『バベルの搭』展。
東京都美術館にブリューゲルの『バベルの搭』がやって来ました。24年ぶりの来日との事です。
ブリューゲルには、大きなバベルの搭と、小さなバベルの搭の2点がありますが、これは小さい方のバベルの搭です。
小さいけれど、細かく描かれた緻密な作品です。
雲の上に頭を出した巨大な建造物、その高さは推定530メートル。たくさんの人がそこに集い生活している様子が見えます。煉瓦を引き上げる部分の壁は赤く染まっています。地面にはレンガが積み上げてあります。漆喰を引き上げる部分の壁は白く染まっています。漆喰を運ぶ人たちも白いです。帆船のマストより高い階層部分、その中の赤い天幕に群がる人々がいます。教会とおぼしき造作が見えます。なんと細かく、なんと壮大な景色でしょう。これが『バベルの搭』です。日本の、上野の美術館で目の当たりにすることができるのです。不思議でさえあります。嬉しい事です。
そして、展示はブリューゲルの版画にも及びます。不可思議な生き物、あり得ない様な景色は、未知の世界へと連れていってくれます。学生の頃ブリューゲルの版画を観に美術館へ通ったのを思い出します。
ブリューゲルの他にもヒエロニムス・ボスの気味の悪い作品展示がたくさん展示されています。
全体を通じて、久しぶりに重厚な、見応えのある展覧会でした。二時間くらいは観ていました。
ロビーの大友克彦作、バベルの搭内部も見逃せないです。
タラオも!