ロックの部屋

2004/05/27(木)22:40

産業ロックと【BOSTON】

remi10さんの所のボストンの日記を読んで、久しぶりに聴きたくなってしまった【ボストン】。私が持っているのは『Third Stage』と『WALK ON』の2枚です。 でも、このボストン1976年ファーストアルバムを出して以来、たった4枚しかアルバム出してないじゃないですか。セカンド『幻想旅行』が1978年でサード『サードステージ』が1986年で8年空いて、4枚目『WALK ON』が1994年。この後ベスト盤は出したようだけど、5枚目オリジナル盤は出してないですよね。もう9年も経っているわけですね。 リーダーのトム・シュルツという人は完全主義者で博士号を持っていてインテリらしいという話を聞いたことがあります。確かにアルバムを聴いてみると、曲の細かい構成とか、ギターだけでこれだけの空間表現ができるものかと驚いてしまう。シンセサイザーやリズムマシーンを使ってないらしいから。ミキシングの技なのか宇宙的な拡がり間を感じる。ジャケットカバーもいかにも惑星BOSTON号の世界。 『サードステージ』は全世界で1000枚近く売れたらしいし、他もその程度売れたのだろう。これだけ売れれば8年もアルバムださなくても生活できるのでしょうか。 ロックが産業ロックという呼び方をされた時期76年あたりの【ピーター・フランプトン】の『カムズ・アライブ』や【フリートウッド・マック】『噂』など、ロックは確実に商業化し産業として成立してしまった時代。そして【ジャーニー】やこの【ボストン】が産業ロックの象徴として語られていった。 ブリティッシュロックも新人が育たず盛り下がっていた時期でもあったような気がします。 ボストンも音楽として、確かに楽しめるのだけど、聴いて感動したりドキドキしたりする類のロックではないような気がします。 80年代のMTV時代のロックを充実したロックの時代という人もいれば、不幸な80年代という人もいる。 産業ロックに反発したかのようにロンドンやニューヨークで派生したパンクロック。マイナーレーベルからのインディーズバンド。スミスもREMもインディーズ出身だ。 10年近くもロックシーンから離れられるボストンは、産業ロックという十字架を背負ってしまった巨大バンドの象徴なのかもしれない。次はさらに1000枚近く売れるアルバムの構想のためにエネルギーを蓄えている時期なのか? たかがロック、楽しめるのには超したことがない。けれども産業の中に組み込まれたロックをつまらないと感じるオーディエンスは確かにいるわけで………

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る