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シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

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2008年03月24日
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カテゴリ:よもや話
 ■経済のこと

 質問;「先生が、自ら認められている事はなんですか?」

 海舟先生曰く;「まず、経済です。徳川の経済は、このようにしました。随分と骨を折ったよ。

 天下の富をもってして、天下の経済に困るということはないというのが、私の信じる処です。

 昔の人も皆、経済には苦労しました。信長は経済の着眼が善かったので、あれだけになった。信玄でも、甲州の砂金をそっと掘り出したり、色々な法を立てた。南朝でさえ、北朝に細川頼之という経済家があって敗られた。芭蕉なども、なかなかの経済家で、近江の商人は、皆、芭蕉の遺法に従っている。

 感心なのが、北条氏だ。元寇が3年続いても、軍事公債は募らなかったよ。総理が自分で走り廻りはしなかったよ。九州の探題に防がせて、綽綽として余裕があったよ。

 (北条)泰時でも、単騎でかけてゆくと、三日にして十万騎になったというじゃないか(承久の変のとき)。その頃の兵站は、羨ましいほどに調っていたようだ。(元は)陪臣(源氏の家臣)でも、政を執りながら、九代の治をして、民も富み、武臣人民悉く服したじゃないか。それで、自分は僅かの旧北条領に甘んじ、位は五位の下だろう。

 (北条氏は)倹約で盛んになって、奢りでつぶれたのだよ。

 北条氏が、仏法に帰依したといっても、ただ禅に凝ったのではないよ。やはり経済の為だよ。宋が亡びて、元の起こる時だから、宋の名僧を呼んで、五山を開いたよ。それで、『電光影裏に春風を斬る』の無学まで、渡ってきたよ。

 そこで、宋の名僧が、続々渡ってくる、参詣人も絶えない、信仰にことよせてくる者もある。銭は大層渡ってきたよ。何処を掘っても、宋元通宝の沢山出るのをみなよ。信仰といっても経済の為だよ。」

 質問;「真の信仰が篤くて、それが事業に現れたというものではないでしょうか?」

 海舟先生曰く;「それが利用というものだよ。だから、北条氏は、天下の子民ということが一番で、民の非常に親身になったようだ。

 栂尾の明慧が、あるとき、(北条)泰時に帝室(天皇)のことについて、忠告すると、泰時が言うには、『まことに恐れ多いことではありますが、先父もしばしばおっしゃっていました。民百姓のことを思えば、やむを得ず、(天皇には気の毒な)かのようなこともせねばなりません。致し方ないとおっしゃっていた』と言ったという。

 私も、幕府の末に、果たして、この北条氏だけの決心があるかと自分に問うてみたが、とても出来なかった。驚くべき決心じゃないか。(北条泰時は)それに無学文盲で、勅文すら読むことができなかったというじゃないか。

 それで、学者というものが、役に立たないことを、維新前から、よくよく試してみたよ。あんな学問は、造作もないことで、至って容易だよ。」

 





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Last updated  2008年03月25日 00時06分51秒
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