シーズン11 第3回 競争優位性を見抜く!強い企業の特徴とは?
はじめに:競争優位性がある企業とは?
投資で成功するためには、 「長期的に成長し続ける企業を見極めること」 が重要です。では、成長する企業にはどんな共通点があるのでしょうか?
そのカギとなるのが 「競争優位性(Moat:モート)」 です。競争優位性とは、他社が簡単に真似できない強みを持ち、市場で安定した地位を築いている状態を指します。競争優位性を持つ企業は、 不況時にも強く、安定して利益を出し続ける傾向 があります。
本記事では、 「競争優位性のある企業の特徴」 を分かりやすく解説し、どのように投資に活かせるかを考えていきましょう。
1. 競争優位性を持つ企業の5つの特徴
競争優位性を持つ企業には、次の5つの特徴があります。
① 強いブランド力(ブランド Moat)
有名ブランドは、それだけで顧客の信頼を獲得しやすく、価格競争に巻き込まれにくくなります。たとえば、次のような企業が該当します。
高級ブランド(例:ルイ・ヴィトン、エルメス) → 高価格でも買いたい顧客が多い
食品・飲料(例:コカ・コーラ、スターバックス) → 競合商品があっても、ブランドで選ばれる
こうした企業は 「ブランド料」 として高めの価格設定が可能なため、利益率が高くなります。
② ネットワーク効果(Network Effect)
ネットワーク効果とは、 ユーザー数が増えるほど価値が高まる仕組み のことです。たとえば:
SNS(例:Facebook、X(旧Twitter)) → ユーザーが増えるほどサービスの価値が高まる
決済サービス(例:Visa、PayPal) → 加盟店・利用者が増えるほど便利になる
ECサイト(例:Amazon、楽天) → 出店者・利用者が増えるほど商品数が増え、利便性が向上
ネットワーク効果が強い企業は 競争相手が入り込むのが難しく、業界のリーダーになりやすい のが特徴です。
③ 参入障壁が高い(規模の経済・特許)
競争優位性のある企業は、 新規参入を難しくする仕組み を持っています。
製薬会社(例:ファイザー、アステラス) → 新薬の開発には長い年月と莫大な資金が必要
半導体メーカー(例:TSMC、Intel) → 工場の建設費用が数兆円規模で、新規参入が困難
こうした 「参入障壁の高さ」 は、競争を抑え、企業の利益を守る役割を果たします。
④ 顧客の乗り換えコストが高い(Switching Cost)
「乗り換えコストが高い」とは、 一度使い始めたら、他のサービスに移りにくい 状態のことです。
クラウドサービス(例:Microsoft Azure、AWS) → データやシステムを移すのが大変
会計ソフト(例:弥生、freee) → 一度使い始めると、他社製品に移行する手間が大きい
乗り換えコストが高い企業は 顧客を逃しにくく、安定した収益を生み出します。
⑤ 安定したコスト優位性を持つ(Cost Advantage)
他社よりも 低コストで商品やサービスを提供できる企業 も、競争優位性が高いといえます。
ウォルマートやコストコのようなディスカウントストア → 大量仕入れでコストを下げる
格安航空会社(例:LCC) → 徹底したコスト管理で低価格を実現
このような コスト競争力がある企業 は、不景気でも生き残る可能性が高いのです。
2. 競争優位性のある企業の探し方
競争優位性のある企業を見つけるためには、次の 3つのポイント に注目しましょう。
① 業界の構造をチェックする
投資先の企業が属する業界を分析し、 競争が激しい業界か、独占的な業界か を見極めます。
競争が激しい業界 → 価格競争が起きやすく、利益率が低い(例:スマートフォン、飲食店)
独占的な業界 → 競争が少なく、高い利益率を維持できる(例:半導体、クラウドサービス)
高い競争優位性を持つ企業は、独占的な市場に強みを持っています。
② 長期的な業績の推移を確認する
競争優位性のある企業は 長期間にわたって高い利益率を維持 しています。
営業利益率やROE(自己資本利益率)が安定しているか?
売上や利益が10年以上増加しているか?
これらの指標が 長期的に成長している企業 は、競争優位性が高い可能性があります。
③ 消費者の視点で考える
最後に、 「自分ならこの企業の商品・サービスを選ぶか?」 を考えてみましょう。
その企業の商品を買う理由は?
競合に乗り換えるとしたら、何が障壁になるか?
こうした視点で企業を分析すると、競争優位性の強さがより明確に見えてきます。
3. まとめ:競争優位性を見抜いて強い企業を選ぼう!
競争優位性のある企業は 市場で長期間にわたって強い地位を維持できる ため、長期投資に向いています。
競争優位性のある企業を見極めるには、次の5つのポイントをチェックしましょう。
✅ ブランド力 → 高い認知度と信頼感
✅ ネットワーク効果 → 使う人が増えるほど価値が上がる
✅ 参入障壁の高さ → 新規参入が難しい市場を持つ
✅ 乗り換えコスト → 一度使うと他社に移りにくい
✅ コスト優位性 → 競合よりも低コストで事業運営ができる
投資をする際は、 企業の競争優位性を分析し、長期的に成長できるかどうかを見極めることが重要 です。
「この企業は本当に強いのか?」 を意識しながら、しっかりリサーチしていきましょう!