056129 ランダム
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STRONG SOUL!!

STRONG SOUL!!

第3話 出発

  2本のナイフの逆手に持ち、構えるザンキ。
「先ほどとは全然違う事にご注意を・・・」笑みを浮かべる。
「わたしは、かまわないわ。」両者笑う。どれかがみていると怪しく見えるだろうが,この雪原には2人以外誰もいない。日は出ているがまだ雪は溶けない。
 攻め入ったのはザンキ。右手のナイフをソフィアの首に向ける。スピードはソフィアほどではないが,常人以上で、速い。
 ソフィアはそれを剣で受け止める。ザンキはすかさず左手のナイフでソフィアのおなかを刺そうとする。
 「くっ!」悪態をつき、ソフィアはザンキの左手を右足で蹴り上げる。だがナイフは手から離れない。ソフィアは3歩後ろに下がる。ソフィアの両手はしびれていた。
 「力,あるわね。」しびれた両手のうちの左手を見ながら言う。
 「おかげさまで!」この間合いをザンキが詰める。
 右手のナイフを剣に向け、思い切り外側に押す。
キィィン!!」剣とナイフがこすれ,とても嫌な音が鳴り響き,ソフィアのナイフが飛んだ。
「2度目!」ザンキは汗をかきながら言い,右のナイフをソフィアに向ける。
「またとる?」息を切らしているザンキが言う。
「そうね。もういいわ。」息一つ乱さぬソフィアが答える。
「じゃぁ・・・」終わりかと思ったそのとき,ソフィアの右拳がザンキのおなかに命中。一発一発の力はないだろう。が、ソフィアのスピード結びつくと,とてつもない威力になる。ザンキが倒れる間に8発は入っただろう。そのままザンキは地面に倒れる。
「おつかれ~」満面の笑顔を浮けべ,右手を振りながら左手を腰に当てているソフィアの姿がだんだんと見えなくなる。そして・・・



 「み・・・みみずっ!!」わけのわからない寝言を言ってザンキは飛び起きる。
「って、あれれ・・・?」起きてみたら毛布がかかっていて,見覚えのある熊の毛皮の上で寝ていた。
「そうだ、俺・・・ボコボコにされたんだ・・・」なぜ気絶していたのかと思い出したのと同時に,連打されたおなかの痛みもよみがえってきた。
 ソフィアはまたいない。何処に言ったのだろうか。と、思ったそのときだった。
バァァン!!!」ソフィアが足で思い切りドアを開けた。金髪にはいつのまにか降り出した雪がついていた。
「あら、起きてたのね。」あまり笑っていない。
「たった今ですけどね・・・。またご迷惑かけちゃって、申し訳ない。」苦笑いするザンキ。
「いいのいいの。ボコボコにしたの私だし。それにしても、あなたなかなかね。本気出さないって言ったのに・・・」「あ、そうそう俺が気絶してからどれくらい立ちました?」冷や汗を掻いている。じょせいのこんな暗い顔は見たくないらしいので,話題を変える。
「そうねぇ、2時間かしら。」部屋に飾ってある時計を見て答えた表情はさっきよりいい。
「2時間も!?」「長く気絶させちゃってちょっと悪い事をしたわ。ゴメンナサイ。」また表情が曇る。「いいんですいいんです!いいんです!!」顔を激しく横に振る。
「俺ももっと強くならないと思いましたから。まぁ、甘ったれてる自分への制裁だと思えば・・・あ、そうそう、気になる事があるんですけど・・・外で何やってたんですか?」またまた質問をぶつけるザンキ。
「・・・・秘密」ソフィアが動き出した。部屋に飾ってある剣やナイフを何本かを床に置く。食料も取り出した。
「あなた、リーダーを探してるっていたわね。」「なってくれるんですか?」
ソフィアがザンキの前に来て,止まる。
「なってもいいわ。」「ホントですか!?よっしゃ~!!」喜びは頂点まで来た。
しかし、
「ただし、一人じゃ嫌よ。ほかに心強い仲間が欲しいの。」ザンキは凍りついた。
「今から旅に出るわ。あなたも来るわよね?」もう頭の中には旅の終了が出来上がっていた。裏切られた気がしたザンキ。
 ザンキの動きが止まっているうちに、ソフィアが荷物をまとめ終えた。
「もっと強い人に出会えるよね?」ザンキに笑いかけるソフィア。
この人は笑っている姿がいいなぁと思い,「はい!」と答え,凍り付いていた体を動かす。ナイフは持っている。持ってきたものもちゃんと持った。まだ雪が降っている
午後,2人は離れ屋を出て行った。
―おっさん(王)にはリーダーをつれてくるって言ったから,だいじょうぶだよなぁ・・・でもどれくらいかかるんだろ・・・
ザンキの苦労する日々が幕を開けた。
第3話完



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