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ロックの部屋

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FLEETWOOD MAC

フリートウッド・マック『TUSK』



前作1977年発表の『噂』の大ヒットで余裕が出来たのか、この『TUSK』はアナログ時代では2枚組のアルバムとして発表、色々な曲があってマックの魅力が詰まったアルバムとも言えます。私はむしろこちらの方が好きです。ちょうどビートルズで言えばサージェント・ペパーの後のホワイト・アルバムのような位置づけのアルバムです。

リンジー・バッキンガム、クリスチン・マクビー、スティーブ・ニックスそれぞれがリードを取る曲が偏ることなく散りばめられています。落ち着いたフォーク色の強い楽曲群も多いです。

フリートウッド・マックのロックは、ジャンル分けするのがとても難しくクラシックロックには違いがないのだけど、汗くささも泥臭さもなくコンセプト色もない。お洒落で良質なポップ感覚を持つファンタスティックなロックです。

このバンドの歴史は長く60年代はピーター・グリーンという人が中心のブルースバンドでした。その頃のフリートウッド・マックは実は私も聴いてはいません。

リンジー・バッキンガム、スティーブ・ニックスの二人が加入したのが『噂』の前の『ファンタスティック・マック』というアルバムで1975年に発表されたアルバムです。ここから現在のマックサウンドが確立しました。

この二人はアメリカ人であり、オリジナルメンバーのミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィーの二人はイギリス人。英米混成バンドは当時は珍しい存在でした。

マックサウンドを魅了するのが3人のヴォーカリストの声とハーモニー。スティーブ・ニックスは女性でありながら喉の奥から絞り出すようなハスキーな歌い方、容姿もこのころは可憐さも残っていて細身で美形です。今では恐そうな魔性の女のイメージですが……もう一人の女性ヴォーカリスト、クリスチン・マクビーも女性にしては低くしっとりした歌い方だけど滑らかな歌い方です。リンジー・バッキンガムは男性、ハイトーンヴォイスの持ち主です。

この3人がキラキラギターサウンドに乗っかってファンタスティックなコーラスを奏でる。これが最大のフリートウッド・マックの魅力。

実はフリートウッド・マックについては苦い思い出がありまして、初来日公演の時、武道館へいく予定だったのですが、前日から風邪をひきまして高熱出して行けなかったのです。チケット代パーになりました。

フリートウッド・マックは昨年『SAY YOU WILL』を出して復活。格好良かったリンジー・バッキンガムも髪の毛は後退、良いオジサンになっていました。スティーブ・ニックスは若干太めになったようですが美貌は健在、曲のキレは若干鈍くなった感じでしたがキラキラメロディーは健在でした。

フリートウッド・マックのファンタスティック・サウンドはロックの素晴らしさを再認識させてくれる。けして忘れられないし重要なバンドのひとつです。


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