∽グリフォンとうみがめもどき∽

2017/07/16(日)11:43

『ベルギー奇想の系譜』。

ミュージアム(334)

Bunkamuraのザ・ミュージアムで『ベルギー奇想の系譜』が始まりました。 15世紀のボス、ブリューゲルに始まり、ルーベンスらを経て20世紀のマグリット、デルヴォーらへと 繋がる奇想の画家の系譜を堪能できる展覧会です。 特に、奇想の宗教画を描いたヒエロニムス・ボス、バベルの塔で著名なピーテル・ブリューゲルの作品の 奇想さは群を抜いています。 今回の展覧会の代表的な作品「トゥヌグダルスの幻視」(ボスの工房)は格別です。 入り口で配布されている作品リストに図解が載っています。それと見比べると七つの大罪について うまく一枚にまとめてある事がわかります。 ボスの色彩、登場するモノたちの異様さは奇想の極致です。 続いて、ブリューゲルの版画。旧約聖書を元に作られた作品や、七つの大罪、七つの徳目は、一枚一枚が見どころ満載で時間をかけて観たい作品群です。さらに、今回はアニメ化された版画の上映もありとても面白く、モニターの前に人だかりができていました。 20世紀のアーティストの、パナマレンコによる奇想の乗り物「スコッチ・ギャンビット」。これを実際に造って水上を走らせている画像がモニターから流れています。実際に造ってしまうのも驚きですが、それが動くと言うのは衝撃でした。 この展覧会では、日常とかけ離れた数々の奇想の展示によって、幻想世界をたっぷりと味わう事ができます。 そして、ミュージアムショップには、必ず立ち寄りたいところです。常設のミュージアムショップには 奇想のコーナーが設置されており、ボスのフィギュアがいくつも品揃えされています。一つ5千円前後ですが、思わず欲しくなってしまいますよ。 最後に、展示会場の気温は低めに設定されているので、外の暑さから逃れるのにも適していますが、 他の美術館と比べて冷房が効いている様ですので、羽織物があった方が良いと思います。

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