゃないか、そこまで妄想しました。 ネットでいろいろ感想を読んだんだけど、「パンドラにて」と「冷たい方程式」の類似性を書いてる人がいなかったので、ドヤ顔で書いてみました! あとどうしても気になる。 「25時のバカンス」の「一日も早く若のミルクを混ぜてもらえるように祈ってます」って 、やっぱそういうことなの?! えっ?! そ、そう?! 姉→弟ってのは、本気で考えたらドン引きなんですけどー。 まああんまり深入りせんとサラッと流すんがいいんかなあ。 いやいや、12才下だよ! あり!? そういうんじゃなくて、家族愛とか贖罪とかそんなんですよってことにしとこう…(^_^;) メタファー、メタファー(^_^;) orz この話はなー、そこを飲み込まないと成立しないんだよなー。 弟のための行き過ぎた献身、家族愛だけだったら、全然やましくないし恥ずかしくないし、顔赤くなる必要ないし。 でもそれじゃオモロないよなあ(^_^;)。 エロくなくなっちゃう(^_^;)。 爽やかな絵柄からエロがにじんで来るのは、お姉ちゃんのドロドロした感情が背景にある訳で、キャラ造形が見事ですな。 好みの問題ですが、私は「月の葬式」みたいな、他人が家族になる、でも別にベタベタしてないくらいの関係性の方が好きだなあ。 ※追記 市川春子さんの「宝石の国」についても書きました。 【ネタバレ】「宝石の国」8巻までの考察という名の妄想、その1/アフターマン 【ネタバレ】「宝石の国」8巻までの考察という名の妄想、その2/作ったものの行く末 【ネタバレ】「宝石の国」アフタヌーン3月号までの考察という名の妄想/禁則事項です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.02.25 23:05:01
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