6月2日 日置・八幡神社・鬼丸神社の「せっぺとべ」
photo:日置市HP
「せっぺとべ」は文禄4年(約400年前)から日吉地域に伝わる「お田植え祭り」で,八幡(ハチマン)と鬼丸の両神社で行われます。この祭りががいつ頃から始まったかは不明ですが,一説には日置島津三代目常久が1595年,八幡神社を総鎮守社と定め9畝(9アール)の御新田を寄付したことから始まったとも伝承されることから,400年以上も続いている行事と推察されます。
かつては,毎年旧暦の5月6日に行なわれていましたが,1971年から新暦の6月6日に近い第一日曜日に開催されることとなりました。
若い衆が田の中で円陣を組み,酒を飲み,唄を歌いながら勢いよく飛び跳ねます。この祭りは土をこねる足踏み耕の意味と害虫を踏み潰す意味があり,泥にまみれて今年一年の豊作を祈願します。当日は地域住民や子供会による棒踊り,虚無僧(こむそう)踊(おど)りなども奉納され,まちは終日活気にあふれます。 ※「せっぺとべ」は「精一杯跳べ」の意味があります。
日置八幡神社の御田植祭りの日の午後から,日吉町の「せっぺとべイベント」として,八幡神社裏の運動公園多目的広場で,日置八幡神社・吉利鬼丸神社に奉納する各地区の奉納踊りや,せっぺとべの披露などの催し物が行なわれます。
※「せっぺとべ」は「精一杯跳べ」の意味があります。
◆前夜祭
photo:日置市HP
日置市日吉に伝わるお田植え祭り「せっぺとべ」は,6月4日,八幡と鬼丸の両神社で行われる。6月3日の前夜祭では,八幡神社近くの川では縁起物の「しべ」などのついた10メートル超の竹ざおを水につけて清めます。
地元の自治会が「しべ」と旗をつけた竹ざおを準備。暗闇をたいまつが照らす幻想的な雰囲気の中,白装束姿の二才(にせ)衆が川につけて神社に運びます。
〇吉利鬼丸神社 住所:日置市日吉町吉利4827番
神事開始 : 午前8時30分
御神田開始 : 午前10時
〇日置八幡神社 住所:日置市日吉町日置5301
神事開始 : 午前9時30分
御神田開始 : 午前10時35分
○せっぺとべの歌 (田んぼの中で輪になって歌う)
なんの罰かよ 八幡馬場へ 八里隔てて 跳っけもどる
オイヤマカチャンゲで 儲けたる金は 大門口でソツ払って もうなかチヤンゲ
いくら麓の ゴユ(娘)さんだっても 末は 他人のものになる
親がうっかた(嫁)を 持たせん時は 夜は夜話 昼は昼ね
来るなら来てみろ 相手が違う まさか違えば 命がけ
親の意見と なすびの花は 千に一つの あだもない
お前さんさえ その気であれば わたしゃその木の 枝になる
せっぺとべとべ 白歯のうちに 歯黒してから とびゃならぬ
もとの白歯に するのは安いが 年の18 もどしゃならぬ
名残いじゃ名残いじゃ 今夜ずいの名残いじゃ 明日は鹿児島で 苦労する
出典: 鹿児島県神社庁サイト http://www.kagojinjacho.or.jp/birthplace/post-28.html
■┓ 小松帯刀の墓がある (園林寺跡,鬼丸神社)
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◆ 八幡神社近くの日置市日吉町吉利(園林寺跡,鬼丸神社)
phote: 小松帯刀と小松家の墓地(日置市吉利)
江戸時代に,鹿児島の武家の間で流行した“祠堂型”が印象的なこの墓地は,見る人を圧倒させます。また,近くには小松家の先祖を祭る,“せっぺとべ”でも 有名な 「鬼丸神社」や珍しい姿の田之神様などの史跡・旧跡が残され,現在も昔と変わりなく,地域住民や土地の守り神として大切にされています。
・自動車でのアクセス
鹿児島市街地から,県道35号線を日吉方面へ。約40分後,永吉十文字交差点を右折,国道270号線へ。しばらく道なりに行くと「園林寺」へ右折標示あり。(園林寺跡)上記標示を右折後,約5分直進。左側。(鬼丸神社),駐車場あり(普通車 約5台分)
・JRとバスの場合
JR鹿児島本線乗車→伊集院(いじゅういん)駅で下車。鹿児島交通の「加世田(かせだ)行き」バス乗車→「日置大川(ひおきおおかわ)」バス停下車後,徒歩5分。
・住所:日置市日吉町吉利4827番