タイガース非公式サイト2代目

  課題は貧打だけではない！

 先週、土曜日の甲子園の中日戦に行ってきました。アニキのスタメンはなく０－２で完敗でした。日曜日に行けばよかったなと運の無さにがっかりしました。

  試合前に甲子園歴史館を見てきました。企画展としてタイガースの歴代リリーフエースが紹介されていて感慨深かったです。

 日本のプロ野球でセーブポイントが公式記録になったのは１９７４年とのこと。この年のセ・リーグ最優秀救援投手はリーグ優勝した中日の星野仙一でしたが僅か１０セーブ。阪神で一番セーブポイントが多かったのは江夏豊の８セーブ。まだエースが先発と抑えの両刀使いを強いられていた時代ですね。

  阪神において本当の意味でストッパーという存在が認識されたのは、１９７５年に就任した吉田義男監督が、酷使されていた江夏の負担を軽くするため、安仁屋宗八を抑えに固定したのが始まりでしょう。１９７８年以降は、監督交代も多く、山本和行、江本孟紀、池内豊、大町定夫など、編成の都合で毎年のようにストッパーが変わりました。

左から山本、安仁屋、池内

　１９８２年に山本和行が完全固定され、８２年と８４年にタイトルを取りました。これが本当のリリーフエースの誕生といえるかもしれません。優勝した１９８５年、前半は山本、後半は中西清起がつとめました。

山本とともにダブルストッパーと呼ばれた中西

  その後、山本が引退し、中西が先発併用に回ると、リリーフ陣は全くの手薄となったので、誰がストッパーということなく、つぎはぎの継投でしのぐ時代になり、住友一哉、久保康生、野田浩司、中田良弘などがリリーフで使われていました。

  田村勤が固定されたのが１９９２年のことですが、活躍は翌年まで。１９９４～９５年は古溝克之、１９９６年は郭李健夫、１９９７年は葛西稔、古溝、田村の日替わり、１９９８～９９年はベン・リベラがつとめました。この時代は村山実、中村勝広、吉田義男、野村克也と４代続いた監督が長期低迷していた暗黒時代です。

活躍は短いが抜群の切れ味で頼もしかった田村

  ２０００年のストッパーは葛西が復活、２００１年は成本年秀でしたが、この当時の野村監督は遠山奨志、伊藤敦則、弓長起浩、葛西などをセットアッパーとして臨機応変に使う工夫をしてファンを楽しませてくれましたね。

色々な使われ方に応えた葛西

  星野監督が就任した２００２年はマーク・バルデスがストッパーでした。翌２００３年、たっての希望でジェフ・ウィリアムスを獲得、ストッパーに抜擢し見事にリーグ優勝に結び付けました。ただし、久保田智之は先発要員、セットアッパーは金沢健人や吉野誠で、藤川球児はまだファームの選手に過ぎませんでした。

ここぞというときに三振が取れたウィリアムス

  ２００４年、岡田監督に代わると久保田をセットアッパーに抜擢して厚みのあるリリーフ陣の基礎を作り、翌２００５年には久保田をストッパーに据え、その前をウィリアムス、藤川球児で固めるＪＦＫに発展させてリーグ優勝を勝ち取りました。

出てきたら他球団があきらめたＪＦＫ

  ２００６年後半に藤川をストッパーに完全固定。真弓監督、和田監督にも引き継がれて、２０１２年のシーズンまで不動の存在としています。

  ２００８～０９年はウィリアムスに代わってスコット・アッチソンがセットアッパーをつとめ、安定した働きをしました。２０１０年は、久保田、渡辺亮、西村憲などがつなぎ、２０１１年から榎田大樹が担っています。

安定感抜群の２人　アッチソンと藤川

  というわけで歴史館ではタイガースのリリーフエース史を勉強できました。こうしてみると、藤川が約７年間ストッパーでいてくれたのは驚異的ですね。もう縦じまのユニフォーム姿が見られないと思うと残念です。来年は誰がつとめるのかな。また、その前を担うリリーフ陣やセットアッパーはどうするのか？榎田も手術するそうだし・・・課題山積ですな。