こきっつぁんの昭和探偵団 「クリスマスイブになると必ず見るアニメ」
モスバーガーの「アップルパイ」をもう一度食べたい今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?秋や冬は、モスに行った時に必ず注文するぐらい好きでした。美味しかったんだけどなあ。さて、今日はクリスマスイブですが、私はクリスマスイブになると必ず見るアニメがあります。「フランダースの犬」? いやいや。「母をたずねて三千里」? いやいや。「ディズニーアニメ」? ノーノー。一連の宮崎アニメ? まさか。そのアニメとは、「あしたのジョー2」です!「あしたのジョー」じゃありませんよ。力石徹が死んだ後の物語を描いた、テレビシリーズの「あしたのジョー2」です。その「あしたのジョー2」の中でも、第10話「クリスマスイブ・・・その贈り物は」です。いきなり第10話の内容を紹介してもチンプンカンプンだと思うので、それまでのあらすじを軽く・・・。力石を死なせた後遺症に苦しんで、引退寸前まで追い込まれたが、白木ジムが招聘した、無冠の帝王のカーロス・リベラとのスパーリングで、野性を取り戻した矢吹丈。ジョーの本質を見抜いたカーロスは、遠吠えを聞いて集まる狼のように、自らも野性の本能を目覚めさせていた。世界チャンピオンのホセ・メンドーサとの、念願の世界タイトルマッチが決まっても、「その前にジョーと試合がやりたい」と、マネージャーのロバートに、ジョーとの対戦を熱望するカーロス。日本での最後の試合で、日本チャンピオンのタイガー尾崎を秒殺し、テレビのインタビューを受けたカーロスが、次の対戦相手に指を差して指名したのは、会場に来ていた矢吹丈だった!!これを受けて、第10話は始まります。世間はクリスマスイブ。お得意のパチンコで勝利し(←ある種、ジョーはパチプロ)、景品をドヤ街のチビたちのクリスマスプレゼントにしようと、大きな袋を抱えて、丹下ジムに帰ってきたジョーを待っていたのは、サンタクロースの格好をして、チビたちにプレゼントを配っているカーロス・リベラだった。チビたちと一緒に陽気に騒ぐカーロスに、ジョーの中にもなんとも言えぬ親近感が湧いてきていた。それを振り払うかのように、カーロスを公園へ誘うジョー。「リングじゃなく、ここで決着をつけようじゃねえか」と、ジョーはカーロスに突っかかるが、そこにふたりの前に突然、天から白いものがひらひらと。雪を見て大喜びするカーロス。「なんでえ そんなに雪が珍しいのかよ?」と聞くジョーに、カーロスの名セリフ!「ハ~イ! 南の国のベネズエラには雪フラナ~イ!」(↑それにしても、故郷がベネズエラの、カーロスの日本語の饒舌さには驚く・笑)さすがにストリートファイトをする気にならなくなったジョーは、喫茶店に行って、カーロスとインベーダーゲームをやったり(←時代~!)、しまいには、ふたりで屋台のおでん屋へ・・・。「なんで公園で真剣に俺と戦わなかった?」と質問するジョーに、「正式な試合まで取っておきたかったのだ」とキッパリ答えるカーロス。カーロスの分からず屋ぶりにキレたジョーは、お金も払わず屋台を飛び出して、「おい、カーロス!帰るぞ!」とタクシーを呼ぼうとする。逃げるカーロス。 追いかけるジョー。雪の中、しばらく追いかけごっこした後、ふたりが着いた先は、車庫に止まっている無人の電車の中だった。座席に座っているカーロスがジョーを見て、ここで名セリフ!「お前は火薬の匂いがする。とっても危険でスリリングな匂いだ」それを受けて、ジョーも名セリフ!「おめえはナイフだぜ。ギラリとその目の奥でいつも光ってる」(このシーンは凄くかっちょいい~!)そして、カーロスはジョーとの対戦を約束する。雪の中、ジョーとカーロスが、とぼとぼと街の中を歩いているのを見つけた車が、スピンターンで急停車(←このドライビングテクニックはプロ級)。車から出てきたのは、ホテルから失踪していたカーロスを探し回っていた、ロバートと白木葉子と丹下段平だった。「どうしてもジョー・ヤブキと試合がしたい。今、ジョーと約束をしてしまった」と、マネージャーのロバートに嘆願するカーロス。「チャンピオンとの試合が延ばすことが出来たとしても、莫大な違約金がかかってしまう」と反論するロバート。すると、藪からスティックに白木葉子が口を開く。「もし、よろしければ、そのお金、白木ジムがお支払いいたしますわ。 矢吹くんとカーロス選手へのクリスマスプレゼントとして」みんな唖然。「では、ご異存がなければ、この試合の全てを私がプロモートさせていただきます」「メリークリスマス!」そう言って、白木葉子は去っていく。(かっこいい!)白木葉子が”女のダンディズム”を見せつけた所で、第10話は終わりです。そして、第11話のジョーVSカーロスの大晦日決戦に続きます。ちなみに、この第10話のエピソードは、原作(漫画)にはありません。アニメの完全なるオリジナルです。「あしたのジョー2」は、こんな感じで、原作にはないエピソードや登場人物をたくさん入れて、内容をうまく具合に膨らませた、稀有なアニメなんです。普通はそういうことをやると、原作のイメージを壊して、見れたもんじゃなくなるんですが、原作を知り尽くしたからこその膨らませ方だから、すごく余韻に浸れます。「あしたのジョー」「巨人の星」「侍ジャイアンツ」「空手バカ一代」「タイガーマスク」など、ライバルとの切磋琢磨の戦いを好んで書いた梶原一騎。ライバルが強ければ強いほど燃え、ライバルが意気消沈している時や弱っている時に勝っても、良しとしない心意気をうまく描き出し、その思想を少年の私たちに植え付けてくれました。だからこそ、今の世の中の、隙を見せたらとことん叩く、歪んだ形の弱肉強食の風潮には、違和感が有りまくりなんですよね。カーロス・リベラと矢吹丈の「ライバル関係の友情」というものをうまく描いた、「あしたのジョー2」第10話。今の殺伐した2015年のクリスマスイブに見るのもオツなものです。以上、白木葉子と林屋の紀ちゃんのどっちを選ぶかと言われたら、三つ編み時代の紀ちゃん、と答えるこきっつぁんでした。でも、清楚でS気たっぷりの白木葉子もいいなあ。それでは曲です。「あしたのジョー2」のエンディングの曲、おぼたけしの「果てしなき闇の彼方に」 どうぞ!