2017/07/16(日)11:43
『ベルギー奇想の系譜』。
Bunkamuraのザ・ミュージアムで『ベルギー奇想の系譜』が始まりました。
15世紀のボス、ブリューゲルに始まり、ルーベンスらを経て20世紀のマグリット、デルヴォーらへと
繋がる奇想の画家の系譜を堪能できる展覧会です。
特に、奇想の宗教画を描いたヒエロニムス・ボス、バベルの塔で著名なピーテル・ブリューゲルの作品の
奇想さは群を抜いています。
今回の展覧会の代表的な作品「トゥヌグダルスの幻視」(ボスの工房)は格別です。
入り口で配布されている作品リストに図解が載っています。それと見比べると七つの大罪について
うまく一枚にまとめてある事がわかります。
ボスの色彩、登場するモノたちの異様さは奇想の極致です。
続いて、ブリューゲルの版画。旧約聖書を元に作られた作品や、七つの大罪、七つの徳目は、一枚一枚が見どころ満載で時間をかけて観たい作品群です。さらに、今回はアニメ化された版画の上映もありとても面白く、モニターの前に人だかりができていました。
20世紀のアーティストの、パナマレンコによる奇想の乗り物「スコッチ・ギャンビット」。これを実際に造って水上を走らせている画像がモニターから流れています。実際に造ってしまうのも驚きですが、それが動くと言うのは衝撃でした。
この展覧会では、日常とかけ離れた数々の奇想の展示によって、幻想世界をたっぷりと味わう事ができます。
そして、ミュージアムショップには、必ず立ち寄りたいところです。常設のミュージアムショップには
奇想のコーナーが設置されており、ボスのフィギュアがいくつも品揃えされています。一つ5千円前後ですが、思わず欲しくなってしまいますよ。
最後に、展示会場の気温は低めに設定されているので、外の暑さから逃れるのにも適していますが、
他の美術館と比べて冷房が効いている様ですので、羽織物があった方が良いと思います。