第42話 洞穴の番人オルメシア西、マーニック洞穴。今ここに盗賊が侵入しようとしている。この盗賊は三人という小規模で構成されていて少額だが賞金がかかっていた。忍び込んだ理由はこの洞穴の国は額で取引される石があるときいたからだ。三人は不自然に設置されたとラップをかいくぐり、大きな観音開きの扉までたどりついた。扉には <この扉を開けることは許さない>と彫ってあった。三人は満場一致で扉を開けることにした。 髪がぼさぼさで顔が泥と土で汚れた三人のリーダーが扉に手をかけようとしたとき、扉の置くから誰かの声が聞こえてきた。 「引き返せ。今なら命は取らん。」 しかし男はその言葉を無視して扉を開けてしまった。 「命がいらんというのか・・・。」 扉を開けた先には人型の何かがあった。人ではなかった。暗闇の中で両目は紅く光、その光で胸から突き出た太い刺のようなものが何本も照らし出されていた。 手とみられる物に何か持っている。「それ」は一瞬で三人の首を断ち切り、命を奪った。叫び声さえあがらなかった。 洞穴の天井に向けて血が噴水のように降り注いだ。 「まただ・・・」 「それ」は順に盗賊の死体を引きずりながら扉の中に入っていった。扉は閉じられ、何もなかったかのように、洞穴は静寂を取り戻した。 第42話完 ジャンル別一覧
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