大地の聖霊大地の聖霊ウルトラマンZEROのテーマは3つ 一つは あきらめない気持ち、成し遂げる心 二つは ありきたりだが、自分の命よりも大切に感じられる人 三つは 環境問題 三つめの環境問題は やり方によっては説教くさくなってしまいます。 子供の目線で見たわかりやすい方法で取り上げられたらなんて思ってます。 ああ・・大人って 立派な事 言っているけど こういう無責任な事しているんだ。 子供にとって、今の社会は成熟した社会のように感じられるかもしれない。 でも、実は矛盾だらけで 結構いい加減な事も沢山ある事を 本能的に感じてもらえたら・・ そして「 もっと自分達がしっかりしなけりゃいけないんだな。 」 なんて感じる子がひとりくらいいてもいいと思います。 歌手 白井貴子さんの歌にこんな一節があります。 「 今日の空は 数千年前の青空 今日の風は数億年後まで・・ 」 私達が汚した青空を 子供達に渡さなければならない。 一瞬でもいいから、その事を感じてくれる子がいてくれたら・・ なーんて事、思ったりもします。 さて、話がそれてしまいましたが、大地の聖霊です。 ウルトラマンZEROには怪獣や異星人の他に、 地球上に存在する聖霊達が出てきます。 大地の聖霊、海の聖霊、森の聖霊・・等々、数々の聖霊様達が出てきます。 人間達の無責任な行いに怒り、長年の沈黙を破り、人間達の前に姿を表します。 ある田舎の村に婆さんが住んでいます。 この人の趣味は物を何でもかんでも捨てるのが趣味です。 孫娘が大事にしているアイドルのポスターから、息子夫婦の思い出の品まで 目に付いた物、何でもかんでも片っ端から捨てていきます。 隠しててもダメです。高い所に置いててもわざわざハシゴを持ってきて 片っ端から 捨ててゆきます。 もう病気なのです。 更に始末の悪い事に捨てる物を庭に集めて、焚き火にして燃やしてしまいます。 婆さんの焚き火は燃える物も燃えない物もごっちゃなので黒い煙がモクモクと 出ています。 家の人は顔をしかめて「 臭い、臭い! 」とゲホッゲホッ、してます。 「 あんた、お義母さんに 何とか言ってよ!! 」 嫁にこずかれても、息子は気が弱いので婆さんには何もいえません。 そして、ここは山の森の中、昔は青々と繁っていただろう森は 今や酸性雨や 人間の無責任な開発の影響で山は痩せこけ、はげ山になりつつあります。 そこへ またまた、あの婆さんの焚き火の黒々とした煙が モクモクと立ち込めてきます。 山全体がぶるぶると振動しだします。 どかーんと岩がはじけたと思うと山の中から仙人らしき服を着た巨人が 姿を表します。 巨人は鼻をふくらませ、真っ赤な顔をして怒っています。 「 もう、堪忍の緒が切れたー!! 」 そう、この巨人は樹木の聖霊様だったのです。 ついにキレてしまった樹木の聖霊様は地響きを立て、山を降りてきます。 「 誰じゃ わしの大切な山を汚しておるのは-! 」 黒い煙がモクモクたっているので婆さんの家はすぐに見つかってしまいます。 「 おまえか いつも山を汚しておるのはー! 」 いつもは気丈な婆さんですが、この時ばかりは巨大な聖霊様の姿を見て 腰をぬかしてしまいます。 樹木の聖霊様はその大きな手で婆さんを捕まえて、大きな目で睨みつけます。 婆さんは巨人の手の中で額を真っ赤にして、 目をつぶって一心にお経を唱えています。 「 なんまいだー!なんまいだー! 」 「 あんた なんとかしなさいよ! お義母さん、巨人に食べられちゃうじゃない!」 鬼嫁が叫んでも もう、どうする事も出来ません。 その時、天空から大きな光が! 光の中からウルトラマンZEROが現れます。 ウルトラマンZEROと樹木の聖霊様の闘いが始まります。 ウルトラマンZEROは 婆さんの為、樹木の聖霊様は山の自然環境の為、 互いの持てる力を出し切って闘います。 ZEROは変身2分後、最強の赤/青のZEROファイタータイプに なりますが、それでも 樹木の聖霊様に勝つ事が出来ません。 ( この頃のZEROはまだ宇宙最大の力をだしきれていません。 ) そして3分後、ウルトラマンZEROは 時間切れで負けてしまいます。 しかし、樹木の聖霊様は怒りを静めて 山に帰って行きます。 聖霊様は見ていたのです。 この光の戦士が 闘いの中で偶発的におきた山火事で 人間だけではなく 小動物さえも助け、木々への被害を最小限にくいとめようとしている姿を・・ この婆さんのように悪びれず、環境破壊をしている者もいれば、 己の欲の為に意図して環境破壊を繰り返す者もいます。 そんな奴の為だとしてもウルトラマンZEROは色々な聖霊様と 体を張って闘います。 結果負けたとしても、そんなZEROの生き方はそれぞれの聖霊様や環境破壊を 繰り返す者達に何だかの形で伝わってゆきます。 数々の闘いを経て、最終話、聖霊様達はこの光の戦士に地球の未来を託すように なります。 ウルトラマンZERO最終話 巨大な宇宙円盤が東京の空に現れ、ウルトラマンZEROを倒す。 ボロボロになった主人公。 それでも××星人はウルトラマンをいけにえに 引き渡せと人類に要求する。 しかし、彼等の真の目的は地球侵略ではない。 宇宙最大の力を己の意のままにする事。それだけである。 ヒロインの静止を振り切り、命をかけた最後の戦いを挑む主人公。 「 待っててくれとは言わない。でも、必ず帰ってくる。 」 ウルトラマンZERO現る。 しかし、最初の2分間は全く光線技が使えない 赤いウルトラマンZEROタイプ。 容赦ない攻撃がウルトラマンに降り注ぐ。 そして 3分後、赤/青の宇宙最強の力を持つZEROファイタータイプに 変身。 地球上のすべての人々と子供達の声援を背に受け、最強の光線を 巨大円盤に放つウルトラマンZERO。 それと同時に巨大円盤からZEROに向けて怪音波が放たれる。 ZEROの光線と円盤の怪音波がシンクロして、ZEROの光線の色が 綺麗なオレンジ色から汚いドドメ色に変わっていく。 と、同時に 急に苦しみ始めるウルトラマンZERO。 地球防衛隊の柳○真吾似の隊員が 「 見ろ! ウルトラマンZEROの顔が変わっていく!! 」 ウルトラマンZEROの眼が丸く優しい眼から、 つりあがった悪人顔に変化していく。 そう、この眼は月の表面を蒸発させた瞬間の あの冷たいZEROの眼。 そして、綺麗な赤/青のZEROの体が 段々真っ黒に染まっていく。 黒いウルトラマンZERO。まさに鬼の形相である。 「 コイツは俺達を守ってくれたウルトラマンじゃない・・・ 」 地球上の人々は 本能的にそれを感じ取る。 その呪われたウルトラマンの姿に人々は動揺し、同時に絶望する。 そこへ つむじ風が起こる。 海や大地から光の帯が無数に出てきて、東京上空に集まってくる。 人々は見上げて叫ぶ。 「 聖霊様だ! 」 樹木の聖霊様や海の聖霊様など見慣れた顔もあるし、今まで 全く見た事も無い聖霊様も沢山いる。 無数の聖霊様が一つになり、巨大な大地の聖霊が現る。 巨大な大地の聖霊はゆったりと空を泳いでいたかと思うと、光の矢となり 黒いウルトラマン目掛けて飛んで行く。 黒いウルトラマンの体を突き抜ける。しかし、黒いウルトラマンの体の中には 何重もの黒いウルトラマンの殻がある。 この何重もの黒いウルトラマンの殻をバリバリ突き抜け、光の矢は核らしき所に 向かって行く。 だんだん核が近くなってきたのか 殻の色が赤みを帯びてゆく。 真っ赤なウルトラマンの殻を何重にも突き破っていくと ウルトラマンの心臓部にオレンジ色の核が見えてくる。 やがて核の正体がわかってくる。 核の正体は主人公だ。 地球防衛隊の制服でダンゴ虫のように丸まって水の中に浮いているようだ。 体はオレンジ色で眼はうつろで生気がない。 大地の聖霊様の声が聞こえてくる。 「 おぬしには聞こえぬかこの声が・・・ 」 「 山や森、大地の声 」 「 木々や虫や小動物の声 」 主人公、はっとした顔になる。 「 世界中の人々や子供達の声・・ 」 かすかに聞こえてくる声・・ZEROが悪の手におちて嘆く声・・ 正気に戻って欲しいと願う声・・それでも信じ様とする子供の声・・ 地球防衛隊、柳○真吾似の隊員 「 見ろ! ZEROの眼が戻ってきた!! 」 大地の聖霊様 「 そして、己の命に換えても 守ろうとした人々・・・ 」 主人公、見えてくる。 地球防衛隊の仲間 ひとり ひとりの顔 そして、ビルの建設現場にひとり残してきたヒロイン。 「 いけねぇや・・こーしちゃ いられねぇー! 」 黒いウルトラマン大爆発!! 黒い殻が無数にはじけ飛ぶ。 煙の中から 綺麗な赤と青のラインが・・ 「 見ろ! ウルトラマンZEROが戻ってきた!! 」 歓喜する世界中の人々。 ウルトラマンZEROの指先に光が集まってくる。 ウルトラマンZERO、渾身の力をこめて光線発射。 円盤からまた怪電波が! しかし、ウルトラマンZEROの光線が怪電波を跳ね除ける。 ZEROの光線が円盤直撃。 と、同時にウルトラマンZERO 巨大な光のシャボン玉を作り、 円盤を包み込む。 巨大な光のシャボン玉の中で円盤、大爆発。 光のシャボン玉のおかげで地上には爆風がこない。 地上、大喝采。世界中の人々がウルトラマンZEROの勝利を喜んでいる。 主人公、心の中で唱える。 「 聖霊様 ありがとう。助かったぜ! 」 そして、別れ。 かすかに夕闇が残る夜空。ビルの建設現場 ヒロインがひとり立っている。 ウルトラマンZERO 優しくヒロインにうなずき、光の国に旅立っていく。 満天の夜空の下、ヒロイン。 主人公の顔が浮かぶ。 「 待っててくれとは言わない。でも、必ず帰ってくる。 」 「 私・・ずっと ずっと 待ってる。 」 そして、エンディングテーマ。 仲間の地球防衛隊の隊員ヒロインを迎えに来る。 ヒロイン、隊長の顔を見たとたん わっと泣き崩れる。 まわりの隊員はヒロインが何で泣き出すのか理解出来ないが、 隊長だけはわかっている。 柳○真吾似の隊員が音頭をとって「 バンザーイ! バンザーイ! 」とか やってる中、ヒロイン、隊長に支えられ基地に帰っていく ヒロイン泣いてはいるが悲壮感はなく、真吾隊員達のバカさ加減に噴出して 泣き笑いもしている。 夜空がそんな隊員達を優しく見守っている。 ( おしまい )
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