4リットル焼酎

2004/08/06(金)04:15

後輩君とぎが 4

プールのバイトの後、後輩君は短期大学を卒業して某有名企業に就職し札幌を離れます。おいらは普通の会社に採用されました。コネで。 これで後輩君との付き合いは終了と思っていたのですが、後輩君はおいらを誤解したままでした。 「ぎがさんみたいな人、俺今まで逢ったことないんす!これからも遊んでくださいね!」    いや腐るほど逢えると思うぞ後輩君。  …ってこんなボンボンにまで珍獣扱いされちまった。 その手のセリフ吐きやがったの後輩君で100人目くらいだ。どうせすぐ飽きるくせに。そして居なくなるのに。 後輩君は確かに真面目で優しい良いヤツです。まっとうです。後輩君はおいらに何かと気を使ってくれる。おいらを喜ばせたいって気持ちは痛いくらい良くわかる。しかし、それはホントに痛い事になってしまうんです。 おいらと後輩君は違い過ぎました。 こいつの困った所は言わずに置けば穏便にすむ一言を言わせる事でしょうか。 まったくガキってどうして何から何まで「なんで?どうして?」と説明を求めるんでしょう。 おいらが言わずに済ませたい事を言わせといて勝手にヘコむ。 テレビやビデオを転勤する知り合いに一通り譲り受けた時もそうでした。 「ぎがさん!俺のは一切もらってくれなかったじゃないですかっ!」←なぜか逆ギレ って、ソレ全部てめーで稼いだ金で買ったモンじゃ無いだろう?親が君のために買い与えたモノをおいらが受け取る訳にいかないべ。それに知り合いとの付き合い上、仕方ないだろう。 この説明で黙ってい引けば良いものを「俺との付き合いより大事なんですかっ!」と来やがった    …そうだ って応えるしか無いだろう。 焼肉屋の時もそうだった。 「ぎがさん なんで肉食わなかったんですか?俺らの勢いに食うヒマなかったんすか?」 食い放題だ!タダ券だ!と盛り上がってる雰囲気を壊したくなかったに決まってるだろう。 バレないように肉を焼く係したり野菜をつついていたのを変に良く見てやがります。 「んー?ちゃんとしっかり食ったぞ。今日は楽しかったな美味しかったな」とその場をサラっと流そうとしたのに重ねて 「食い放題のタダ券だったのになんで肉食べなかったんですか?」と。 (そのタダ券はサイドメニューも全部タダなのか?と確認した時に察しがつかなかったのか…) ガキっちゅうのは曖昧にしておくってことが出来ないのでしょうか。 この時、帰りの車には「あー食った食った♪」と大満足の後輩君の弟も友達も居たのに。 「あんな店ってやっぱ ぎがさんが普段行くとことは味違うんですかぁ?」と言い出す始末。 そこまで追求されては      …実は肉 得意じゃなくてな。 と白状するしか無くなるだろう。 「え!?」とフリーズする居合わせた後輩君の弟&後輩君の友達。満腹感が罪悪感に。 ああやっぱりこうなってしまった… 後輩君に恥かかす気は無かったのですが実際おいらこの当時、肉が苦手で食えなかったんです。 でも焼き肉屋ならではのサイドメニュー(冷麺とかキムチとか)は大好きだったし本当にこの日は楽しかったし美味しかった。 タダ券を調達して来た後輩君にマジでありがとうと思った。この日はこのままメデタシめでたしで終了するはずだったのに。 なんでこいつは言わなくて済むことまで言わせるんだ。そして落ち込むんだ。 同じバイト先で同僚をしていた時代はおいらが意図的に嫌がらせを仕掛けて楽しんでいましたが、いつの間にか意地悪な結果を招く状況になって行きました。 思えば最初においらが与えた印象も悪すぎでした。真面目で融通の利かない後輩君はそのままの乗りでおいらになついてきます。 「ぎがさん!ススキノ行きましょう!」 「ぎがさん!ドライブ行きましょう!」 「ぎがさん!カラオケ行きましょう!」 「ぎがさん!絶叫マシン乗りましょう!」 誘ってくれるのは嬉しいのですが、後輩君 地元の実家から札幌に来るまで車で2時間かけて出向いた挙げ句「俺が誘ったんすから俺が全部払います!」なんです。 この野郎おいらを一体なんだと…(この時期おいらはノリノリで金はウハウハ儲けてました)    後輩君。このくらいの割り勘おいらだって払えるから。 「良いんですぎがさん!俺もう社会人っすから!任せといて下さいって!」    貴様の前においらはとっくのトンマに社会人だ。 まったくコイツが来ると自分のひねくれぶりが身に凍みる。 後輩君本人のせいじゃないのですがコイツは純粋に明るく正しく育った子です。 無条件に良い奴が居るとおいらが隠したい嫌~な部分がくっきりと出ちまうんです。 当然こんな屈折した心理が理解できない後輩君。無邪気に「ぎがさん!俺 明日休みですから酒飲みましょう!」と    おいら君と酒を飲んでも楽しく無いんだよ… 「え~なんでですか~この前もぎがさん酔ってこんな事言ったしあんな事言ったし」    それが嫌なんだ!!! 後輩君は酒に強い体質らしく酔いません。 それゆえ一緒に飲むとおいらが先に酔って醜態をさらすことになります。酔わない後輩君はおいらの無様な酔っ払い姿をきっちり覚えてるんです。 知ってるお方はご存知なんですが、おいら飲むと何の脈絡も無いのに泣くクセがありまして。 真面目な後輩君は「酒を飲んで泣く」という行為が額面通りの「泣く」としか思えないらしく 「ぎがさん 昨夜はなんで泣いてたんですか?俺に出来ることがあったらなんでも言って下さい」と地雷な発言。 誰が貴様のようなボンボンに頼るか。    酒を飲んだ時の事を君しらふの時に全部言うだろう。それ最悪だから 酒飲みの勝手な自分ルールを激怒して説教するおいらもダメ人間ですが、せざるを得ない状況を作るクソ真面目な後輩君も後輩君。 「ぎがさん昨日のこと覚えています?」って どうせロクでも無い事をしてるに決まってる。それをしらふの時に問われるのは勘弁して欲しい。 「ぎがさん なんで最近酒飲んでくれないんですか?」   後輩君。なんでおいらが君と酒を飲みたくないのかわかってないのか? 「俺に悪いところがあるならちゃんと言って下さい!」   悪くないからいう事なんて無い!だから忙しいからだって言ってるだろう。 「ぎがさん!ぎがさん!俺のこと避けてるんですか?」     忙しいんだ。ただそれだけだ!これ以上言わせるなよ! 「なんでですかぎがさん!俺納得できませんから!」 …どうしてこいつは言いたく無いことをおいらに言わせるんでしょう。真面目で優しい良い奴なのに。   後輩君。 君 はっきり言って君うっとうしいよ? 言わずに済ませたい事をどうしておいらの口から言わせやがるんだ… 君が思ってるほどこの時のおいらは大人でも良い人でもなかったんだ。

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