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機材ブログ

2017.09.21
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カテゴリ:その他




アンプの出力ワット数はアテにし過ぎない事、スピーカーによって音量って全然違うよ、って事について。

音抜けどうこうって話ではないです。要は楽器用アンプの音量についてですが、調べても分かりやすい資料が全然無いですね。おかげで自分なりにふわっとでも理解するのに中々苦労しました。


表面的な部分だけならあんまり難しい話では無いと思うのですが、説明や資料が余り無いので、忘れないためにも自分なりに並べ立ててみました。



これがなんとなーくでも分かれば、「何ワットくらいの音量?」とか「出力を超えた音圧!」とか「真空管だから音が大きい!」とか「50Wなのに音が小さい…」みたいな場面で、理解まではできなくても一旦立ち止まって考え、もしかしたら原因から外れた対策で無駄なお金を使わなくなるかもしれません。もしくは無駄にお金を使うようになってしまうかもしれません…。

以下、よく分からない部分が多い
アンプの「音量」についてのお話です。




アンプの音量を決める要素について。
とりあえず一番代表的なものは「出力ワット数」ですね。アンプが吐き出せる電気の量です。

次に、重要なのに知名度の低い「感度」。スピーカーが電気を空気振動に変換する能率です。

これはスピーカーユニットのスペックに時々記載されています。マーシャルでよく見るスピーカーユニットを例にあげると、
セレッション製Vintage 30 であれば100dB
同社製G12T-75 は97dBで、この2機種の差はとりあえず3dBです。

※周波数によって感度は変化するので、聴こえる音量感はスペック値だけで決まりません。ですがメーカー公称値は大きな目安です。


この「出力」と「感度」が今回のポイントです。



「アンプ出力による音量差」について

当然ですが、練習用の10Wアンプよりもスタジオにある100Wアンプの方が大きな音を出せます。音の大きさは「dB(デシベル)」という単位で表せます。これが絡んでくると対数比がどうの、絶対値と相対値がどうのとややこしい説明が多いので、できるだけ分かりやすく説明していきます。

まず、ネットで拾った便利な表を掲載します。もうこの表だけで言いたい事全部なのですが、やはり分かりにくいと思うので実例を交えて説明します。



rblog-20170921094707-00.jpg


この表は、ある基準をゼロとしてそれに対する差を表したものだと思ってください。
真ん中の列は、とりあえず音量(電圧)である。そういうものだ。と思ってください。

では、例をあげます。50Wマーシャルと100Wマーシャルでは、+50Wも加算されている割に聴き比べても数字ほど最大音量が上がって感じないと思います(フルテンで鳴らし比べた経験がどれほどの人達に有るかは分からないですが)。
これを表に当てはめてみると、50Wに対して100Wは2倍ですので、電力比2倍の行を見ます。中段(音量)の列では1.41倍とあります。つまり電力を2倍にすると音量は1.41倍になっているという事が見て取れます。


rblog-20170921094707-01.jpg


これは電力差が2倍の時について当て嵌まるので、5Wから10Wや、10Wから20Wのアンプでの音量差も同様に1.41倍です。人間の耳の音圧特性なんかを無視して考えれば、体感音量の差はどれでもそうなる計算です。


では、5Wから20Wでは?電力はトータル4倍な訳ですが、5Wから10Wで音量は1.41倍、10Wから20Wはそこからまた1.41倍になる関係ですので、

1 x 1.41 x 1.41= 1.9881でしょうか?

計算値と、表で電力4倍に当たる音量を見比べてみてください。完全な一致ではありませんが、表が言っているそれぞれの関係性が何と無く掴めてきたのでは無いでしょうか。


rblog-20170921094707-02.jpg



練習アンプ・スタジオアンプの例を当てはめると、10Wアンプに対して100Wアンプは10倍となります。電力が10倍の行を見ると、音量は3.16倍となっています。つまり他が同じ条件でアンプの出力だけ10倍にすると、最大音量は体感で3倍になるという事です。転じて、ある音量の3倍の音量を得る為には、10倍の出力ワット数が必要という事です。


rblog-20170921094707-03.jpg


10Wの練習アンプと100Wのスタジオのアンプで、本当に音量は3倍しか違わないのか?という疑問には別の要素も絡みます。




「スピーカー感度による音量差」について

スピーカーが電気を空気振動に変換する能率の違いでも、当然聴こえる音の大きさは異なります。あまり一般的ではない要素ですが、むしろアンプの出力よりも重要かもしれません。環境的に入れ替えやコントロールが難しいので、認識が浸透しづらいのだと思いますが…。

文頭で例にあげた2機種のセレッション製スピーカーユニットでは、感度に3dBの差がありました。これを表に当て嵌めて確認すると、他の条件が同じであれば3dBの増加、つまりアンプの出力が2倍になったのと同等(1.41倍)の音量変化がある、と読み取る事ができます。


rblog-20170921094707-04.jpg


いいスピーカーは1個1万〜数万以上とそれなりに高い訳ですが、高ければ感度も良いという訳でもありません。
近年の製品では、アンプの大出力化に合わせてスピーカーは低能率・高耐圧のスピーカーも多いように思います。敏感にスピーカーが振動すれば低い出力でもすぐに限界がきてしまいますが、振動を抑えれば大出力も受け止めて壊れずに駆動できる!みたいな感じなのでしょうか?
ベースアンプではツイーターを含むネットワークによってキャビネット全体の能率は更に損失があったりもします。

例として、某スピーカーユニットで公称能率93dBというものがあります。これを100dBのスピーカーに交換するとその差は7dBで、これは5倍のワット数のアンプに換えるのと同等の音量変化です。


rblog-20170921094707-05.jpg


逆に言えば100Wのアンプがうるさい場合、元々スピーカー能率が100dBでしたら93dBのものに交換する事で、20W/100dBの組み合わせと同等まで「音量は」下げる事が可能な計算です。ただし 、古い18WマーシャルやVOX AC30、その他30W以下クラスのアンプの最大音量は小さいと表現するには無理がある爆音ですが…。これについては後述します。

また、感度によって音量は確かに変わりますが、音質については考慮していない別問題ですのでご了承ください。




ひとまず、ここまでの内容が何と無くでも認識していただければと思います。「ワット数による音量変化は数字に対して直線的に比例する訳ではない。」「そもそも組み合わせるスピーカーによって音量は変化する」という点だけでも…というか、その点を強く、たくさんの人に理解して欲しくて書きました。
組み合わせによっては小ワットでも十分な音量が得られますが、更に必要な場合はどんどん必要なワット数は倍加していきます。


出力と感度の他にも「音が出る事」と「演奏を表現する」の違い、周波数での音圧の違いやエンクロージャーの影響、距離減衰やユニット数、指向性、歪み率、聴感上の特性などなどその他もっと細かい諸々はあると思いますが、これ以上詰めるって時は「聴くのが早い」に限ると思います。

最低限として、出力と感度の関係性だけでも頭の片隅に置いといてください!









おまけとして「で、結局どれくらいの音量出てるの?」について

いきなり出てきたVintage30が100dBって、一体何が基準で何をあらわしてるのか???って人の為のおまけの項です。


まず、スピーカー能率の測定は基本的に「1Wの信号を入れて、ユニットから1mの位置での値」となります。通常1kHzの周波数での測定値をスペックとして表記します。

置き換えると、Vintage30に1W分の信号を入れれば、1mの位置で100dBの音が聴こえる!という訳です。この100dBというのは非常に大きな音で、難聴のリスクを回避するためには「1日15分まで」が安全圏内とされています。

ちなみに放送(映像?)関係の製作現場では、80〜85dB前後の音量でのモニターが推奨されているそうです。これは連続で聴いても健康被害が少ないギリギリの音量で、生ピアノとだいたい同じ音量です。(てことはレコーディング時やリスニング時も、それ以上の音量でのモニターは過剰な気がします)


で、Vintage30に1Wの入力した時点で100dBもの音量が出るって、50Wや100W突っ込んだらどうなるんだ?ってところ。疑問に思ったので調べようと思ったんですが、さっきの表に当てはめると電力が100倍になっても20dBアップ程度なんですよね。スピーカーが測定音量以上の時にリニアに再現してくれるのかは分かりませんが、概算120dB弱というのは妥当かと思います。苦痛を感じる限界の音量という事ですが、実際にフルテンのマーシャルの爆音を考えるとそんな所でしょう。


ちなみに距離減衰という要素もあり、音源から10mも離れれば(反射などを無しにすれば)20dB近く減衰する計算です。


諸々含めて考えると、今回の記事は全て自分で気になって調べて継ぎはぎした理屈ですが、体感的にはそこまで素っ頓狂な嘘にはなってないじゃないかなーと思います。




デシベルについて、相対値と絶対値の扱いや関係性が分かりにくくて難しいと思いますが、絶対値の目安に対して、何デシベル(=電圧でいうと何倍、電力でいうと何倍)動くか、結果どれ位の音量になるのかという考え方が身につけば全然難しくないと思います。
分かりづらくて慣れないかと思いますが、例えて言えば「ある時間に対して1000秒進む」みたいな小難しい言い方をしているだけなので、ざっくり関係性が分かったら、体感を軸にして、説明するにはそういう表現もあると覚えてしまえば良いかと思います。



ひとつだけ注意点なんですが、今回は探しても資料や説明が少なく理解しにくい「電力(ワット)でのデシベル」を中心に書きました。分かりやすくするため電圧についてはイコール音量という表現以外ほぼ触れていません。エフェクターなどの伝送では基本的に「電圧」を扱いますので、倍になると+何デシベルといった関係は電力と違い覚え直さなければいけません。その時は、改めて有識者の解説記事をネットで探して切り離して覚えていただくのが、混乱を避けやすいと思います。そもそも他の方が積極的に説明している内容は、私のような半人前が語るのもおこがましいでしょう。

あくまで今回の記事は、分かりやすくするためにアンプの出力とスピーカー感度、その音量についてだけ最低限に絞って書いたものです。




また、今回は詳しく触れませんでしたが、ソリッドとチューブのアンプを比較すると、なんだかんだでチューブの方が音が大きいような気がします。理由を解説できるだけの知識は持ち合わせていませんが。

ただ、おそらく歪む範囲での動作は違うのでしょう。真空管は歪んでからも増幅していけますが、ソリッドのパワーアンプは歪まない範囲で使うのが前提だと思ってください。そして、歪ませずに実用の音量を確保しようと思ったら、結構な出力マージンが必要になる事も忘れないでください。だって、先の例を単純に持ち出して言えば、音量で3倍のヘッドルームを確保するにはパワーアンプだけでは10倍の出力を要する訳です。


結局、据え置きのキャビネットでヘッド持ち込みの際、どれくらいの出力が必要なのか?これは「状況による。」でしょう。
5Wで足りなければ20Wでもようやく倍、マージンを取って50Wは欲しいと考えるのも分かります。実際、環境次第では20Wでは厳しいって事もあります。
また、いつも目盛り半分以下だし100Wも要らない気がするけど何Wくらいまで落としていいものか?これも状況によります。出力を落として音量を上げると、特に歪みに関しては大きく変化があります。

結局何も解決しないので無意味な記事みたいな雰囲気で終わりますが、それを積み重ねた結果、取っ掛かりも分からない感じになってしまってるのかなーと思います。
どれ位の音量(ワット数)必要?みたいな事聞かれる度に毎回同じ説明が必要になるので、ひとまずの前提として少しでも知識のボトムアップに繋がって欲しい…!

相手も興味があれば、毎回説明するのも問題ないんですけどね。理屈っぽいのが苦手な人は…全部忘れて最初の一文だけ読めば大丈夫です(笑)


調べても分からないってのも困るので、興味のある人にだけでも、何か足しになればと思います。あと私も勉強中の身なもので、盛大に間違えたりしていたらすいません!何かありましたらご指摘ください。








Last updated  2017.09.21 09:48:40
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