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カテゴリ:特撮
なんでも今、静岡には大雨洪水警報が発令されたそうな。水不足がこれで解消されれば良いのだが、度が過ぎて洪水なんてゴメンだなぁ。まぁ、何事も行き過ぎはよくないやね(おっと、このブログ初めて日記らしいこと書いてしまった)。
外は雨ばかりでなく風も強い。まさに異常気象だ。 んっ、異常?異変? というわけで、日本最大の異変をドラマ化した、「テレビ版日本沈没」を語る、今日は後編。 全26話の中には、まぁ中だるみと感じる話もないことはないが、ほぼ全編、シリアスに、そして感情を揺さぶる熱い(しかしどこかクールな)ストーリーが展開されていく。 で、日本を海に沈めてしまうという奇想天外な話ゆえに、重要となるのはやはり、数々の異変を表す特撮シーンだ。これがまたよくできてる! とはいえ、初期の数話は地味だ。火山の噴火や、深海艇“わだつみ”での海底探査中に発見される乱泥流など、普通の特撮番組とあまり変わらない。 しかし、前編にて紹介した離島の沈没、阿蘇山の噴火の話あたりから、見所が急増していくのだ。 そして、前半13話の締めくくりとも言える京都編3部作と、後半のヤマ場のひとつ北海道編2部作で、その特撮(+演出)は頂点を極めることになる。 まず京都編。効果音もセリフもなく「シャラーン」という鈴(?)の音ひとつをBGMに、静かに池に沈んでゆく「金閣寺」。屋根の上に飾られた鳳凰の像が、水没する直前だけ「キェー!」と鳥の鳴き声(というか悲鳴)がインサートされ、視聴者をハッとさせる、荘厳な悲壮美のただよう名シーンだ。 テレビ番組とは思えないほど精巧に作られた清水寺の崩壊シーンも見事。 足場から少しずつ土砂がこぼれ、やがて地震とともに土台の柱を亀裂が走り、割れ、ついに寺が崩れ落ちてゆく。BGMは、その清水寺で独経を唱える坊さんの声のみ!(なんか文章で書くと普通だなぁ。でも本物と見間違うくらいに造り込まれた清水寺がリアルに崩れていくこの場面、すごい迫力なのだ) 北海道編では、やはり時計台前の大通りを津波が襲うシーンが白眉だ。 クラシックの調べに乗せて、ビルをなぎ倒しながらまるでダンスを踊るように荒れ狂う津波は、悲惨ながらどこか美しく強烈な印象を視聴者に植え付ける。 またこのとき、雪文字でつくられた「日本」というオブジェが(これについても事前にちょっとしたドラマがある)波に飲み込まれるというシーンも忘れられない。 (ちなみに、これらの京都、北海道編の特撮シーンは、その後オープニング映像に使われている。それだけ見せ場だった、ということだろう) スゴイのはそれだけじゃない。 日本各地で地震や陥没などが発生するその前兆として小さな異変が起こるのだが、この描写がこわいのだ。 ・家人が寝ている間に、かすかな軋み音を立てて家が地に沈んでゆく ・冬眠しているはずの蛇が狂ったように地上に現れる ・主人公の小野寺くんが調査に向かったダムの壁に耳を当てるとゴーっという音が。 ・そのダムの上空には発光現象 ・(前回述べた)オーロラの出現 ・地面から炎が吹き上がる ・太陽がいくつにも見える(磁気の異常?) etc 現実にこういった現象が起こるかはともかく、ビジュアル的にいかにもな描写がその後の大災害を予感させ、特撮ファンにはたまらなく快感なんである。 もちろん、各回のミニチュアワークにも目を見張るものがある。当時は元より、今と比較してもテレビドラマであれだけのミニチュアセットにはお目にかかれないほどだ。 そんな、精巧極まりないミニチュアを津波が、地震が一気に破壊していくカタルシス。やはり、興奮せざるを得ないのである… おっと、今回もまた語りすぎてしまった。二部構成のつもりだったが、つづきは明日の愛、じゃなく、明日またお付き合いを… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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