今年久しぶりのスタジオアルバムを出した【トト】、リリースごとに買っているような気がするのだけど、何枚持っているのか数えてみた。そしたら8枚しかなかった。そんなものだった。で、いったい彼らはデヴュー以来オリジナル盤(編集盤除く、ライブ盤含む)は何枚出しているのだろうかと調べてみたら17枚でした。
1978年からだから、凄いよねーと感嘆するばかりです。(ボブ・ディラン〔は44作目?〕の方が凄いか)笑。
2006年のトトはどうなっていたのか。期待半分、不安半分で聴いてみた『FALLING IN BETWEEN』。実のところ、歴代のヴォーカリストの中で一番好きだったジョセフ・ウイリアムスが、久々に参加していると言うことで何のためらいもなく購入したのでした。たった1曲だったけど……
1発目の表題曲「FALLING IN BETWEEN」が流れる。ドカーン!!凄い音圧に音厚。びっくらこきました。80年代の全盛時以上のパワーでした。スタジオ・ミュージシャン上がりのテクニシャンで有名なトトですが、今回はさらにフュージョンとファンクのグループが輪舞していて圧倒的です。
さらに魅力的なミディアムバラードも数曲挟まれているのも効果的。3曲目の「BOTTOM OF YOUR SOUL」に6曲目の「SIMPLE LIFE」、9曲目の「SPIRITUAL MAN」と構成も見事。(トトの魅力はこのバラードなんだよね。)
「BOTTOM OF YOUR SOUL」のスティーヴ・ルカサーの男ぽい声に絡むジョセフ・ウイリアムスの美声にウットリしてしまいました。(ジョセフ最高!)
そして何と「HOOKED」では【
ジェスロ・タル】のイアン・アンダーソンのフルート・ソロが聴けるのだ。フュージョン系のジャムにフルートの音色、意外な組み合わせのように思えたけど相性がピッタリだったのは発見でした。ゲストとは言わず、全面的にアルバム制作に加わって欲しいなと思いました。
ベテランですね。
「SIMPLE LIFE」は2分21秒という短さで、“もっと聴かせて”と言いたくなってしまう、名曲です。
《SIMPLE LIFE》
♪一日が長く感じる
年月が経つと共に自分の人生の短さを感じる
俺は賭に出た
強気な俺は挑もうとしていた
全ての苦痛を置き去りにして
俺はその道を歩いてきた
この心も売られてしまった
高い代償を払った
俺たちの世界
俺たちの願いは俺達だけのものだ
俺たちの感情は奥深く存在する
俺は君を愛さずにはいられない
俺が欲しいのは平凡な人生
俺が欲しいのは君だけ
俺が欲しいもの、必要としているもの
それは平凡な人生だけ♪
「SIMPLE LIFE」はメンバー間でも人気が高い曲のようだ。
改めてロックの原点に帰ったような曲。スティーヴ・ルカサーの才能をあらためて認識してしまう、深みのあるバラード。間違いなくTOTOの名曲ベスト5入り。(にしておきましょう。)
それからフュージョンバンド化している「LET IT GO」のグルーヴも圧倒的です。(ロックバンドの域を超えています。)
トトは燃えている、燃えていた。最後にこのアルバムへの想い(出来)をスティーヴ・ルカサーの言葉を借りて終わりにします。
“
これが最後の作品になっても後悔しない。ファンのみんなには、アルバムに込めた熱い気持ちを感じて、そして楽しんで欲しい”
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