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クリスマス特集 Vol. 5 & 6

クリスマス特集 
Vol.5「Christmas in Japan 日本のクリスマス」
Vol.6「12 days of Christmas クリスマスの12日間」


★★クリスマス特集
Vol.1 「MISTLETOE ヤドリギ」
Vol.2 「Advent アドヴェント」


★★クリスマス特集
Vol.3「Christmas Card クリスマス・カード」
Vol.4 「Christmas Carol クリスマス・キャロル」



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クリスマス特集Vol.5「Christmas in Japan」

クリスマス特集も5回目になりました。
いろいろクリスマス関連サイトを読んでいて
面白いものを見つけましたが、
今日はその中から海外サイトに見る日本のクリスマスを。
でもちょっとその前に確認ね。

クリスマスっていったい何の日かはご存知ですよね?

さっきアメリカのラジオ局に寄せられた投書を読んでいたんだけど、
日本で何年かを過ごしたことのある女性のこんな投書があったの。
クリスマスも近いある日、一緒に食事をした日本人の女性が、
彼女に「イエス・キリストって信じる?」って聞いたらしいんです。
彼女はその質問にも面食らったらしいんだけど、
そう聞いた当の日本女性は、
「私は小さい頃は信じていたけれど、今はもう信じていないの。
プレゼントを持ってきてくれるなんて。」と。
イエス・キリストとサンタ・クロースを一緒にしたこの答えに、
またまたアメリカ人女性はぶっ飛んでしまったらしいんだけど、
そもそも日本のクリスチャン人口は全体の2%にも満たない。
クリスマスがなんの日か、イエス・キリストが誰なのか、
知らない人がいても不思議ではないけれど、
それがこんな風に海外サイトで「日本のクリスマス」みたいに
紹介されてるとなんかね、ちょっとびっくり。

はい、で、クリスマス。
英語で CHRISTMAS と書きますよね。
「CHRIST」とはもちろん「JESUS CHRIST(イエス・キリスト)」
「MAS」は「MASS」、つまり「ミサ(集会)」のこと。
ということで、クリスマス(CHRISTMAS)とは
「イエス・キリストの誕生をお祝いする集会(礼拝)」
という意味なのですね。
そう、12月25日はイエス・キリストの誕生日なのです。
12月24日はその前夜(EVE)、別にサンタさんがプレゼントを
持って来る日、というわけではないのです。

サンタ・クロースというのも
もともとは4世紀にセント・ニコラスという聖人がいて、
彼が貧しい人々に施しをしたという伝承が、
アメリカに渡ったプロテスタントの人たちによって
クリスマスと結びつけられて生まれたもの。
それが、クリスマスにはお互いに贈り物をするという形で
世界中に定着したようです。
もちろん、イエス・キリストは神によって私たちに贈られた
愛と希望の最高の贈り物であるわけですから、
クリスマスにプレゼントを贈りあうということは
理にかなったことなのですけれどね。(*^_^*)

はい、ではここから今日の話題、
「海外サイトに見る日本のクリスマス(Christmas in Japan)」。
これがもうおかしいというか、誤解というか。
最初は笑ってたけれど、だんだんムッとしちゃったりして。
だって、これ、HPで紹介されてるんですよー。
しかもヒット数も多いものに出てるんだもん。
これじゃ日本が誤解もされるわけだ、とかね。(笑)

たとえば、
★クリスマスツリーには折り鶴が飾られている。
  ???私はまだ折り鶴オーナメントと
  いうのを見たことはありません。

★クリスマスプレゼントは「HOTEI-OSYO」がもってくる。
  布袋和尚って誰?ってことで調べました。
  「布袋和尚」
  はい、七福神の1人で、大きな袋を担いでいるのですね。
  イメージとしては近いかもしれないけれど、
  どれだけの日本人が布袋和尚がクリスマスプレゼントを
  持ってきてくれると思っているでしょうか?(笑)

★日本の子供は、サンタクロースは頭の後ろにも目がついてて、
 子供たちを一年中見張っていると信じている。
  えー?そんなこと、いわれたことがあります?
  少なくとも私は初耳でした。  

★クリスマスの食事として「お餅」を食べる。
  あはははは!
  これはフランスのサイトで発見。
  お正月のお食事と一緒くたになっていますね。


なーんてことがいろいろ書かれていたわけです。
でも、確かにクリスマスが信仰と密接に結びついている国から見たら、
日本のクリスマスって奇妙に見えることでしょうね。
商業ベースに乗っかって、プレゼントを買いまくり、
高いレストランやホテルを予約し(バブル期ほどではないにしても)、
毎日のように飲み会に明け暮れる。
クリスマスケーキを自宅で焼かないこと、
しかも25日になるとケーキの値段が激安になること、
26日にはクリスマスの飾りがきれいさっぱりと消え去り、
(西洋では1月6日までがクリスマス季節(Christmastide)です。
「クリスマスの12日」、これについてはまた明日)
お正月用の飾りが出現すること、などなど。
西洋から見たら、やっぱりこれは不思議の国、日本なのかも。

だけど、よその国のことを書くときには気を付けなくちゃね。
だって自分が見たり、聞いたり、あるいは実際に体験したとしても、
それは自分の経験でしかないわけで。
その国のことを100%伝えられるわけはないんだもんね。
だから私が書いている体験記もそういうこともある、
くらいに受け取ってもらえればいいのかな。


クリスマス特集Vol.6 「12 days of Christmas」

クリスマス特集第6弾、今日は「クリスマスの12日」についてです。
といってもこれがいったい何なのか、知らない人はぜんぜん知らないよね。
まずはイエス・キリスト誕生の物語を順を追ってご説明しましょう。

昔、ユダヤのナザレという村にマリアという乙女がおりました。
マリアは神さまを信じて毎日暮らしておりました。
ある日、マリアの元に大天使ガブリエルが現れてこういいました。
「マリアよ、畏れることはありません。
あなたは聖霊によって身ごもり、男の子を産むでしょう。
その子は神さまの子、その子をイエスと名づけなさい。」
マリアは答えました。
「私は主のはしためです。お言葉どおりになりますように」
マリアにはヨゼフという許嫁がいましたが、
大天使はヨゼフにも現れ、マリアが神の子を宿したことを告げます。

さてマリアの出産も近づいた12月、
ローマ皇帝の命令で人々はみんな自分の産まれた村へ戻って
人口調査の手続きをしなければなりませんでした。
マリアもヨゼフの故郷のベツレヘムに向かいます。
その途中でマリアは産気づいたのですが、
宿屋はどこもいっぱいで、空いていたのは馬小屋だけ。
そこでマリアはイエスを産み、生まれたばかりの赤ちゃんを
布にくるんでかいば桶に寝かせました。
それが今から2000年以上も前の12月24日の深夜、
25日の明け方近くのことでした。

さてその頃、荒れ野で野宿していた羊飼いたちは
夜空に不思議に大きく輝く星を見ます。
そこへ天使が現れて、こう告げます。
「畏れるな、今ダビデのところにお前たちの救い主が
お生まれになった。早くいって拝みなさい」
そして羊飼いたちはベツレヘムへと急ぐのでした。

やはりその頃、遠い東の国でも
この不思議な星に気がついた者がおりました。
東方の三博士(賢者)と呼ばれるこの人たちは、
星の光に導かれ砂漠をこえてベツレヘムにやってきます。
そしてそれぞれ黄金、乳香、没薬(もつやく)などの贈り物を、
幼子イエスに捧げたのでした。
この日が1月6日、公現日(エピファニー)といわれる日です。

この三博士はベツレヘムに来る途中、あちこちでこう尋ねていました。
「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。
わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」

それを聞いた当時のユダヤ王ヘロデとエルサレムの人々は不安になり、
「もし、その子供を見つけたら教えて欲しい。
私たちも拝みに行きたいから」と彼らに頼みます。
でも本当はその子供を抹殺してしまおうと考えていたのです。

三博士は夢で「ヘロデのところに戻るな」と告げられたので、
別の道から自分たちの国に帰っていきました。
そのため、ヘロデ王は後になって
「ベツレヘムにいる2歳以下の男の子を皆殺しにせよ」
という残酷なおふれを出したのでした。
その時にもヨゼフには天使のお告げがあり、
ヨゼフとマリアは幼子イエスを連れてエジプトへ逃げて助かります。
これが有名な「出エジプト記」ですね。

なんて、聖書のお話をしていたら、
「クリスマスの12日」の話になかなかいけません。
でもこれを知らないと先に進めないんです。

というのも、この「12日」というのは
イエスが生まれた日、12月25日から、
東方の三博士がやってきた1月6日までのことだから。
この期間のことをクリスマス期間
(Christmastide)と呼び、年が明けてもずっと
クリスマスのお祝いをしているというわけなのです。
だから、26日になるとクリスマスのデコレーションが
跡形もなく消え去ってしまう日本が不思議に見えるのも
無理はないことなのですね。

我が家はイギリスかぶれですので、
当然1月6日までツリーなどを飾っております。
え?片付けるのが面倒なだけでしょうって?
まぁ、失礼な!(だけど半分当たってる)(笑)

はい、そこで「クリスマスの12日間」。
これはクリスマス・キャロルにもなっているんです。
知らない方はここで聴いてみてください。

「12 days of Christmas」

いかがですか?
聴いたことある人もいるんじゃないかしら?

この歌は、恋人にクリスマスの12日間、
毎日違った贈り物を届けるという歌なのですが、
この歌詞にも実は深い意味が隠されていたのです。
昔、イギリスでは16世紀中頃から19世紀始めまで
カトリックは異教として禁じられていました。
そこでカトリックの信者たちは、若い信者たちが
カトリックの教義を忘れないようにという意味を込めて、
一見意味がないように思えるこの歌を作ったのですって。
たとえば一番のこの歌詞ですが、

On the first day of Christmas
My true love sent to me:
A Partridge in a Pear Tree.

私(me)に贈り物をしてくれる恋人(true love)、
これはそれぞれ洗礼を受けた信者(me)と
神さま自身(true love)を表すのだそうです。
そしてキジ(partridge)というのはイエス様、
自分の翼の下でヒナを守る母鳥にたとえているのだそうです。
こんな風に、この歌の中には比喩がたくさんあるんです。

以下、2日目からの贈り物とその意味です。

2日目:Two Turtle Doves
    旧訳と新訳の聖書

3日目:Three French Hens
    信仰と希望と愛

4日目:Four Calling Birds
    マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書

5日目:Five Golden Rings
    モーセの5書

6日目:Six Geese a Laying
    天地創造の6日間

7日目:Seven Swans a Swimming
    カトリックの7つの秘蹟
    (洗礼/堅信/聖体/婚姻/告解・悔悛/序階・品級/終油)

8日目:Eight Maids a Milking
    8つのBeautitudes
    (山上の教え「心の貧しい人は幸いである、
    天の国はその人たちの者である」から始まる8つの教え)

9日目:Nine Ladies Dancing
    nine Fruits of the Spirit
    (霊の結ぶ9つの実=愛・喜び・平和・
    寛容・親切・善意・誠実・柔和・節制)

10日目:Ten Lords a Leaping
    10戒

11日目:Eleven Pipers Piping
    11人の使徒
    (イエスを裏切ったイスカリオテのユダは含まれません)

12日目:Twelve Drummers Drumming
    使徒信教(?)の12の教義

と書いてみたけれど、私にもよくわからないところがいっぱい。
でもこの歌の中にそんな想いが込められていたなんて、
ぜんぜん知らなかったな。

【追加】

pgloveさんがこんなページを教えてくれました。
それぞれの歌詞の意味を詳しく解説してあります。
英語なんだけど。
The Hidden Meaning of the Words

さて、実はこの歌にはもう一つのお楽しみがあるの。
1番から12番まで、贈り物を次々に足して
歌っていくってことで、これ、
子供たちの記憶ゲームみたいにして歌われたんだって。

ちょうど私たちが
♪八百屋のお店にならんだ 品物見てごらん♪
♪よく見てごらん  考えてごらん♪
という歌で、野菜や果物の名前を
どんどん増やして歌っていくように。

On the twelfth day of Christmas
My true love sent to me:
Twelve Drummers Drumming
Eleven Pipers Piping
Ten Lords a Leaping
Nine Ladies Dancing
Eight Maids a Milking
Seven Swans a Swimming
Six Geese a Laying
Five Golden Rings
Four Calling Birds
Three French Hens
Two Turtle Doves
And a Partridge in a Pear Tree.








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