ドラフトの星のその後
近づくシーズンオフ ちょっと前に来季構想外となりそうな選手たちについて書きました。やや関連する話として、今日はドラフト1位選手の動向について見てみます。鳥谷選手が入団した2003年以降を振り返っていきます。 なお、年月日はドラフト会議が実施された日で、通算記録の数字は2015年までのものです。黒字はタイガースで現役、青地はトレード等で他球団で現役、赤字はNPBを去った選手です。 過去13年間ですが、1位ともなると、簡単にやめさせられないこともあって、現役でいる選手が多いです。それでも、すでに去った人、かなり厳しくなってる人もいます。 2003年11月19日 自由獲得枠があり2名まで逆指名出来た。大学生2名を選択。鳥谷 敬 早稲田大学 内野手1688試合6199打数1766安打719打点126本塁打 率.285 通算数字は別格。2016年も現役。1年目から100試合以上出場を継続。ベストナイン6回、ゴールデングラブ賞4回、最高出塁率など受賞多数。 2015年から5年契約。長くショートの不動のレギュラーを譲らなかったが、2016年は不振で連続フルイニング出場も途絶え、連続出場のみを継続しながらスタメン落ちやサード守備など屈辱的だが、まだまだやれる。筒井和也 愛知学院大学 投手220試合8勝6敗3セーブ29H 215奪三振 防3.85 2016年も現役、初勝利は2009年。中継ぎが主で、徐々に頭角を現し、2012年は58試合で18ホールドと主力に。その後は登板数が減り続け、2015年6試合で、今季は一軍での登板なし。戦力外濃厚か。 2004年11月17日 この年も自由獲得枠で社会人2名を選択。能見篤史 大阪ガス 投手264試合84勝70敗0セーブ12H 1143奪三振 防3.24 2016年も現役。1年目に4勝、2009年13勝で初の二けた勝利。三振の取れるサウスポーで10勝以上が5度ある。 2014年から負け数が勝ち数を上回り、信頼感が薄れてきている。2016年は9月9日現在で8勝10敗。投球術を磨けばまだやれる。岡崎太一 松下電器 捕手41試合29打数6安打1打点0本塁打 率.207 2009年に公式戦初出場。2016年はキャンプから評価されて開幕1軍、過去最高の38試合に出ているが、力不足を露呈し、原口の台頭でファームへ。戦力外の危機。 2005年10月3日(高)11月18日(大・社) この年から高校生と大学・社会人に分けて、2回の会議が行われた。鶴 直人 近畿大付属高 投手 高校115試合9勝8敗0セーブ6H 126三振 防3.75 少年野球時代、マエケンが憧れ目標にしたほどの選手。2008年に初登板。2010年には期待されて12試合に先発するも2勝。 以降中継ぎへ転向し2012年の43試合ピークに、その後は毎年登板数が減り、2016年はわずか2試合。戦力外の危機。岩田 稔 関西大学 投手 大・社156試合53勝67敗0セーブ0H 711奪三振 防3.08 2006年、ルーキーで一軍初登板。2008年に初勝利すると、一気に10勝を挙げるが、二けた勝利はこの1回のみ。 昨年まで156試合のうち154試合が先発で、毎年8勝程度が期待できたのに2016年はここまで5試合に投げて0勝3敗で防御率8.55。危機感漂う。 2006年9月25日(高)11月21日(大・社) 前年に続き、高校生と大学社会人に分けて実施。野原将志 長崎日大高校 内野手 高校15試合25打数3安打0打点0本塁打 率.120 堂上直倫(中日)の外れ1位。 2011年初出場。大型内野手としてファームで順調に育っていたが、一軍では結果が出ず、通算でもわずか3安打。 2013年オフに戦力外。2014年から社会人三菱重工長崎に所属。小嶋達也 大阪ガス 投手 大・社64試合4勝9敗0セーブ5H 117奪三振 防5.33 ルーキーイヤーの2007年に5試合に先発し2勝している。2011年には中継ぎに転向して36試合1勝2敗5Hと働いた。 その後の4年間は毎年一桁の登板に終わっている。2016年も現役だが、今のところ一軍登録なし。相当厳しい。 2007年10月3日(高)11月19日(大・社) 高校と大学・社会人に分かれて3年目。高濱卓也 横浜高校 内野手 高校 タイガースでは1軍公式戦出場無し。 2011年春のキャンプでブレイクしたところに目を付けられ、FAコバヒロの人的補償でロッテに移籍。2015年まで5年間で96試合。 2016年もロッテで現役。開幕スタメンなど、9月9日時点で53試合出場、ホームラン3本。徐々に出場が増えている。白仁田寛和 福岡大学 投手 大・社6試合1勝0敗0セーブ1H 4奪三振 防3.00 2011年初登板、2013年に初勝利するがタイガースではこの1勝のみ。 2014年オフ、桑原謙太朗とのトレードでオリックスへ移籍。2015年は中継ぎで43試合に投げ2勝2敗。2016年も現役ながら9月9日時点で7試合登板と激減。 2008年10月30日 高校と大学・社会人の区別なく一本化。希望枠無し、2巡目以降は完全ウェーバー、育成枠指名の新設など大きく変わった。蕭 一傑 奈良産業大学 投手2試合0勝1敗0セーブ0H 7奪三振 防2.14 台湾出身だが、留学して日南学園~奈良産大と在籍したので年数により日本人扱い。2009年、2010年は一軍に登録されたこともあったが、登板機会はなかった。 2011年、2試合に先発し0勝2敗と結果が残せず、2012年は登板がなくオフに戦力外。2013年はソフトバンクの育成選手となったが、一軍に上がることなくオフに自由契約。 2014年から台湾プロ野球へ。 2009年10月29日二神一人 法政大学 投手 27試合0勝3敗0セーブ0H 37奪三振 防5.31 高知高校から法政大に進み、6大学公式戦で9勝7敗。 2010年のオープン戦で怪我をしたことが祟って、2年間ファーム調整。2012年に一軍初登板を果たしたが4試合0勝1敗に終わる。2013年には上手投げからサイドハンド気味に変えることで1年を費やし、一軍には上がれなかった。 2014年は11試合、2015年も12試合、一軍で投げたが、未だプロ初勝利が記録できない。2016年も現役だが、今のところ一度も一軍に呼ばれていない。 入団時にはエースナンバー18をもらったが、2014年から66番になっており、厳しい状況だ。2010年10月28日榎田大樹 東京ガス 投手158試合12勝16敗3セーブ56H 236奪三振 防3.90 ルーキーイヤーの2011年、いきなりセットアッパーでブレイク。1年目は62試合3勝3敗1セーブ33ホールドと大活躍し、新人でオールスターにも選ばれた。 2012年のシーズン半ばにひじを痛め、オフに手術。2013年はチーム事情もあって先発に転向、16試合で4勝9敗。 手術以降、伸びのあるボールが投げられず、2014年の半ばに中継ぎに戻る。2015年はわずか8試合。2016年は復活し、ここまで35試合で1勝1敗3ホールドと頑張っている。 2011年10月27日伊藤隼太 慶應義塾大学 外野手167試合370打数86安打33打点6本塁打 率.232 慶大キャプテンというエリートを一本釣り。1年目の2012年は22試合に出場し、シーズン終盤に満塁ホームランで初打点も記録。しかし2013年は30試合と伸び悩む。 2014年は掛布DCの指導を受けて成長し、52試合、打率.294を記録。2015年には63試合と、徐々にレギュラーに近づいたかに見えた。 ところが2016年は女性スキャンダル報道、キャンプでの右肩の怪我などもあり、29試合にとどまっている。守備に難があり、エラーとして記録されないが致命的なミスが多く、レギュラーへの道を妨げている。来季が正念場か。 2012年10月25日藤浪晋太郎 大阪桐蔭高校 投手77試合35勝21敗0セーブ0H 519奪三振 防2.86 4球団競合のくじに勝っての獲得。 2013年、ルーキーで10勝。2014年11勝、2015年は14勝、221奪三振でタイトルも獲得する。 しかし、2015年はシーズン半ばから右肩痛に悩まされており、オフには投げ込み不足が懸念された。その影響もあってか2016年は壁に当たり、ここまで6勝11敗と大きく負け越している。来季は藤浪の復活がタイガースの上位浮上への鍵を握る。 2013年10月24日岩貞祐太 横浜商科大学 投手11試合2勝5敗0セーブ0H 32奪三振 防4.50 入団時は能見2世と期待されたが、ルーキーイヤーの2014年はキャンプで左肘痛を起こし、一軍デビューは8月。6試合で1勝4敗に終わる。2015年も伸び悩み5試合で1勝1敗。 ところが2016年、初登板した4月2日のDeNA戦で12奪三振、9日の広島戦でも12、16日の中日戦で10と3試合連続の二桁奪三振で突如ブレイク。5月27日の読売線初登板では1-0で完封して、左のエース格に。オールスターにも選出され、ここまで7勝9敗、136奪三振、防3.28の成績を残している。 2014年10月23日横山雄哉 新日鐵住金鹿島 投手4試合0勝2敗0セーブ0H 12奪三振 防6.75 1年目の2015年は、故障などもあって4試合にとどまった。秋季キャンプでは足指を骨折するなど不運も続いた。2016年5月4日の中日戦でプロ初勝利するが肩痛で抹消。その後復活し、現在まで3試合で2勝0敗、防2.93と来季を期待させる。 2015年10月22日高山 俊 明治大学 外野手 高橋純平に人気が集まる中、ヤクルトが単独と思われた高山を強行指名し、抽選の末獲得。 131安打で東京六大学の新記録を作った柔らかい打撃で、1年目からレギュラーをつかむ。ここまで123試合、125安打58打点5本塁打、率.278で、新人王の最有力候補になっている。チャンスでも気負わず冷静で、得点圏打率リーグトップという勝負強さは、今までのタイガースにいないタイプの選手。 全部で18人を紹介しましたが、すでに4名がタイガースにいません。残っている14選手の中でも、筒井、岡崎、鶴、小嶋、二神の5人はかなり危ないと思います。岩田、伊藤隼の2人も安穏とはいかないでしょうね。 ある程度面倒見てもらえる1位の選手ですらこれですから、2位以下の選手で近年、結果が出せていない選手はかなりの覚悟が必要でしょう。 にほんブログ村