BJORK

『HOMOGENIC』

ビョークの歌って何て鋭くて力強くて切なくて、ロマンチックなんだろう。

「ハンター」
愛・自然・何でもない地球に存在する事象。全てが宝石のようにキラキラと輝いている。私は獲物を捕らえるハンター。

「アンラヴェル」
あなたが側にいない時は、悪魔が近くにいて、わたしの心をほどいていく。やがて毛糸玉に巻かれたそれを悪魔が嬉しそうに持っていってしまうの。けして、返してくれはしない。だから、あなたが帰ってきたときは、また愛を紡ぎ直さなければならないの。

「バチュラレット」
私は血の湧く泉で少女の姿をした泉、あなたは水辺の小鳥。私を飲みほしてください。そして私を感じて。

「オール・ネオン・ライク」
あなたのために美しい巣を張ってあげる。暗やみに光る糸はまるでネオンのように繭（まゆ）があなたを取りまいてすべてを包みこむ。だから眠ればいい胎児の姿で。臆病なあなたの心はまばゆい光線が育んでくれる。だから自分を責めないで。私がかみそりの刃で細く切りひらけばまばゆい光線があなたを、育んでくれる。わたしがそうやって癒してあげるわ。

「イマチュア」
なんて未熟だったんだろう。自分の足りないところは、あの人に埋めてもらおうなんて。なんて怠け者だったの私は。

「アラーム・コール」
僕はこの地球を歩いていろんな人を見た。彼らの事がとっても好きだよ。山の頂上に行きたい。ラジオを持って電池も入れて、そこから楽しい曲を流して人類を苦しみから解放したいんだ。
僕を狭い場所に閉じこめれば閉じこめるほど、僕の心の空間は広くなるんだ。

「プルート」
すみませんちょっと私疲れています。これからこの体をふきとばします。あした目が覚めると私は新しくなっているわ。

ビョークの内なる宇宙、デジタルビートに乗っかった叫び、サウンドとリズムにこめられた熱情。

「私はいったい誰なのか」
「私は宇宙の中でたった一人の私です」

感じてください。私を。