いるかの部屋

卒業式当日。こういう日は、あっという間に時が過ぎてしまうもの。そんなのはもったいないのでしっかりと気持ちを落ち着けて、レイメイキングのプルメリアを取りに行く。

冬の乾燥したこの時期はプルメリアの花が少なく、レイ用の大量の花を確保するのは一苦労。でも以前から目をつけていたところには、沢山の花が咲いていました。ほっ。朝なので、犬を散歩させている人も多く、挨拶しながら歩く。学校のクリニックとフラで一緒になったことのある人に声を掛けられる。Big Islandだけど、ひょんなところで知り合いに会うことは多く、そんな意味ではSmall Island。だから顔は覚えてるんだけど、どこであったか分からないことがよくある。大量のプルメリアの花は、甘い香り。それだけで幸せな気分になれるひと時。

大量の荷物を抱えて、卒業式の会場へ到着。我校では卒業生が式の準備をする為、結構忙しい。式に使うレイやらハクやら、自分が言いだしっぺとなったフラパフォーマンスの衣装やら、忘れ物がないか冷や冷やだった。場所は、ケアホウのアウトリガーホテル。去年の１２月もここで卒業式を行った。その時私は新入生。感動的な式だったのを覚えている。いつか自分もあんな風に祝ってもらえる日が来るのだろうか。そんなことをぼんやりと考えていた。そして今日は自分が卒業していく。感慨深い。

やってきたゲストや学校のスタッフから次々とレイを頂く。あっという間に顔までレイに埋る。凄くうれしかった。同時に後でこれを全部とって、フラの衣装に着替えて、又着替えてレイを全部付けて、と考えるとちょっと冷や汗も。

顔まで埋ったレイの数々

つつがなく式は進行し卒業生の挨拶。人前で喋るのが人一倍苦手だった私。みんなの前でうまく喋れるか心配だった、それも英語で。自分の順番を待つ間、クラスメートと抱き合って泣いていた。色んな苦しみや喜びを分かち合った仲間。そして自分の番になり、自分が一番最初に苦労したエピソードを披露した。今だから笑って話せるけど、当時は悔し泣きに泣いたものだった。そして、お世話になった先生、クラスメート、大家さんへの感謝の言葉。もっと気の利いたことが言えれば良かったのだけれど、今の自分にはそれが精一杯。いつ練習したんだか、先生たちの解剖学的歌の披露。笑えました。そうして最後に、卒業生一人一人のエピソード紹介。校長のリンが私のことを話してくれた。最初頑なだった自分が色んな意味で解放されていった様子を、花にたとえて表現してくれた。そして、自分もその時々に気持ちがシンクロしていった。話を聞いている間に、学校生活の１５ヶ月を回想していた。感動的で不思議な体験。

そして、最後はフラのパフォーマンス。自分が踊りたいと言う気持ちでスタートしたプロジェクトだったけれど、みんなが協力してくれてほんとに素敵なものになった。忙しくて一緒に練習する時間はあまり取れなかったけれど、自分で言うのも何だけど素晴らしい出来だったと思う。素敵な仲間に感謝！！ゆっくりと楽しもうと思った卒業式だったけれど、予想通りあっという間に終了。心地よい疲労感と共に家路に着きました。