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カテゴリ:よもや話
海舟は、平和主義者で、戦争が何より嫌いだった。海舟はあのような時代でも、人を殺すのが大嫌いで、そのために、西洋人に神様の御加護があったといわれたという。海舟自身もなかば、自覚しており、自分の家系が、物部氏の末裔だと感じており、ミカエルの像を隠し持っていたという噂もある。とにかく戦争が大嫌いであるようだ。
今回は、そのような日清戦争に批判的な語録を書く。 ■日清戦争 海舟先生曰く;「日清戦争の、勅文が出た頃は、丁度、日光参りをしていた。途中で聞いて、ビックリした。宮内省で、伊藤(博文)にも言った。そのときつくった詩がこれである。 隣国交兵日(りんごくへいをまじうるのひ) 其軍更名無(そのいくささらにななし) 可憐鶏林肉(あわれむべしけいりんのにく) 割以与魯英(さきもつてろえいにあとう) 半紙に書いて、中島雄に見せたら、(中島が)『中国の方では、この詩のようでなく、大層恐れているようです』と言うから、(海舟は)『恐れていても、この詩の通りだ』と言ったら、(中島は)『この詩の通りになったら、これを宝物にします』と言ってもっていったよ。 最初は、決死の徒が六人来て、仲間は六十人いると言い、もし、戦わなければ、大臣を刺殺すると迫ったようである。オレに任せろと言って、色々と、仲裁したが、とても止められなかった。 あいつらは、陛下に、博多まで出てもらうという計画だったようである。オレは、山県(有朋)が出るときに、次のように言ってやった。 『快く一戦して、いい加減にして、引き上げて来なさい。決して長く戦ってはいけません』と。 あの六十人の連中は、今もちょこちょこ来るが、今では大変手に負えなくて困っているよ。そうさ、伍長位の下の連中さ。それが段々と上の者を強迫したのさ。 軍人が暇乞いに来て、『また、お目にかかることはないかもしれません。生きて還らないつもりです』というから、 (海舟は)『馬鹿め、死んでどうする。戦というものは、ほどほどにして、早く逃げるものだ』と言ってやったが、そいつが還って来て、褒美がどうとか、こうとかと言って不平を言うのさ。 オレが、李鴻章だったとしても、なに馬鹿な、日本などと、本気で戦うものか、さっさと逃げるよ。土地が広いから、逃げまわって2、3年もかかるさ。大いに都合が善いよ。 『それではどうだ』と言ってやったら、『(実は)そればかりを心配していました』と言ったっけ。」 (軍国主義者が馬鹿なのは、戦には多大な戦費が掛かる事を忘れていることである。逃げ回るのを追いかけるだけでも、兵を動かすのだから、多大な戦費を費やすのである。湾岸戦争でも、日本の金がなければ、成功は無かっただろう。 日本の経済力を過小評価した米軍は、戦争を殺し合い、血を血で洗うものと捉え、日本から金を巻き上げることに苦心し、自国民を戦場に送る為に、イラク戦争を起こした。その結果、ベトナムと同じような多大な戦費と、命を費やす暴挙になり、一気に双子の赤字に埋没したのである。いまもイラクは収拾がつかず、多大な戦費や命を費やし、日本は思いやり予算を計上してやっているのだから、愚の骨頂である。 軍事的に制圧しても、その後、経済的に立ちゆかなくなれば、意味がない。結果的に、ブッシュは、ビンラディンに大敗北を喫したといえるだろう。アフガンと、イラクで、米国経済は、もはや風前の灯火になってしまった。サブプラなどは表面的な出来事にすぎない。 戦争というのは、引き際が肝心なのである。その国の経済力に見合った仲裁、調停段階を探らなければならない。このことは、人生の引退にもいえ、一歩間違えると、晩節を汚すことになる。 海舟は、戊辰戦争のときに、幕府軍が、官軍を軍事的に制圧できたことを認めている。しかし、それをやると、官軍が、大坂、京都市中に逃げ隠れすることになり、幕府軍を動かすのに、多大な戦費を要し、外債などを募ることになり、わざわざ断念したと述べているのである。 また、この意味で、海舟は、秀吉を日本一の経済家と評している。なぜなら、太閤は、一方で、あんなに戦をしながら、景気のよいことをどんどん行ったからである。この事から、三成や吉継たち経済官僚の優秀性が伺えるともいえる。 このような戦費の計算ができない軍事的指導者は、単なる命知らずの無謀者で、無能といえるだろう。小泉改革の張本人は、このような無謀な無能者によく似ている。戦争に勝っても、経済に負けては、生活し、生きていけないからである。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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