アカウント型生命保険について
アカウント型生命保険のメリット、デメリット伸びるアカウント型生命保険 自分の積立口座(アカウント)には貯蓄機能があり、死亡保障や医療の保障を自由に組み合わせることのできるアカウント型保険が今、人気があります。この5年間の保有契約高の伸び率は60%を超えます。この間、定期保険が20%、終身保険は2%、定期付き終身保険は5割近い減少となっています。今や、死亡保険全体のなかでアカウント型生保のシェアは2割近くなっています。定期付き終身保険から置き換わるアカウント型保険数字をみると定期付き終身保険が、アカウント型生命保険に置き換わりつつあると見てとれます。一般の商品と同じでよく売れる保険にはそれだけの理由があります。定期付き終身保険というのは、定期保険を特約として、主契約の終身保険と組み合わせた死亡保険です。単品の終身保険は、予定利率による貯蓄機能があるので、保険料は割高となるのですが、この場合は定期保険と組み合わせることで保険料は割安になります。アカウント型生命保険の仕組み きょうのテーマのアカウント型生命保険は、正しくは「利率変動型積立終身保険」といいます。この保険の特徴は、保険契約者の払った保険料をアカウントという口座で管理することです。銀行などの総合口座に近いイメージです。 人生においてはいろいろな保険リスクがあります。年齢が高くなると同じ保障でも保険料が高くなります。この口座の残高のなかで、あたかも着替えをするように保険商品や保障内容を変えていけるというのがウリです。例えば若いときには医療リスクは低い一方で、家族形成期なので万一のときの死亡保障は高くする必要があるでしょう。年齢が高くなるいと共に、死亡保障よりも病気などの保障を手厚くすることが求められます。さらに齢を重ねると介護や年金への準備が必要となります。 このアカウント型保険は、毎月の保険料に加えて臨時収入があったときには自分の口座に入れることもできます。お金が必要になったときは引き出しもできます。このように口座からのお金の出し入れ、保険の設計名などが契約者の生活設計に基づいて自由にできる、このことがアカウント型生命保険の人気の理由といえます。アカウント型生保のメリット あたかも銀行口座にも似た使い勝手の良さ、これがアカウント型生保の最大の特長です。定期付き終身保険と比較してみましょう。仮に上乗せ部分(終身保険以外の部分)を見直すとします。定期付き終身保険の場合には主契約の終身保険部分も見直しが必要になる場合が多いのです。アカウント型生保の場合一定期間後という限定はつくものの、上乗せ部分だけの見直し(保障内容、保険金額の変更)が可能です。アカウント型保険のデメリット 保険会社のパンフレットを見ると払い込み満了時には終身保険に移行できたり、個人年金に移行できると書いてあります。手数料はかかるものの中途引き出しもでき、保険種類や保障額の変更も途中でできる、好いこと尽くめのようですが、保険には完全なものはありません。 まず積立金ですが、期間中に保障を増額することでその分だけ減っていきます。定期保障が満期を迎えた場合には一般に保険料がアップすることは同じです。また保障額を増やす場合には審査が必要になります。入院歴がある場合、保障の拡充ができないこともあるのです。さらに積立部分は予定利率で変動します。この保険が「利率変動型」といわれる由縁です。したがって主契約の保険金額は保険料払い込み満了時までは確定しないのです。アカウント型保険はカイか、ウリか 以上にように使い勝手がよい反面、最後まで積立部分の増減によって保険金額が確定しない、というのがこのアカウント型生保の宿命です。したがって自分のライフプランをしっかりと管理して、定期的に送られてくる積立金に関するレポートをチェックできるという人なら十分に役立つと思います。もっともそのぐらいの自己管理のできる方なら、単独の保険を組み合わせて、ご自分のリスク対策ポートフォリオを作ったらどうか、というのがFPとしての私の意見です。FPのエリダー・プロジェクトのHPもご覧ください。http://home6.highway.ne.jp/mgoto/