今日の事:自殺は絶対してはだめです!
今日の事・・・昨日の深夜、自殺した彼の妹さんから連絡が入った。彼の携帯のメールのやり取りから自分や会社の同僚に片っ端からメールを送ったとの事。実のところ、彼の携帯からのメールだったので心底ビックリしたのだが内容を読んで安心したのだった。すぐに返信して、電話をくれるようにお願いし、会った事も話た事も無かった彼の妹さんと話をした。彼の遺体は警察にあるとばかり思っていたのだが、もうお通夜をやっているとの事。昨晩はもうアルコールも入っていたし、告別式に出ると伝えた。彼の顔も見たいし、お骨も拾ってあげたかったから。すると妹さんが言った。「本当は家族だけの葬儀にしようと思っていたのですが、来ていただけるなら兄も喜ぶと思います。でも顔は、警察からも葬儀屋さんからも見せないほうが良いと言われています。」と。その言葉で察しは付いた。そして今日・・・会社の同僚と、自分と家内で告別式の会場のお寺へ行った。彼のご両親と妹さん、3人だけが祭壇を眺めていた。本当に他には誰も来ていなかった。6人だけの告別式。それだけでも悲しかった。一通りの事が終わり、最後のお別れの準備をするので親族と客人は外にいったん出された。この時改めてご両親と妹さんに挨拶を交わし、どんな状況だったのか聞く事が出来た。アパートの住人から異臭がすると連絡を受け警察が彼の遺体を発見したのが10月13日。解剖の結果、死亡推定は日時10月9日。発見まで約5日かかったと言う事になる。運悪く、このあたりの日は気温が高く暑かったはずだ。どのような手段で亡くなったのかはとても聞けなかった。遺書は無し。 ただ、彼の携帯のメールに未送信のまま残っていたものがあったという。誰に宛てたかもわからない送信先の入力が無いメール。本文:「ごめんなさい」。何が彼を追い詰めたのか、もう誰も知る事が出来ない。会話が途切れた時に葬儀屋の責任者から会場に呼び戻された。会場に入る前から、彼が入っている開け放たれてた棺が目に飛び込んできた。きっと、顔には布が掛けられているのだろうと思いながら棺に近寄ろうとしたが、近寄れなかった。怖かった。ご家族が彼の好きだったタバコ、服、本、写真などを葬儀屋に指示されながら丁寧に入れているのを少し離れて見ていた。彼の遺体にお父さん、お母さん、妹さんの涙がぽろぽろと落ちる。辛かった。最後の仕上げの花を棺に入れてあげる時が来た。恐る恐る棺に近寄った自分は愕然とした。布がかかっていない。変わり果てた彼の顔が見えた。とても生前の彼とは思えないほどひどいものだった。彼の顔の周りに花を置いてあげようとした時、我慢していた涙があふれ出た。誰にはばかる事無く嗚咽を上げながら泣いた。ご家族の前ではあったが、「この馬鹿野郎! この親不孝者が~!」と彼に怒鳴った。悲しくて悔しくてたまらなかった。「こんな死に様を両親に見せる奴があるか」と心で思いながら、早く棺に入れる花がなくなることを願った。たった6人のお見送り。悲しさが倍増した。一通りの事が終わり、火葬場へ行き彼の骨を拾った。もう彼は居なくなった。あっけない人生、これでよかったのかい?と自分は彼の骨を拾いながら心の中で彼に問いかけていた。骨壷に入った彼をお父さんが抱き、位牌をお母さんが胸に持ち彼の写真を妹さんが持ち、そのままそこでお別れした。・・・自殺するのは勝手。 でも人に迷惑を掛けてはいけないと思う。早く見つけてもらえないとどんなに醜い姿をさらすのかわかって欲しい。彼の死に顔はもう一生自分の頭からは消えない。彼は32歳と言ったが31歳の誤りだった。9月に誕生日を迎えたばかり・・・まだまだ人生は長かったはず。早く忘れよう。