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G再建伝説の道へ

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背番号「55」物語 

「55」 強打の系譜

 どこのチームでも主軸打者といえば一桁台の背番号が多く、これほど大きなものは珍しい。言わずと知れた、現ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜(1993~2002)だ。王の持つシーズン本塁打記録「55」に並ぶようにとつけられたこの背番号だが、いつのまにか「松井の背番号」として完全に定着してしまった。もっとも入団前の松井は、高校時代に背負っていて愛着のあった「5」を希望していたというが。
 甲子園で連発したホームラン、さらに5連続敬遠で一躍全国区の人気者になった松井は93年、ドラフト1位で入団。2年目からレギュラーに定着して20本塁打を放ち、早くも怪物の片鱗を見せつける。

 その後は日本を代表する長距離砲として順調に成長し、98、2000、2002年に本塁打、打点の二冠、2001年には首位打者を獲得。96、2000、2002年にはMVPにも輝いた。巨人10年で通算332本塁打、打率.304の成績を残し、2003年に大リーグ入り。巨人時代と同じ「55」をつけて、新人王候補に挙げられるほどの活躍を見せ、チームのワールドシリーズ進出に貢献した。ヤンキースタジアムでも、「55」のユニフォームやTシャツを着た観客の姿が目立つようになり、地元でもすっかり人気者である。

 松井以前には「コンコルド」の異名を取った淡口憲治、吉村禎章らも「55」を背負っていたから、強打者「候補」の背番号だったのは間違いないが、最後までこの大きな数字にこだわり続けたところに松井ならではの味がある。背番号に育てられる選手もいるが、選手が背番号のイメージを作ることもあるわけだ。


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