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積  乱  雲

積  乱  雲

大阪百首詠

大阪百首詠より

荷づくりの最後の音はガムテープはやる心も一緒につめる

一息で離陸ふわりと浮かぶときブランコから飛ぶ羽つけていく

滑走路を走り出した飛行機の車輪とともに人鳥になる

雲のかげ光の下は人の街今日それぞれの人に一日がある

関西弁期待しながらニュース聞くなかなか出なくてローカル版待つ

ゆうゆうとレースの衿をひらめかせ進む女優か優雅なエイは

人ごみを車椅子のりかきわける私も同じ展示の魚

大きくて強いものは君臨するが小さきものの知恵に気づかず

この街は扉をひとつ開いたら住人となるイメージくれる

わたしたち十七歳で高三でみんな同じでただにうれしい

女組こっそり企画の夜の会は男子禁制のおしゃれ楽しむ

一番の目標それは枕投げこのときのためここまで来たで

友達と顔つきあわせ笑うとき青春の文字頭をよぎる

空の中ガラス一枚で隔てれば四十七階落ちたらオダブツ

重なって改定走る高速も流通の街は夜も休まず

三人でおみやげそろえ確かめる卒業までの友情の日々

整列の生徒尻目におみやげへ走る教師の勤務と素顔

荷づくりの最後の封を閉めたとき旅の終わりがはじまりになる

人の手を借りるならばいつの日か地球の隅まで行く夢をみる

思い出をこわさぬように飛行機は着陸の足丁寧に出す



※大阪修学旅行  2006.9.12~15
 100首から抜粋


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