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雪の降らない僕らの街に -YUKIHURA-

雪の降らない僕らの街に -YUKIHURA-

第二十五話「引き金を引くもの」

 秋場「大丈夫か?こんなところにいて。」

清野「つるを助けるためだ!しょうがないだろう」

秋場「し・・・しかし」

清野「わかったらだまってならんでろぃ」

秋場「もし・・・もしつるが・・・」

清野「そんなことあるはずないだろ」

秋場「じゃあ・・・・もし・・・」

清野「なんだ?」

秋場「もし俺がつると同じになったら・・・どうする?」

清野「助けるさ」

秋場「じゃあ・・俺がもし裏切ったとして、それがわかってても・・・助けるか?」

清野「助ける!!そしててめえを殴る。それで終わりだ」

秋場「!」









10年前~





















秋場「父上ーーーーーーーー」

父「また泣いて。どうした?」

秋場「無理だったよ~」




秋場の手には折れた木刀があった


父「また負けたのか?」

秋場「だって、だってあいつら真剣使ってるんだもん。こっちが木刀じゃ・・・」

父「勝てない、か?それはそうだよな」

秋場「じゃあさ、じゃあさ。かってよ。一番安いのでいいからさぁ」

父「・・・・・本当に負けたのか?」

秋場「ぇ?」

父「本当に負けたのか?」

秋場「あたりまえじゃん!この傷見ればわかるでしょ!」

父「傷なんて・・・どこにもついてないぞ」

秋場「ぇ?ついてるじゃないか」

父「確かに体の傷は見える。でもな、心の傷はついてない。そうだろ?」

秋場「心の傷?」

父「本当に強い人は、力が強い人じゃない。心が強い人なんだ」

秋場「心?」

父「あぁ。それが強ければどんな敵にも負けはしない」

秋場「それ!それどうすれば強くなるの?」

父「そうだな。これをつかっていればいずれ強くなるよ」

秋場「これは・・・木刀じゃないの?」

父「そうだ。その木刀で真剣に勝てば、きっと心は強くなっているよ」

秋場「よーし!」

父「がんばりなさい」








父(本当に木刀で真剣に勝てるはずはないんだが・・・うちは真剣を買う余裕なんて・・)














秋場「勝負だ!今度こそ勝つぞ!」

白樹「またきたよ・・・」

青樹「もう殺しちゃってくださいよー」

赤樹「そうですよあんなやつ」

白樹「殺すと後々面倒だからな。腕を落としておくか」


秋場「うおおおおお」

白樹「・・・てめえみたいな木刀しかかってもらえないやつに未来はねぇんだよーー」

秋場「うおおおおお」

白樹「わからないなら・・・体で教えてやるよ」








ぶしゅっ!!





秋場「うああ」

白樹「無理だっていっただろ、その手はもう使えない。その左手はな」

秋場「まだ、まだ心に傷はついてない!」

赤樹「ぷっ。こいつ何いってんの?」

青樹「両腕きっちゃっていいですよ」

白樹「心に傷ね。まぁ腕が使えなくなれば意地でも心に傷がつくだろ」




刀を振りかざした。そして、秋場の右腕に向かって思い切り振り下ろした







ぐさっ!!!!!!!









秋場「・・・・・・・・・・・」

白樹「な・・・」





父「大丈夫か?ごほっ!」

秋場「なんで・・なんで!?」

白樹「なんだよこいつ、信じられねえ」

赤樹「逃げましょう。こんなやつと一緒にいたら・・」

白樹「あぁ」







刀は・・・心臓に刺さっていた



秋場「なんでそこまでして・・」

父「いっただろ。私は今刀がここにささっている。でもな、心に傷はついてないぞ。」

秋場「でも!しんじゃうよ!しんじゃいやだよ!!」

父「ごほっ、ごほっ。どうだ、痛いか?」

秋場「ぇ?・・」

父「心が痛むか?」

秋場「・・・うん」

父「人を傷つけたり、人が傷ついたりすると・・・心が痛くなるんだ。わかるな」

秋場「わかるけど、早く治療しなきゃ!」

父「大丈夫だ。それより・・・私の心の治療をしてくれ・・」

秋場「ど、どうすればいいの?」

父「お前の・・・腕を・・・・・・もう一度動かせるようにすれば・・・・・・早く医者に・・・・・・」

秋場「いやだよ!俺の心の治療もしてくれよ!」

父「助からないさ、心臓部にまで刀が届いた。」

秋場「そんな・・・」

父「こんな思い・・・だれにもさせたくないなら、心を強くするんだ・・・・・・・・わかったな」

秋場「わかりました」

父「よかった・・・・・・・・・・・」





え!?




そんな



そんな!!





秋場「父上!!!!」

























先生「そうか。死んじゃったのか」

秋場「九馬先生。俺、俺どうしていいかわからないよ」

先生「先生な、君の父親から・・・手紙を預かってるんだ」

秋場「何で先生が?」

先生「君のお父さんがな、身内が全部火事で死んでしまったからこの手紙を渡して、

その年の担任に渡していってほしい、っていわれたんだ。」

秋場「そうだったんですか。」

先生「じゃ、はい。」




秋場は手紙を受け取った




先生「じゃあ先生帰るからな。ちゃんと飯くえよ」










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こんな手紙書くのもあれだが、こんな時代、いつ何があってもおかしくないから書いておく



たぶん、俺はお前に心が強くなれっていつかいうつもりだし、もう言ってるかもしれない。



そして、ここからは俺の経験談だ。




俺には仲間がいた。その仲間はおれとすごい仲がよかった。そして、二人で諸国を巡った




強くなりたかったからだ。





あるとき、その仲間が消えた。最初は何か買いにいったのかと思った。




すぐ戻ってくるかと思った。でもそいつはその夜俺を殺そうとした。





なぜか。俺の持っている刀に目がくらんだからだ。俺の刀は値が張ったらしい。





俺はその仲間を殺した。じゃないと殺されるからだ。そしてそいつはこういった。





すまなかった、と。





俺はその後、心に傷を負った。死んだあいつよりも深い傷を。





俺は悟った。お前にもわかるときがくるとは思うが。いっておく。




たとえ仲間に裏切られても、絶対、絶対仲間だったら助けろ。そして、そいつのこころの傷

を治してやれ、体に傷がついてもいい。殴ってもいいから・・・とにかくたすけろよ




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秋場「おれ、てめえに一生ついていってやる」

清野「なにいってるんだいきなり」

秋場「そして、お前を殴る!」

清野「はいはい」















 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    スパイラル
兔愛「急ぐぞ、すでに螺旋は動いた」

淡口「わかってるよ」

兔愛「軍勢はそろってるのか?」

淡口「もちろん」

兔愛「しかし・・・あの第二次関ヶ原でおったダメージを過界で解消することができるのか?

淡口「そう信じるしかないだろう。この政府を守るためにも」

兔愛「よし!いくぞ!!過界へ」

淡口「あぁ!」








 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無出意「政府はそろそろ動き出すころだな」

烏賊八「それがどうした?」

無出意「あいつは勘がいいからなぁ。もうすぐくるかな」

烏賊八「呉部のことか?」
                      ゴブリン
無出意「あぁ。あいつの餓鬼はつよいからな。といっても動きを止めるだけだが」
            アニーウェ
烏賊八「そのあとの毒獣がさらにすごいからな。」
             テスカトリポカ
無出意「あいつは俺の呪獣でもかなわないからなぁ」
           ケツァルコアトル
烏賊八「結局俺の鳥蛇との対決も引き分けに終わったな」

無出意「ま、それを今回の戦いにぶつければ・・・と、早速お出ましですか」

烏賊八「うわさをすれば影だな」






呉部「遅くなったな。政府も今ついたころだろう」

無出意「よう。兵は?」

烏賊八「敵はこの戦いにすべてかけてるからな。」

呉部「そう、だから一人残してのこり二千万兵すべてつれてきた。」

烏賊八「さすが、軍団隊長」

呉部「そんな子といってる暇ないぞ。敵は明日にでも攻めてくる。」

無出意「では、私は慶喜殿に拠点の整備を申し出る。長らく戦も満足にしていない

そうだからな」

呉部「じゃあ私は郡の配備について考える」




























役者はそろった。あとはその役者を動かすきっかけを起こすのみ。その引き金を引くのは

清野重貴。壮大なる舞台の幕があがるときはちかい。



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