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シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

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2007年01月29日
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カテゴリ:神秘体験空間
 人間の様々の意識レベルに関係する限りにおいての、鉱物界の形態、実質、金属性についてまとめてきたが、ある種の金属実質にまで観察を広げる前に、立場を完全に明確なものにする必要があるという。

 これまでまとめてきたことから容易に想像されるのは、通常とは異なる意識状態を引き起こす方法として、これらの金属等の物質を、いわば栄養として摂取することを推奨しているものと勘違いすることである。内的な精神的訓練と規律によって精神的な洞察を達成する方法について議論するとき、よく耳にするのは次のような言葉だという。別の世界の事物や他の意識状態について知るのは大変結構なことだが、推奨されているような訓練を実行するのはあまりに困難で、時間がかかりすぎるのではないかという類のものであるという。

 恐らく、このように発言する人々は、そのうち、訓練を始め、しばらくすると、生活上の直接的な要求が介入してきて、自分に染み込んだ習慣を犠牲にしてまで、このような方法を実践したくはなく、次第に情熱を失い、訓練を、いつの間にか止めてしまう。このような人々が何も達成できないのは驚くにあたらず、彼らは、精神的な訓練を要するというのは、あまりにも退屈な事柄と考える傾向にあるといえるという。

 このような人たちは、例えば、ある種の金属の性質、ある意識レベルに関係している、というようなことを聞くと安心し、死者との精神的な絆を保つためには、若干の銅を摂取するだけでよいならば、そうしない手はない、微量の銅で、より高いレベルの意識を発達させることができるならば、と安易に考える傾向にあるという。

 古代の当時は、当然のことながら、秘儀参入者付き添いの指導の下に行われた、という違いがあったにせよ、古代の秘儀においても採用されていた訓練も、上記のように大体同じようなものだったと聞くと、余計に、上記の安易な考えが魅力的なものになる。

 そして、このような人たちは、上記のようなことを聞くと、どうして、この古い訓練を復活させないのかと不思議がるが、このような人たちは、人間の肉体的な組織全体が、古代の当時と、今では、異なって構成されていたという事実を見落としているという。

 その当時、そして、古代カルディア時代に至るまでの人々には、現代人のような知性を欠いていたという。人々の考えは、今日のように自分のなかに自ずと浮かんできたのではなく、霊視力を通して、古代人のところにやってきたという。

 それは丁度、今日の我々が、自分で薔薇の赤色を創造したのではなく、薔薇の印象を、外界から受け取っているということに気づいているように、古代の人々は、思考が外的な対象物を通して伝達されているということ、つまり、思考が、彼らに吹き込まれ(イン-スパイアされ)ているということに気づいていたという。

 このことについては、古代人の肉体組織、いわゆる血液の組成さえもが、異なって構成されていた、というなかにも、その根拠を見いだすことができるという。そのため、人々が精神的な訓練を遂行するのを助けるために、金属を高度に効能化(ポテンシャライズ)した形で、つまり、今日、神秘学者がホメオパシーと呼ぶ処方に従って服用することが可能だったという。

 古代カルディア時代の人間が高度に効能化された銅を処方されたと想像してみる。彼は銅を服用する前に(当時、よくやられたことで)ある特別な精神的訓練を遂行するように指導されたという。そのような場合には、高度に効能化された銅を摂取する前、何日間というより、何年にもわたるトレーニングが要求されたという。

 そして、彼は、その肉体的な構成が、現代人とは異なっていたために、その訓練を通して、彼の血流に乗って循環する、細かく分散し、高度に効能化された銅が、彼の上半身に及ぼす働きを辿ることを学んだという。この注意深い訓練の後、銅が処方されたとき、彼の言葉に温かさが付け加えられた、という内的な感情を持ったというが、その理由は、彼自身により、彼の喉頭と喉頭から脳に導く神経の中に温かさを生じさせていたからだという。

 さて、古代人の彼は、肉体的な成立が、現代人とは異なっていたために、彼の中で起こっていることに対して、非常な感受性を持って反応することができたという。もし、今日、誰かが高度に効能化された銅を同じような条件下で服用したとしても、勿論、効果があるでしょうが、ここでいう喉頭への作用以上のものは生じないという。

 このように、当時の人間の肉体的な成り立ちは今日の人間のとは異なっていた、ということを理解することが重要であるという。そうすれば、古代においては普通に行われ、中世においてもなお、よく行われた処方であったとしても、薬剤を服用することによって別の意識状態を生じさせようなどとは、誰も思わなくなるからであるという。

 現時点において唯一の有効な方法は、前回示した銅の本性、その本質的な存在を内的に感じ取り、それによって、磨かれた銅の色や硫酸銅溶液中の銅の振る舞いに対する敏感な反応を発達させることであるという。この反応に集中し、瞑想することによって、銅の反応が正しく行われていることを確認することができるという。





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Last updated  2007年01月29日 19時02分42秒
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