ピーターアーツが大好きだった。
まさに一撃必殺のハイキックを決めるアーツを
すごいと思っていた。

私がＫ１に夢中だった頃、
「Ｋ１もいいけど、プライドのほうが凄い。」
と長男が言った。

ふ～ん。

そういわれても、あまり興味のない私だった。

いつの大晦日だったかなぁ、
旦那が飲み会で帰ってこず、
次男も幼くて早寝していた大晦日の夜、
居間で長男がプライドを見ていた。

二人っきりの大晦日なので、
興味のない私もいっしょに観戦することにした。

私が持っているプライドの知識は２つだけ。
・Ｋ１から佐竹がプライドにいった。
・桜庭という人が強い。
これだけだった。

「佐竹は全然通用しなかったんだ。
　桜庭は今、試合しているよ。」

そう説明を受け、画面を見る。
壮絶な試合だった。
Ｋ１を見慣れている私には信じられなかった。
マウントをとられ、殴られ続ける桜庭は
血だらけだった。
プライド独特の指の出るグローブは
まるで素手で殴っているように見えた。

死んじゃうよ。どーして止めないの？

「プライドってこんなもんや。」

Ｋ１は凄いけど、プライドは怖い・・・

そう思った大晦日だった。

あれから何年たったかなぁ。
Ｋ１は落ちぶれていき、プライドの人気が沸騰した。
私もいつの間にか、プライドを観戦するのが好きになっていた。
去年の大晦日なんて、
カウントダウンより男祭りに気を取られそうだったもんね（苦笑）

で、昨日のプライド・・・

長男と二人で見た試合を思い出した。
いや、あれより、もっともっと悲惨だった。

どーして、セコンドはタオルを投げへんの？
どーして、審判は止めへんの？
桜庭、死んじゃうよー！！！

叫んでいる私の横で、旦那と長男は押し黙っていた。
格闘技とは、こういうものなのだろうか。

桜庭は五体満足で復帰できるの？
私には、桜庭の目がつぶれたようにしか見えなかった。

プライドは怖い・・・怖すぎるよ。