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シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

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2025年04月10日
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カテゴリ:神秘体験空間
前回は、『にけつッ!!』のケンコバ氏の、「なんでも花粉症にするな」という批判から、現代人の独善的な価値観の押し付けやルッキズムが、日常生活のストレスを高め、単なる思い込みから、自己暗示的な病気に罹るのを増加させているのを紹介したが、神智学は、花粉症の病因をすでに解き明かしている。

花粉症などの、免疫の不均衡な生体防御反応を呈する、自己免疫疾患を、現代医学では、唯物的に、免疫抗体反応の分類から、抗原を特定し、アレルギー疾患に分類しているが、それらは結果論としてアレルギー症状を呈しているだけで、神智学では、すでに数百年も前から、アレルギー疾患などは、内分泌の不足で、花粉症は、特に副腎によるアドレナリンの血中への分泌不足と解き明かしている。

だからステロイドなどの副腎皮質ホルモンを投与すれば、症状は改善するが、それは肉体上の症状をいわば隠し、誤魔化している対処療法にすぎないので、副腎の分泌不足そのものを改善したわけではなく、更には副腎に分泌命令を出している脳下垂体の伝達不足でもあり、更にそれらをバランスよく統御している、心のバランスの問題で、結局は、クスリなどに頼らずに、心のバランスを回復させなければ、また第二、第三の花粉症に似たアレルギーの症状を併発するだけなのである。

ストレスと自律神経、副腎ホルモンの関係について!(その2) | ミチワクリニック|東京都 中央区八丁堀から徒歩3分の心療内科


それに矢鱈とステロイドなどを投与すれば、その副作用のほうが顕著になり、今度は薬剤依存症、もしくは薬剤耐性菌などを体内に生み出してしまい、免疫が防御不足がちになり、免疫防御が不均衡のままに、花粉症から感染症に移行してしまい、更に悪化すると、癌に罹りやすくなってしまう。だから、肉体上の症状を取り除いただけでは、病気を治すどころか、かえって悪化させるだけなのである。だから、心から改善しなければ、かえって肉体を弱めて悪化させるだけなのである。

だから、アレルギー症状の奥に隠れた、人体の内分泌不足、もしくは過剰から、心のバランス欠如を見究め、心のバランスを保つ、健康のイメージを、当人に自覚させ、逆に、神経系を緊張させる、ストレスなどの病因を、日常の生活から、自分で取り除き、改善するために、日々のリラックスの重要性を説く必要があるわけなんである。

結局は、このことからも、お釈迦さんの説いた悪因悪果、善因善果が正しいのがわかるわけで、日常の生活から、老苦の要因となる執着や不安や恐怖などのネガティブな心や意識を取り去り、ストレスをためない、善行を志すのが良いわけなんである。

現代医学での外的治療だけでは、対処療法にすぎなく、心のバランスを回復できなければ、また似たような病気に罹るのは、時間の問題で、人の法は破れるが、神の法を破れば、健康を失い、いずれまた病気になる。対処療法は、付け焼刃でしかない。

さて、巷の政治家や政治問題、権力者や独裁者を見ていると、心が荒んでくるのが、日々感じられる。相手への迷惑を考えない、モラルのない情報発信など、政治の低レベル化だけでなく、毎日届く迷惑な詐欺メールのドメインは、中国のcnやロシアのru、イギリス領インド洋地域のioなどもあり、日本のjpやcomは勿論のこと、その国のモラルが疑われてくる。

自分がされて嫌なことは他人にしない、というモラルの原則を守り、行動を改めないと、自分のなかに闇が膨らみ、そのうち病気になり、肉体を失うと、心の闇から、そのまま地獄に堕ちるだけである。他人に嫌なことをしている自覚がないと、闇が膨らむばかりである。

人がつくる法は破れるが、神のつくる法を破ると、自分が破れて、地獄に堕ちる。人に嫌なことをすれば、4次元の鏡の心の法則から、自分に返ってくる。3次元の物質界での内の自分の世界は、4次元の心の世界では鏡になって、外の他人の世界に成り代わるからである。だから、自他のバランスが大切で、他者に嫌なことをすれば、自分のバランスも崩れてくる。4次元世界では、3次元世界で、自分が他人にした行為が、自分をつくり、自分の世界となるからである。他人に嫌なことをすれば、自分が嫌なことをされ、ブーメランとなって返ってくる。

令和では、自分にされて嫌なことを、ハラスメントやマウントなどで表現しているが、昭和では、一般的に「差別」と呼んでいたように思われる。昭和のドラマなどをみると、令和のいまではハラスメントやマウントと呼ばれる、みえにくい差別が横行していたのがわかる。とにかく、差別を我慢するのが当たり前の日常になっていたのがよくわかる。

少しずつでも、見えない差別を指摘する世の中になってきたのは良いことなのだが、代わりにネット社会では、昭和どころか、江戸か、安土桃山かのような身分差別が横行し、戦国時代に回帰したかのような様相を呈している。迷惑詐欺メールなどはそれら氷山の一角といえるだろう。

現代社会では、2人に1人が癌に罹って、この世での人生を終えるが、言い換えれば、それだけストレスをためこんで、抑圧された感情を解放できずに、心のバランスを崩し、肉体の弱い部分に転化し、腫瘍から癌を発生させているといえるだろう。

天国に行くも、地獄に堕ちるのも、この世での生き方次第で、いかに心にストレスをためずに、ネガティヴなイメージを取り去るかにかかっている。日々、心を洗い、清めるのが、この世の人間のいわば仕事といえるかもしれない。この世の出来事から何を選択し、何を好み、何を実行するかは、個人の努力の賜物といえるだろう。

現代社会では、至る所にストレスになる罠が張り巡らせてあり、それらのトラップにハマらずに、ストレスをためずに、いかに解消するかで、前世に貯め込んだ自らの罪を解消していくか、つまり、地獄から、自らで天国をつくりだすか、が問われる。それは地獄の海から辿り着く海岸の砂浜のなかから、天国へと着飾る美しい貝殻を見つけ出す作業といえるかもしれない。

だから、病気にならないためには、ストレスをためないことで、なによりストレスがよくないのは、神経系に緊張をもたらすからで、緊張をほぐし、リラックスのために、適度な運動と笑いが必要なのはいうまでもない。だから、私の健康法は、お笑いトークのバラエティ番組をみることである。

毎度となく紹介している、『にけつッ!!』はいつも面白い話術を展開してくれる。『マツコ&有吉 かりそめ天国』は、『マツコ&有吉の怒り新党』から二人の絶妙な面白トークで、楽しませていただいている。最近目覚ましいのは、『永野&くるまのひっかかりニーチェ』で、くるま氏が離脱してから、個人的には更に面白くなったように感じる。『太田上田』も面白いのだが、地上波で定期でみれないので、録画して、日常生活のなかでのように環境映像として、視聴できないのが難点である。高齢者にはユーチューブはまだ敷居がやや高い。

にけつッ!! - Wikipedia

マツコ&有吉 かりそめ天国 - Wikipedia

永野&くるまのひっかかりニーチェ - Wikipedia

太田上田 - Wikipedia

特に昭和世代の井戸端会議というか、日常生活のドタバタ感が面白いのは、『ザワつく!金曜日』で、同世代の視聴者には、日常生活での共感から一服の清涼剤というか、日々のストレスからの解放感が得られ、心のクスリというか、良い意味で、ハマりやすいように思えてくる。鬼嫁を演じる代表の高島ちさ子氏や、馬鹿息子から馬鹿亭主を演じる代表の長嶋一茂氏、そして気象予報士から、世相予報士を演じる御意見番の石原良純氏の三者三様の日常生活のドタバタ感トークが三重奏のように面白い。

ザワつく!金曜日 - Wikipedia

出川一茂ホランフシギの会 - Wikipedia


昭和世代の一歩間違えれば老害といえる人達が、令和の時代の波の流れに必死に乗ろうとする波乗り陸サーファーのドタバタ感が、面白い。そのオフ会版というか、二番煎じの、『出川一茂ホラン☆フシギの会』も面白いが、日常生活から離れた非日常の、微妙なオカルト路線を模索しているようなのだが、まだまだコンテンツに乏しい感が否めない。非日常的なオカルト路線を展開するのなら、バカリズム氏のようなタイムリープ感を加えるか、『THE 世代感』のような世代間ギャップを絡めるほうがいいようにみえる。

THE 世代感 - Wikipedia


このような、いわば面白トークバラエティ番組は、物質界での日常生活から生じるストレスの回避法を、面白可笑しく自らの体験として語ってくれる健康医療番組なのである。お笑いトークの毒舌などは、いわゆる毒は毒をもって制すの、自分の代わりにお笑い芸人が毒を吐いてくれるストレス解消法なのである。

パラケルススは、「すべてのものは毒であり、毒でないものはない。用量だけが毒でないことを決める。」と、錬金術の秘密を語っているが、人体にとって、つまり肉体にとって、毒となるか、薬となるかは、肉体を操作する心の運用の、バランスの問題なのである。

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古代人は、火を使って、太陽のエネルギーを、物質界に再現してきたが、近代人は、それを熱とし、電気の使用にまで拡げた。そして、現代人は、原子核の壊変から、原子力の使用にまで拡げているが、この運用法、つまり用量を間違えると、人類滅亡への毒となってしまうのを、肝に銘じるべきである。

原子力の錬金術を確立するのは、その操作法の問題で、心の問題なのである。毒を薬にするのは、錬金術の用量の問題である。どんなものでも摂りすぎると毒になり、逆に不足しても、病気になる。要するに、バランスの問題で、偏り、不均衡をなくすのが、錬金術の要諦なのである。神秘学から、心は、神の太陽光からつくられるのがわかっている。だから、心には七色の波長の違いがあり、それらは、十二の神経系を形作る。だから、人間は12種類に偏って、この世に生まれてくる。そして、その偏りをなくすために、この世で多様な経験を積む。だから、人間の性格を大別すると、12にわけられる。

それは12にわけられる前の完全な性格のキリストと、12にわかれたその弟子たちで表現できる。現代でも、ググれば、次のような12分類を用いた性格診断が出てくる。古くは十二支などもその類である。これらは一般的に個性心理学と呼ばれているらしいが、利益追求や占いなどに使うのは利己主義的な運用で、毒になり、偶像崇拝なので、おススメできない。

使徒 - Wikipedia

個性學(個性学)の12分類とは?全種類の特徴一覧

個性心理學研究所 | 個性心理學とは



現代では、このような性格などの12分類を、コンピューターを使えば、統計的に容易に分類できるわけだが、上の最後の晩餐のように、12を一つにまとめている、バランス感覚を養うのが重要なのはいうまでもないだろう。つまりは、最後の晩餐の集いのように、12人の弟子が、師匠を囲んで平等に、各個性を対等に発揮して、各自が共に助け合うような、天国をつくることが重要なんである。このキリストの最後の晩餐の集いを理想の教育としたのが、前回紹介した吉田松陰の松下村塾といえるかもしれない。

神秘学では、この最後の晩餐は、人間の松果体を中心とした12に分類できる、脳内の神経組織を表わすものと伝承されている。以前、脳内の脳室の構造が、鳩の昇天に似ているのを紹介した。


さて、いまから約85年前に、オンとオフの、0と1の2進法の言語からなるデジタルの電気信号によるコンピュータが、この世に現れたが、コンピュータのソフトとハードは、人間の心と肉体の関係を、目に見えるようにした、ともいえるかもしれない。更に、その譬えを地球と人間にまで進めて考えると、コンピュータのハードの変遷が、地球の物質界の変化で、ソフトの変遷が、地球に転生する人間の霊魂の変化といえるかもしれない。

誕生と発展の歴史-コンピュータ博物館

コンピュータの発展<ハードウェアとソフトウェア<Web教材<木暮


シリコンの半導体上の電子信号に、どのように言語体系を乗せて、命令を実行するかで、コンピュータはまるで知的生命体かのように動作するが、メインフレームと呼ばれた大型計算機から、パソコンと呼ばれる個人の小型計算機への変遷の歴史をみれば、メインフレームの端末が、個人的な自由度をもち、パソコンとなって、多目的な命令や、特定の中央演算処理装置に制限されずに、多様なネットワークを介して、他のパソコンとのつながりを形成してきたのが、人間の知的水準の変化として、おおまかにわかる。

つまり、このコンピュータの歴史を通じて、人類の進化が漠然とみえてくる。人智学の説く、集団自我から、個人的自我への変遷である。だから、人間以外の、動物を、コンピュータで喩えるなら、いまだメインフレームで、植物は、電子回路が印刷され、わずかに半導体となったシリコンで、鉱物は、シリコンそのものといえる。

では、0から1までのあらゆる確率的状態を網羅するといわれている量子コンピュータができるとどうなるかといえば、以前、このブログで、「量子もつれ」を紹介したように、この「量子もつれ」をいかにアルゴリズムとして言語体系化できるかにかかってくる。これは以下のサイトなどが参考になるかもしれない。

量子もつれを破壊しないで特性評価できるアルゴリズム... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-


量子コンピュータを、先の例えの、人間と地球の関係でいうなら、地球の転生を抜け出して、知的水準作業に見合う地球以外の様々な天体に転生することになるかもしれない。地球よりも進化した天体もあれば、地球よりも劣った天体もあり、命題や命令に応じて、その転生を選ぶ形となるだろう。だから、量子コンピュータの形は、地球というハード的に画一されたものではなく、個人の命題や命令、つまり知的水準に応じて、フレキシブルに改変される、多様なアルゴリズムが整備される必要がある。つまり、答えは一つではなく、状況に応じて移り変わる。だから、言語体系はダブルスタンダードにならざるを得ないだろう。

つまり、試行錯誤して、できるだけ命題や命令に近い状態を選んでくる、人工知能AIのようなもので、その選出過程が問題となるだろう。AIは、正解ではなく、正解に近いものを選んでいるにすぎないからである。だから、予め、ネットワーク上に、正解に近い情報がないと無意味なのである。AIが出力する解答のようなものは、人間の知性をソフトランディングさせる目安でしかなく、正解ではなく、あくまで近似法なので、人類の知的水準を示す指数でしかない。それはただ地球人の現在の進化形態を示すものでしかない。

例えば、いま現代人は、光を、粒子と波の、いわゆるダブルスタンダードで捉えているが、それは地球上の物質界での観測経験から演繹した知識である。物質界での光の反射や屈折、そのエネルギーを見積もり、数式化した言語体系上の認識で、それは地球上で得られる、光についての断片的な知識でしかない。

光が物質にエネルギーとして作用すれば、アインシュタインが光電効果で発見した光量子となるが、時空間に伝わる波動の波として回折などの現象で観測すれば、不可視の振動として捉えられる。それらの中間状態を確率的に数式化したのがシュレディンガーの波動関数で、時空間をトポロジーのように群論で数式化したのがハイゼンベルグの行列力学である。いずれにしても、物質界での観測を基にした、光の性質を記述したもので、超対称性まで発展させないと、物質を操作する錬金術の、心の世界はみえてこない。

神秘学では、心がカラダを司っているのだから、心のバランスをとるために、心を宇宙全体にまで拡げるために、宇宙の仕組みを知る知性が必要で、それらを体系的にまとめたのがモラルで、道徳なのを明らかにしている。一言でいうなら、健康の秘訣が、モラルで道徳なのである。

道徳やモラルが、黄金の法則で、錬金術とは、心を、この黄金の法則にいかに近づけるかの方法である。だから、健康になるには、天国のイメージが重要で、キリストは、地上に天国を残した。キリストの説いた天国とは、人体の神経系を緊張から解放する、リラックス法で、いわば笑いのようなものである。シュタイナーは、このキリストが残した、天国のような笑いを、ツァラトゥストラの微笑みと呼んでいる。

笑いは、自我に光をもたらし、アストラル体、つまり心を膨らませて、物質界から、自我を解放する。シュタイナーが、労働者のために病気について講義した話を要約して、ついでに紹介する。

             ☆       ☆       ☆

1922年12月27日にドルナッハ
ルドルフ・シュタイナー

 ゲーテアヌムの労働者への講義
「私たちはなぜ病気になるのか――インフルエンザ、花粉症、精神障害」

 肉体の上に、外的に現れる症状とは、心の、内的な、つまり精神的苦痛の最終的な結果にすぎない。たとえ、病気が、肉体上の一つの臓器、器官しか侵さなくても、人智学的な治療は、心を含む人体全体から、病因を探して、根本から治療する。

 喉が渇いたり、空腹を感じるとき、肉体上では、それは多少病んでいること、つまり不足を意味し、飲んだり、食べたりして、実際、治療している、のである。だから、飲食一つ一つの行為は、実は、(心のバランスをとるための)治療行為なのである。

 運動などの後で、空腹としては意識しない、人体のなかの、不断の活動も考慮しなければならない。たとえ体内に何も入れなくても、例えば5時間、何も飲食しなくても、そのような精神的な、不断の活動は止まない。人智学では、人体内の、このような精神的な活動を、アストラル体と呼んでいる。

 アストラル体は決して活動を休止しない。食物を破壊し、溶解し、活動を維持できるなら、内的な快適さに満たされる。この内的な快適さで満たされるとき、アストラル体は、内的な幸福感を持つ。しかし、食物を摂取しなければ、アストラル体は満足せずに、この不満は、空腹感として表出される。空腹感は不安定さを誘発し、不断の活動となり、静寂を知らない、荒々しい霊魂の活動となる。

 この内的な活動は食物といわば恋愛関係となる。だから、この内的な活動が、食物に受け止められないなら、アストラル体は、捨てられた恋人のように、満たされぬ思いがする。この不満が空腹感である。だから、アストラル体の活動は、食物を分解することで成り立つ。人体の、役に立つものは血管に運ばれ、残りは糞尿を通して排泄される。

 例えば、次のように想像してみる。生まれつき、座りがちな性格を持つ、運動不足の人がいるとする。そのような人は、長い時間、運動せずに、怠けて座り込んでいると、その人の、間抜けな頭だけでなく、間抜けな自我を喜ばせる。

 さて、そのような座ってばかりの、運動不足の人の、動き回るアストラル体も、怠けがちになり、怠惰になる。すると、そのような人の、アストラル体は、もはや食物を適切に仕分けし、適切な臓器や器官に、必要なものを、運搬しなくなる。(神智学でいう、内分泌不足となる。)

 肉体に栄養物は必要なので、糞尿などで体外に排泄されない。となると、本来、必要のない臓器や器官に栄養物が運ばれて、そこに溜まる。例えば、喉頭に向かうべき栄養物が、別の臓器や器官に蓄積される場合を考える。アストラル体が正常に働かないので、『喉頭の栄養物』は、間違った臓器、器官に分泌される。

 すると、喉頭に栄養が届かずに、不足して弱くなる。喉頭に十分な栄養物が届かないため、弱くなり、苦しむ。その反面、喉頭に行くべき栄養物が、他の臓器、器官に間違って届き、不要物が、体内じゅうに広がっていく。人体の90パーセントは、水分の液体なので、喉頭に行くべき栄養物は、この液体のなかに溶ける。

 人体が必要としている純粋で活力ある栄養分が、この液体を汚染させる。このような体液の汚染は、非常によく起こる。ある特定の臓器、器官に必要な栄養物が、体液に溶け、不要物として、全体を汚染させる、のである。喉頭の栄養物が、体液中に溶け、例えば、それが胃と何らかの関わりを持ったとする。その栄養物が、胃を破壊する事はない。というのも、胃には必要な栄養物が与えられ、不足していないからである。

 しかし体液は、人体じゅうを流れ、喉頭にも浸透してくる。喉頭は、既に弱ったままで、この体液を汚染させた液体を受け取る。喉頭には、必要な栄養物が一部薄まって、別な形で溶けている。この汚染した液体を、喉頭は受け取るが、弱まっているために、刺激となって、喉頭は病気になる。喉頭に必要な栄養物は他の臓器、器官には影響を及ぼさないが、弱った喉頭を、病気にしてしまう。

 誰かの話し声を聞くとき、人間は、ただ聞いているだけではない。微量な形で、喉頭は、その話の声を模倣、再創造している、のである。だから、インフルエンザに罹った人に会って、その人の話し声を聞けば、たとえ、心の底から、同情していなくても、喉頭が、その人の話し声を模倣し、肉体上の感覚で、お気の毒などと感じているので、その人への感受性が高まる。

 人体に、インフルエンザなどの廃物(汚物)があれば、玉ねぎやニンニクを生産するために、土壌に添加する肥料と同じ物質、つまり[硫黄とリン]が、体液に溶けている。そして、やがて、その人は、玉ねぎやニンニクに似たような臭いを、体液を通じて放ち始める。

 インフルエンザに罹った人から出る臭いを通じて、頭が鈍くなる。なぜなら、頭部の「感覚器」が必要とする物質が、適切に供給されないからである。人体中に、インフルエンザの廃物が入った結果として、頭部が適切な供給を受けなくなる。この臭いは、玉ねぎやニンニクに似ていて、繊細な鼻の持主には探知できる。

 金切り声やかすれ声に、調子を合わせ、模倣するように、病人が出す声などの調子に合わせた結果、自身のアストラル体や活動が乱れる。このアストラル体の混乱が、化学的基盤を引き起こし、インフルエンザに罹患させる。玉ねぎとニンニクに相応しい土壌を作るようなものである。だから、病気のはじめは、細菌とは無関係で、人と人との交流などの関係にある。

 では、なぜ病気になるのか、という問いへの、答えは次のようなものである。

 人体が侵される場合、精神病と呼ばれる病気でさえも、何かに侵される。例えば、本来の目的でない、汚染された体液には、本来の臓器、器官で使われるべき物質が、不必要に溶けこんでいる。この汚染液が、人体を侵す。

 インフルエンザから花粉症に目を転じると、花粉症の発生は、空気中に漂う花粉というよりも、季節に原因がある。花粉症に罹り易くなる最大の原因は、「アストラル体が怠惰になり、適切に物質を運ばずに、不要物を、排出できない」事にある。

 春が近づき、液中で生命が成長をはじめるとき、体液もまた敏感になる。そのようなとき、体液、すなわちエーテル体に様々な物質が溶け込み易くなる。そうすると、体液が通常よりも、少し薄く拡がる。「花粉症に罹り易い人の体液は汚染され、薄く拡がりすぎるようになる。体液は、溶解した物質によって、四方八方へと押しやられ拡がる。体液が汚染され、乱れると、春に出現する全てに敏感に反応するようになる。特に、植物から放たれる花粉は格別刺激が強い。

 だから花粉が花粉症を発生させるのではない。花粉は、花粉症を悪化させる。

 人智学の洞察を基に作られた花粉症薬の効能へと話を移すと、薄まり、膨張し、汚染した体液を、元に戻すために、最初に溶け込んだ不適切な物質を外に排出させるために、その濃縮薬を注射した後で少し汗をかくようにすればよい。以上から興味深い事実が明らかになる。発汗は、アストラル体の調整に役立つのがわかる。

 もし寝汗をかいたり、夜尿症に悩むなら、アストラル体に問題がある。子供にも、細心の注意を払う必要がある。例えば、少年犯罪者の生い立ちを調べれば、このような見方の正当性とは言わないまでも、方向性の正しさが立証できるだろう。

 だからといって、人智学による花粉症薬を早急に求めないようにすべきである。患者が便秘でないのを、まず確認すべきである。便秘の人は体液が濃縮され、益々外に出づらくなるからである。「便秘の人は花粉症薬の注射と一緒に、通じをよくする薬も投与しなければならない。

 有効な治療をするには、どの薬がどんな病気を治すのか、だけでなく、患者にどのような質問をすべきかが大切である。素晴らしい医療は正しい問診を行い、患者をよく知る事にある。問診は非常に重要である。なのに、患者に年齢さえ尋ねない医師によく出会う。年齢はエーテルの成長を知るのに意味をもつ。例えば五十歳と四十歳とでは、全く異なった治療法を用いる必要がある。年齢による体質を考慮せずに、ただマニュアル通りに「この薬は、この病気に効く」として治療してはいけない。

 例えば、身近な、犬と猫の例を挙げる。犬の体質は便秘がちで、猫は下痢気味である。だから犬と猫に同じ薬を与えて、作用の違いを観察するとよい。人体は『物質の固体』だけでなく『液体』でもあり、更に、…『気体』でもある。『気体』は一瞬ごとに形を変える。ある瞬間には空気は外にあり、次の瞬間には内にある。

 既に不要になった固体の物質が体液に溶け込むように、体液も、絶えず蒸発している。土壌の水が蒸発すると、大気中に上るが、体液が微量ずつ蒸発すると、吸い込んだ空気(大気)の中に侵入する。特に、肺がおかしい場合には気を付けるべきである。というのも、そのような場合、上述のような汚染した体液が蒸発したからである。そうすると、恐らく肺炎になるが、もし、体液に不当に溶け込んだ物質により生じた肺炎なら、物質を除去できれば、治療できる。

 しかし、いまは肺炎が、表面に現れるほど悪化していない場合を考える。人体は敏感である。肺が炎症を起こすほど強く侵されなくても、少しばかり具合が悪くなる。このような軽い病気には耐えられるが、肺に浸透した物質が、体液のなかに微量に入り込んでしまう場合、肺の中の体液は不適当な物質を溶かしもってしまう。そして、このような汚染物質は、特に肺が健康でない場合、蒸発してしまう。

 不適当な汚染物質が体液に溶け込むだけでなく、蒸発し、吸い込んだ酸素と混じり合うと、神経を侵し害を及ぼす。神経は純粋な酸素を必要とするのに、汚染された体液が蒸発し、酸素が汚染されるからである。肺に、このような蒸発が生じると、肉体的な疾患にならなくても、いわゆる精神病になってしまう。

 精神病は、本当は精神の病などではない。なぜなら、精神、つまり霊は病気にならないからである。精神病は、体液が不適当に酸素の中に蒸発して、神経が分断され、麻痺するせいにある。だから、自分の体液の中には、不適当な汚染が広がらないよう、更には体液が不適切に蒸発しないように、絶えず体内の物質を正しく管理し、処理しなければならない。しかし、日常の生活でさえ、体液を不適切に蒸発させてしまう。喉が渇くとき、この事に気付くはずである。

 以上のように、病気を特徴づけできる。喉の渇きは精神病への傾向をもち、空腹は肉体の病気への傾向をもつ。それから、非常に実践的な提案をしたい。

 渇きを癒すのを探知するのが困難な場合がある。例えば、乳児である。乳児の飢えと渇きは明確に識別できない。両方ともミルクで満たされるからである。だから、もし母親や乳母の乳を通して有害なものが入ったなら、ずっと後になって、体液が不当な蒸発をしたときに、精神病を誘発する事もある。

 また、間違ったワクチン接種を受けると、たとえ、体液が病気(感染症)にならなくても、体液と関わる諸臓器、器官が苦しめられる。不適切な接種の結果、汚染体液の蒸発が起こり、やがて精神病に罹り易くなる。今日非常に多くの人々が早発性痴呆症…に悩まされているのに、既に気付いている人もいるだろう。この病気は、比較的、若い時期に、神経が崩壊し始めるのだが、その大部分は乳幼児期の間違った食事に起因している。

 赤子に与えるミルクを化学的に調査するだけでは十分ではない。全く異なる側面を吟味すべきである。現代になって人々は食事に関心を払うのを止めてしまったので、この病気が恐ろしい勢いで発生している。

 以上から、この病気には、この治療がよいと医者を訓練するだけでは十分でないのに気付くだろう。人生全体を健全にするように努めなければならない。そのためにはまず、生活全般を見直し、健全さ、規則正しさを発見しなければならない。

 人智学は、この理解に与する。人智学は、予防医学にも有効である。人智学は健康の諸問題の正しい把握を望んでいる。





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Last updated  2025年04月10日 23時53分45秒
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