続・二刀流候補に挙がった日本ハム・上原の思いは…
今月14日の朝。ネットニュースを見た日本ハム・上原健太投手(22)は驚いた。「続・二刀流に上原、白村」の見出しが、Yahoo!ニュースにまで躍っていたからだ。「そりゃあ、 びっくりしましたよ。 えっ、 僕がって感じです。 まだ、 ピッチャーとしても結果を 出してないから、 いいものなのか、 どうかも分からなくて…」米ハワイでの優勝旅行中に栗山監督が「ほかの選手の二刀流も、 冗談ではない。 勝手な妄想だけど、 白村と上原。 身体能力が高いし、 投手としてもいいものがある」と二刀流構想を明かしたものだった。日本に残り、自主トレを続けていた上原にとっては初耳だった。昨秋のドラフト1位で明大から入団した1メートル90の大型左腕は1軍でわずか1試合の登板に終わった。2月。大谷らとに米アリゾナ州での1軍キャンプに抜擢(ばってき)された。だが、帰国後に沖縄での紅白戦に登板して、打者11人にわずか1アウトしか取れず、8失点で降板。調子を崩して試行錯誤のまま、ルーキーイヤーを終えた。「大学3年ぐらいまでは、 自分に自信があったけど、 だんだんフォームが しっくりこなくなって。 でも、 今はそのときの感覚が戻ってきた。 フォームも安定してきたので、 このまま継続してやっていきたい」明大時代は150キロ超の速球を投げ込む大型左腕として各球団から1位候補に挙げられていた。日本ハムでも即戦力として期待されながら、1年目は不完全燃焼で終わった。だが、プロでのトレーニングで着実に体はレベルアップしていた。体重は2キロアップの87キロ。「僕の身長なら、 もっと増やしてもいいと思う。 しっかりと トレーニングはしているので、 ボールにも力が乗るようになる」と実感している。栗山監督が言うように、恵まれた体も運動能力もチームではトップクラス。50メートル走は5秒7。ひそかに打撃も自信を持っている。「(広陵)高校のときはピッチャーは 打撃練習もなかったんです。 それが東京六大学はDHもないから、 明治では毎日、 フリー打撃があって。 打つのが楽しくて、 本気でやっていました」と語る。だが、上原の思いは投手での成功。「来年こそは、 という気持ち。 このまま練習を続けていけば、 大学時代よりも すべての面で上回る投球が できると思う」と勝負の2017年に懸けている。武田勝が現役を引退、吉川光夫はトレードで巨人に移籍し、先発左腕が手薄な日本ハムで活躍の場所はあるはず。その才能が花開く日は近いかもしれない。(桜木理)(サンケイスポーツ電子版・12月27日付けの記事から引用しました。)