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テーマ:今日のワイン(6026)
カテゴリ:ドイツワイン
白の3番目は、樽発酵、樽貯蔵の、
フーバー シャルドネ Q.b.A トロッケン[2004]750ml である。 ドイツでは不遇な葡萄であったシャルドネ。 1989年までは、この葡萄を使うと、どんな銘醸畑で、 どれほどの醸造家が造っても、 最下級のターフェルヴァイン(ヴァン・ド・ターブル)と扱われた。 いかにレベルを上げても、良いワインと認めて貰えない葡萄を 好んで植える栽培家・醸造家は居ない。 しかしフーバー醸造所では1954年から植えられていたのである。 この年、マルターディンゲン村では 畑の葡萄の多くを植え替えた。 ヴァイサーブルクンダーへの改植を行ったのである。 苗が全く足らず、ブルゴーニュの業者に買いに行った。 それを植えたのだが、苗木の一部(と言うより多く)が 収穫量が低く、香りがヴァイサーブルクンダーの物とは違う… と誰もが感じた。 この改植を失敗と判断し、1960年~1970年に引っこ抜いて 植え替えたという記録がある。 このブルゴーニュの業者から買った木は変だ… という事で、フーバーさん自身は勉強して、 何の品種か?をつきとめようとした。 最初は、“モスカート・ヴァイサーブルクンダー”か? とも思っていたが、どうも違うと感じていた。 彼自身、薄々気づいてはいたのだ。 ブルゴーニュの苗木業者が多く持っている白の葡萄… 研究機関に出して検査すると、案の定“シャルドネ”。 なんと、この1954年に買って来た苗の 3割のみがヴァイサーブルクンダーとオクセロワ(ヴァイサーと酷似)で、 残り7割がシャルドネだった…という、 フランスの業者のいい加減さを露呈する事件だった。 この苗から育った樹は、1990年まで、 「変なヴァイサーブルクンダー」として抜かれ続けた。 しかしフーバー醸造所では、根が張っていくので抜かなかった。 父親が残してくれたのだ。 この父親の英断に、フーバーさんは感謝していると言う。 飲む側の私としても、フーバーさん以上に、 こんなシャルドネを造る木が抜かれなかったのは とても幸運だったと強く感じる。 飲めば押し切られそうな、パワフルな果実を実らせる樹だ。 [To Be Continued...] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年03月05日 18時32分34秒
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