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ロックの部屋

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TOTO

TOTO(トト)『FAHRENHEIT』

トトの数多くあるアルバムの中では、1986年作で6枚目であるこれが一番好きかな。ヴォーカリストがジョセフ・ウイリアムスという人に変わっている。AOR色が全面に出ていてメロディーが際立った楽曲が多くなった。グラミー賞の最優秀アルバムを受賞したタイトな『聖なる剣』も良かったけれど、バラードナンバーの「I’LL BE OVER YOU」とか「LEA」とかが入っていて聴いているとうっとりさせられます。

トトの出発点は確かセッション・ミュージシャンだった連中が集まって結成されたバンドだと記憶しています。さすがに演奏テクニックは一流。70年代のアメリカン・ロックというのは、ほとんどが緊迫感がなくて緊張感に欠けて物足りなさが残ってしまう。(ニューヨークのパンクシーンは例外として)けれどもスケール感とか雄大さとかブリティッシュ・ロックに無い部分もあるわけで、トトもそのあたりの長所を持ち合わせていました。
ジャーニーやREOスピードワゴンとかボストンとかも近い感覚があります。

ジョセフ・ウイリアムスがヴォーカリストとして在籍していたのは次作の『セブンス・ワン』の2作のみです。こちらもAOR色がでているのですが、こちらも良いです。

《I’LL BE OVER YOU》
♪過ぎ去った時を思い出そう
 僕らのかつての約束を
 理由は何だろう
 変わらぬものは何もない
 君を抱きしめた夜もあった
 いつの日か僕は忘れようと努めるだろう
 この心の痛みが去り
 涙が乾き
 この永遠が終わりしだい
 君を乗り越えることができるだろう♪

人を永遠に愛することは難しい。何故だろう。些細な事で緊張の糸が切れたり、相手が嫌になってしまったり、好きだった部分が欠陥に見えたりします。でもそれはきっと自分が成長した証なのか。「I’LL BE OVER YOU」君は乗り越えるべき存在なのだろうか?

「I’LL BE OVER YOU」はトトの曲の中でも1・2の名曲だと思う。ジョセフ・ウイリアムスの声は甘くなめらか。
彼が脱退した後のトトはやはりAOR色は無くなってしまいましたね。

色んなレヴューを読んでみると、トトのAOR色が好きではないという人もいるみたい。でも、私は男臭いヴォーカリストというのはあまり好まないからこれでいいのです。



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