私には4歳年上の兄がいて、その兄とは性格も全然似ていない。趣味も違ったりするので、子供の頃一緒に遊んだという記憶もほとんどありません。幼児の頃に読んでいた絵本なんかも兄は自動車や電車の絵本だったのに、私は猫や犬が載っている可愛い動物の絵本だった。
兄の方が標準的な男の子だったのかもしれない。彼は学校の勉強でも物理や化学が得意な理工系の人だった。一方私は小学生時代は、児童文学集などが好きで本ばかり読んでいました。勉強も社会や国語が得意な文化系の人間だった。
兄は高校生あたりから、自動車のメカに興味を示しオートバイの免許も16歳でとって原付バイクを乗り回していた。卒業後就職した企業も某自動車メーカーだった。
音楽の趣味については、私が高校生あたりから洋楽ロックにのめり込んで聴いていたのに比べて、兄は音楽への興味は無いように見えたのだけど………そんなろくに話もしなかった兄弟でも、後々
意外な所で接点がありました。それは。。。。
私がロックにのめり込んでいたころ、就職していた兄は高級なコンポを買い込んでそのうちLPを買い込むようになった。
兄は日本のフォーク【高田渡】や【遠藤賢司】や初期の【RCサクセション】などを聴いていた。それからしばらくして【荒井由実】やティンパン・アレー系の音を聴き始めていたと思う。私は【ビートルズ】をはじめ【TREX】などのグラムロックやプログレなどを聴いていて、日本のフォークやニュー・ミュージックには全然興味が無かった。
1970年代の後半になって、テクノポップが流行っていた頃、日本にも海外でも通用し人気があった【イエロー・マジック・オーケストラ】のようなバンドが出てきて喜んでいました。
ある日、自分の部屋でイエロー・マジック・オーケストラのファーストアルバムを聴いていたら、隣の部屋の兄が来て“あ、これ俺も持っているよ”と言って見せてくれたのが、オリジナルの日本盤のLPだった。つまり兄はティンパン・アレー→細野晴臣→イエロー・マジック・オーケストラと辿り着いたわけで、私のグラムロック→プログレ→パンク→テクノポップ=イエロー・マジック・オーケストラとは違う経路をたどってきたのだけど、ここで見事に繋がったのです。(笑)
しかし、実際
イエロー・マジック・オーケストラを先に聴いていたのは兄の方だった。オリジナル日本盤とUs盤はリミックスが違い、オリジナル日本盤はそれほど売れなかったと思う。イエロー・マジック・オーケストラの人気が出始めた頃には、
Us盤の方が公式盤扱いになっていたと思います。
兄が聴いていたオリジナル日本盤
兄は細野晴臣を評価し、私は坂本龍一を高く評価していました。ここでも兄弟の違いは表れてしまったのだけど、この時点では
お互いの才能を理解していなかったのだと思う。
さてオリジナル日本盤なのだけど私は未だに聴いたことがなくて、YMOのファーストはUs盤という認識しかなく評価はUs盤という事になってしまいます。オリジナル日本盤の方の音も、今になって興味が湧いてきて聴いてみたいという気持ちになっています。
久しぶりにUs盤を聴いているのですが、当時聴いていた印象と違って聞こえたのには感動してしまいました。セカンドの『ソリッド・ステイト・サバイバー』と比べて鈍くて重くて、切れ味のないテクノサウンドという記憶があったのだけど。。。。
結構、ゆったりとしていてポップでクロスオーバーしていて、心地良いのには驚きました。
エレクトロニックでありながら色気のある響き、女性のセクシーヴォイスも入っていたりして。東洋的なメロディーもしっかりと出しているし。
「COMPUTER GAME」ではスペース・インベーダーのテーマが聴けて懐かしい。喫茶店でやりまくりました。これって30歳以上の人じゃないと知らないかな。(笑)
この頃のシンセサイザーってまだまだ単音が主流だったんだなぁ。
安っぽくてチープでノイズが乗っているデジタルサウンドは時代的です。配線をめぐらして、いろんな音を出そうとしていたようだけど、数年後にはポリホニックシンセサイザーの登場で巨大なシステムも要らなくなってしまいました。
YMOのアルバムも3月には紙ジャケットで再発されるようだし、この際オリジナル日本盤を買って聞き比べてみようかしら。
それから兄は私の影響からか、その後英国のロックも聴き始めました。私が持っていなかった【EL&P】の『タルカス』や【ルネッサンス】の『プロローグ』をこっそり買ってきたのにはビックリしました。私はそれを借りて聴いていたのでした。(笑)
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