アニメ業界のフリーランス“4人に1人”が「廃業の可能性あり」と回答 インボイス制度導入に向けた意識調査結果にて
●記事元
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f2fbd9087b72111173a1e0707df9ef70e4178dd
○ざっくり解説
令和5年(2023年)から「インボイス制度」が開始。「適格請求書(インボイス)」の提出が求められ、フリーランスで働いている人にも大きな影響が出る。アニメーターへの調査の結果、約3割が廃業の危機にあると解答している。
初めて聞く制度ですが、とにかくフリーランスで働いてる人にとって重大な、税申告に関する制度のようです。
以下の記事を参考に、順を追って、整理してみます。
※参考記事
植村会計事務所
https://plagger.org/invoice-terrible/
1、消費税について
・税金には直接税と間接税の2種類あり、消費税は間接税に分類。
例)コンビニでは購入者が消費税を支払い→ 国に収めるのはコンビニ。購入者が間接的に消費税の納税するので、間接税と呼ばれている。
・消費税は令和元年10月1日から、軽減税率8%と標準税率10%の2種類に分類。
2、事業者と消費税の関係
・事業者は以下の条件を満たす場合、消費税の納税が免除される免税事業者となる。
必須)資本金1,000万円未満
要件)①、②を満たさなくても、③を満たせば該当
①:特定期間の課税売上高が1,000万円以下
②:特定期間の給与支払額の合計額が1,000万円以下
③:設立1期目が7カ月以下
・免税事業者は消費税を納める義務がないため、取引先との取引で発生した消費税を益税としてそのまま得らる。・一方、上記の条件に当てはまらない事業者は、消費税の納税義務がある課税事業者となる。
・課税売上に係る消費税から、課税仕入れ等に係る消費税を控除することを、消費税の仕入税額控除という。
(納める消費税=課税売上に係る消費税 – 課税仕入れ等に係る消費税(仕入税額))
以上のことから、これまで課税所得1000万円以下の事業者は、免税事業者となり、消費税を納めなくても済んでいたようです。そして、相手の取引先は、免税事業者による請求書により、消費税の仕入れ税を控除できました。
例)年収1,000万円のフリーランス→ 仕事をする→ 取引先から消費税込みの支払いを受ける→ 免税事業者であるため、消費税分は益税として受けることができる。
では、インボイス制度と、この消費税の仕入れ控除やフリーランスへの影響とはどういった関係性なのでしょうか。
3、インボイス制度とは
・適格請求書等保存方式と呼ばれており、令和5年10月1日に導入。
・記載義務を満たした請求書を発行・保存する制度。
・消費税の仕入税額控除を受けるには、従来であれば請求書や帳簿を保存する必要があった。
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インボイス制度導入後は、適格請求書(インボイス)を保存する必要がある。
・インボイスとは、以下の内容を記載している書類。
発行者と交付を受ける者の氏名または名称
取引した年月日
取引内容と金額
インボイス発行者の登録番号
軽減税率の対象品目
税率ごとに区分して合計した対価の額もしくは
適用税率
税率ごとに区分した消費税額 など
・発行できるのは、税務署で適格請求書発行事業者の登録を行なっている事業者のみ。
・なお、免税事業者はインボイスを発行できない。
以上の点を踏まえた上で、インボイス制度がどうフリーランスの多い免税事業者に影響あるのか、見てみたいと思います。
4、インボイス制度導入による、免責事業者の問題点
①仕事が減る可能性あり。
・免税事業者はインボイスを発行できない→ 取引先は消費税の仕入れ控除ができず、消費税を余分に支払うことになる。=取引先が損をする。
・一方、インボイスを発行できる課税事業者と取引する→ 仕入税額控除を受けられる。
今まで取引先にとっては、相手が免税事業者の有無問わず、請求書があれば、消費税の仕入れ控除が出来ました。
ところが、インボイス制度導入になると、消費税の仕入れ控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)が必要になるため、必然的に、インボイス発行ができない免税事業者との取引は不益になりえます。
結果、インボイス制度導入により、免税事業者が主なフリランスは仕事が減る恐れがある、廃業の危機がある、というわけです。
②消費税分の報酬を減らされる可能性がある
・免税事業者に対して、取引先としては、返ってこない消費税分まで支払うのは損との考えになりうる。
・免税事業者は、インボイス制度導入後、取引先から消費税分の報酬を減らされる可能性がある。
消費税の控除が受けられ無いのであれば、元から消費税分を引いた報酬にして欲しいという、取引先の要求はあるかと思います。
結果、フリーランスとしては収入減となり、廃業が危惧されるわけです。
以下は、記事元筆者の意見ですが、のせておきます。
5、免税事業者のとる対策
①取引先に対して、消費税分を引いた報酬を請求する。
・収入は減るが、仕事を残すためにも、取引先との関係を継続する。
②課税事業者に切り替える。
・役所にて、免税事業者から課税事業者に切り替える。取引先にインボイスを発行できるようにして、仕事を切らさないようにする。
・ただし、消費税分の報酬は無くなり、収入は減る。
③取引先にとって唯一無二の存在となる。
・取引先にとって、かえのきかないクリエーターになる。
・お金以上の付加価値を提供する。
その他、インボイス制度の抜け道はあるのかなど掲載されていましたが、頭がパンクしそうなので、今回は以上でとどめておきたいと思います。
それにしても、アニメーターの労働環境って、昔からよく問題になってる気がします。
またいつかアニメーターという職業についても調べてみようかと思います。
フリーランスって憧れますが、大変なんですね〜。😵