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船坂圭之介氏の渾身の第一歌集である。 発行所は、(株)美研インターナショナル、発売元は(株)星雲社(03-3947-1021) 同氏は、岐阜県生まれ、岐阜医科大学助教授を経て、NTT松山病院眼科部長を歴任。旧制中学より短歌を初めて、歌歴70年。 私には、発想できない自由で、優美な歌の数々で彩られている。。 * 立つ影へ夜ごと日ごとの身のめぐり思へばかなしき風韻の峪 * かなしみをあまた残してゆく人のために今宵は薔薇を刻みぬ * おやすみとつい声掛けて亡き妻の居ぬ空間を見詰むしばらく * その背(せな)に思ひの在らぬ幼年をふりかへりつつされど恋ふ母 * 炎(ひ)のごとき故郷(さと)への思ひ夕雲に彩(いろ)を重ねてしたたかに夏 * 思慕の窓叩く黄ビタキふるさとの山はつつがもなき春であれ この本の大きな特徴は、ご覧のように本文の各ページに表紙ど同様な装丁がされていることである。絵本感覚で気軽に「読める」を狙っていると思われるが、歌の内容は、きわめて重い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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