アルとくれば【アル・クーパー】で、スチュアートとくれば【ロッド・スチュアート】と言うぐらいで、70年代中期に【アル・スチュアート】というアーティストが出てきたときには、そんな合体技みたいな名前のアーティストがいるんだ。などと思ったくらいで、素通りしてしまった人なんですが………。
先にロックの歴史に出て来ても良い、著名なアーティストがいたりすると、地味に見えてしまって気の毒な様な気もしますが。。。
スコットランド出身のシンガーソングライターの通算7作目にあたるアルバムがヒット作の『YEAR OF THE CAT』です。
私にもようやくアル・スチュアートを聴く環境が整ったと言うべきか、最近よく聴いています。(遅すぎ)
しかし、
ロック通には無視の出来ない要素の詰まったアルバムでもあります。
1に可愛らしい猫のキャラクターをデザインしたアートワークはヒブノシスの手による物。第2にプロデューサーが音の魔術師(勝手に命名)【アラン・パーソンズ】だ。第3にレコーディングはアビーロードスタジオで行われているという事。
それだけでも充分なのですが、このアル・スチュアートの
声の質は【ジョン・レノン】に良く似ている。さらに息子の【ジュリアン・レノン】に瓜二つです。
ちょっぴり甘くて、円くて包容力のある優しい声にウットリしてしまいます。曲調はスコットランド出身らしくキャッチーだけど、どことなくトラディショナル。ストリングスやシンセサイザー、スパニッシュ・ギターの導入は高品位でハイセンス。これはアラン・パーソンズの力量もあるのかもしれない。
メロディーは感傷的でありながら、距離感と緊張感があり雰囲気重視で素敵です。聴きやすいところも○。
やはり「YEAR OF THE CAT」がアルバムを象徴する曲であり、傑作です。ピアノソロから始まって朗々と鳴るサックスソロのエンディングまで
色んな音が詰まっているのも、聴き応えあるものにしています。スパニッシュ・ギターのソロは浪漫に溢れ、ストラットキャスターのギターソロは泣きのギターですし。
「ON THE BORDER」「LORD GRENVILLE」「MIDAS SHADOW」「SAND IN YOUR SHOES」も名曲。早い話全曲駄曲なしです。(笑)
遅ればせながら全オリジナル盤揃えたいアーティストの1人になりました。
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