きまぐれMAT

2007/04/25(水)20:54

食べ物 二題

etc(152)

その1 ラーメンのわびしさ まったく何がわびしいって、ラーメンの最後のひと口を食べるために箸でどんぶりの下をすくっているときほどわびしいものはない。 麺はもとより、わかめだのチャーシューだのコーンだの半熟タマゴだのもやしだの…をズバズバと口の中に運び豪快に食していたのが、瞬転!スープの表面に具が見えなくなると急に心細くなる。 くそう、あきらめないぜ。チャーシューの一切れは最後のお楽しみに残しといて、箸やレンゲを手に、探す、探す。おぉ、メンマ発見!よくぞ残っていてくれた。しかし、麺は?う~む仕方ない。更なる面の残存部隊探索のためだ。チャーシューを口の中に移動させろ!ラジャー! そしてまたカチャカチャと箸を動かし…やっとわずかばかりの麺をすくい、口に。その時!さっきまでのかっ食らう勢いとは似ても似つかぬわびしさが漂うのだ。 さよならラーメン、また逢う日まで。心の中には「遠き山に日は落ちて」のメロディ…そんな雰囲気。 もしかして、ラーメンが国民食とまで言われるほど普遍不動の人気を保っているのは、この豪快に食べられるところ(下品な食べ方が下品に見えないって点で、丼物に通じるな)に加え、食べ終わった後の寂寥感、食べ始めと終わりの気分的落差がドラマのように激しく、まさにワビサビを持っているところにあるのかもしれないなぁ…。 “ラーメン、それはいつも儚い。ラーメンの食べ終わりには寂しさを伴うという運命を自ら持っている。それでも人はラーメンを食べる。限りない味わいとロマンを追い続ける。それが人間なのである。次の麺を口にするのは、あなたかもしれない…”(いや、なぜか書いていてあのエンディングテーマが頭に浮かんだんで…) その2 150円! 先週のサザエさんで遠足ネタ(厳密には遠足前夜がテーマ。それにしても、こんな細かいネタで1本作っちゃうんだから、しみじみサザエさんってスゴイな…)をやっていたが、遠足といえばお菓子。 今はどうか知らないが、私が子供の頃、遠足に持っていけるお菓子の総額は150円以内と決められていた。な~んで150円?200円以内じゃいかんの?(学年が上がるにつれその200円以内ってのにバージョンアップしたが、な~んで300円じゃいかんの?と当然ながら不満に思ったが) まぁなぁ、リュックサックいっぱいにお菓子持ってったってしょ~もないし、と今は思うが、それにしてもなぁ、ハンパだよなぁ上限が。 遠足前日、近所のお菓子屋へGo!店に入ると同時に、気分は“十万円、七万円、五万円、運命の分かれ道!グリコ!ガッチリ買いましょう”の世界。限られた少ない予算の中でいかに好きなお菓子を買い揃えるか、真っっっ剣に考えた。 まず80円くらいのヤツをメインにして、30円のものを二種類買うか、それとも50円のヤツをドンと(50円くらいでドン!ってのも大ゲサだが、でもそんな気分)買っちゃうか、あっ、値段合わせの調整用に、グッピーラムネ、コインチョコ、コリス10円ガムなどは必須!(ちょうど、ワンタッチカレー10箱を手にする感覚だ、って、この説明でわかる人どのくらいいるんだろう…?) 我ながら小ざかしいことに、食べる順番まで考えながら選んでやんの。メインの80円お菓子?そりゃもちろん最後に食べるのさ。 そのくせ、「予算オーバーした分は先生が没収」などという慇懃無礼なクギ刺しをまともに受けて(この辺子供だねぇ)きっちり150円以内で収めてた、気がする。健気だよなぁ小学生の私。別にいいじゃん、10円20円オーバーしたって。 で、その時のクセが未だに抜けていないせいか、今でもスーパーに行くとお菓子売り場のところで、ごくたまにだけど「今遠足に行くならあれとこれと…で150円」なんて妄想計算してしまう私がいる。 もしかしてこれ、先の残り少ないラーメン以上にわびしい…?

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