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ロックの部屋

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MORRISSEY

『KILL UNCLE』~ネオアコ度★★★~
KILL UNCLE
スミス解散半年後に発表されたモリッシーのソロアルバム『VIVA HATE』は、それほどスミスとは変わらない緊迫感たっぷりの楽曲ばかりだったので、スミス好きには安心できたアルバムだったかもしれない。

それから1991年に発表されたこの『KILL UNCLE』は、スミスとは違い肩の力が抜けた、霞がかったゆったりとした曲ばかりだったので、ガッカリした人もいたかもしれないな。でも、じっくり聴くと優しくて、ポップな仕上がりになっていて、私はこれも好きなのです。

ギターからヴァイオリン、ピアノにサウンドの主体が写っているのが特徴になっています。
ジョニー・マーのギターがなくなったということで、モリッシーの素顔がより鮮明に見える。

「Asian Rut」のストリングス、「Mute Witness」の軽い乗り、「King Leer」のエレキピアノが印象的なダンスナンバー…楽しいです。
「The End of the Family Line」バラードだけど抑制ぎみなところがスミスと違う。これもいいのです。
「There’s a Place In Hell For Me And My Friends」ピアノをバックにストリングスがハモル、短いけど小品。美しい。

改めて聴いてみると、うっとりする愛着がでてくる曲ばかり、『VIVA HATE』より好きかもしれない。

歌詞カードにもなっている中ジャケットのモリッシーのポーズ決まっていること。表もいいですけどね。



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『YOU ARE THE QUARRY』



そんなに期待していなかったのに、今度のモリッシーのニュー・アルバムの素晴らしさは予想以上でした。この元気の良さ、パワフルさは何なのといった感じです。

前作『マルアジャスティッド』発表以来7年間のほとんどをロサンゼルスで過ごしていたというモリッシー、その体験から滲み出た曲が多い。アメリカ社会に対する矛盾や不満が音楽創作の活力になったのであろうか。

《America Is Not The World》
♪アメリカよお前の頭はでかすぎる
アメリカよお前の腹はでかすぎる
 そしてぼくはお前を愛している
 アメリカは自由の土地と人は呼んだ
だが一度とて大統領が黒人だったことも
 女性だったこともゲイだったこともない

 愛のかけらもない、冷酷な青い眼で
 世界中を精査する
 微塵も温かみも感じさせない
 ユーモア無しの微笑みで
 世界中を出迎える

 そしてぼくにはお前に与えるものがない
 この深い真実の想い以外には何も
 だがお前はそんなものは要らないという

 自分の耳で聞いてくれ、自分の心で理解してくれ
 おねがいだ
 だって、ぼくはお前を愛しているんだよ♪

切ないモリッシーのヴォーカルがお前(アメリカ)に語りかける美しいバラードです。

《Let Me Kiss You》
♪どんな人にもチャンスがきて
 その気になれば意中の人を追いかけられることがある
 ぼくも相手を見つけたみたいだ
 夢中な誰かのことを想いながら
目をつむって考えてみて
 そしてぼくにキスをさせて
 君にキスさせて
 アメリカ中を縦横無尽に渡り歩いたけど
 安全な港がみつからないんだ
 泣いてもいいかい
 君の肩で
 でも君がそこで目を開いたら
 君の目に映るのは
 肉体的に耐えられない人間
 それでもぼくの心は開いているよ
 心は君に向けて開いているよ♪

好きになった人への想いはとまらない。君がぼくを好きでないとしても、せめて目を閉じていてくれさえすれば想いは叶うかもしれない。


そして、今回のアルバムの中で一番気に入った曲が、日本盤でボーナストラックとして挿入された『The Never Played Symphonies』です。

死の床に面した主人公の、絶望感に満ちたバラード。けして演奏されることのないシンフォニー。美しすぎて泣けました。

そして私が買ったのはDVD付の限定盤ですが、これには『アイリッシュ・ブラッド・イングリッシュ・ハート』のPVが見られます。

久々に生モリッシー見ましたが、ちょっと中年太りになっていました。白のジャケットが窮屈そうでボタンがはじけそうです。(笑)でも年食って中年オジサンさんになってもダンディ振りは変わりませんね。左右の手を大きく広げるジェスチャー、パフォーマンスも健在。声は今も艶があって、またまた惚れ直しました。(^_^;

このダンディ振りは、70代はブライアン・フェリーでしたが、80年代以降はモリッシーがロック界NO1でしょ?ニール・ハノン(ディヴァイン・コメディ)にも是非頑張ってもらわないと……(笑)

追伸(DVDにはフォト・ギャラリーも付いていますが、これって印刷できないんですかね、見るだけ?)

                         (2004-08-15記)


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