入れ物がない、両手で受ける。

2008/12/10(水)06:10

ちくしょー!!なこと。えへへ★なこと。

日常。(47)

ふらっと乗った電車。 座席には読み捨てられた新聞。 読解の練習と思って熟読。 使われている言葉は簡単。 タダにも理解できる。 ふと、気がつけば、 「終点です」のアナウンス。 イヤフォンをつけていたので、 今ここがどこか全く分からない。 「ここはどこ?」 夕方4時を過ぎればもう真っ暗闇のドイツ。 時刻はもう20時。 辺り一面畑のようなものが続くぽつんとした駅に一人降ろされたタダ。 電車から降りてきた車掌に近づき尋ねる 「あの、しつも…」 すると、こともあろうかその車掌の野郎様は ふぃっと自分の耳元で指を動かし、 『聞こえません』の合図を。 「はっ?」 と思ったその瞬間、 後ろからきた彼の同僚であろう人に、 「やぁ、元気か!お疲れー」 とハイタッチ。 は? 何が起こったのかわからないままタダが固まっている隙に、 なにやら楽しげに話をしながら彼らは去っていった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・は? 『聞こえません』・・・・・・だぁ? こっちはドイツ語で質問したんだぞ! 英語なんて喋ってないし ましてや日本語でもないでしょー!! 静かな駅のホームで普通の声の大きさで質問したのに、 『聞こえません』だとォ?! じっ、耳鼻科に行きやがれー――――――!!!!! ちくしょー!! タダの落ち度は何だ??! なんだったんだ!! あまりの仕打ちに 誰もいない駅でタダは一人ブチ切れ、 畑に向かってピーやプーな日本語を連発。 ここはどこなんだ! この例えようのない怒りをどうしたらいいのかわからず、 タダは舗装されていない道路の土を近くにあった石で一生懸命 掘り返し、手が疲れたら再び埋めると言った わけのわからない行動を繰り返していた。 30分位経つと彼方から電車が現れ、 それであっているのかどうかも分からないまま とにかく寒さをしのぐために飛び乗った。 随分手を動かしていたおかげで上半身はポッカポカなのだが、 下半身の感覚は無い。 電車の中で必死にマッサージ。 大きな駅に出ると市電からSバーン(言うなれば国鉄)に乗り換え やっとこさハイデルベルクに帰還。 泣かなかったもん。 えらいぞタダ。 もうちょっと考えてから電車に乗ろうなー。 タダの怒りは収まっていないものの、 勝手知ったるマチに戻ってこれた安堵感で 自ずとスキップらしき早歩きで帰宅。 もにゃもにゃした気分で部屋に入ると、 同居人Kが心配してくれた。 「タダ、どうかした?」 とKは タダの手にチョコレートを乗せた。 これまた 昔懐かしいあやされ方に、タダは一瞬固まってしまった。 そして、その優しさにタダの気分は落ち着いていった。 「タダ、余ったからもし良かったら食べて」 と、Kは更に牛肉の煮込みとご飯を分けてくれた。 この牛肉の煮込みがまた絶品で、 ウマいウマいと食べているタダに それまで静かにテレビを見ていたKは、 「気分はもういい?」 と質問した。 自然と人の気分を落ち着かせられるKは 凄い。と思ってしまった。 ・・・年下なのに……Orz 「Tschuldigung, bin jetzt in Ordnung. Danke.」 すまなかった。もう大丈夫だ。 ありがとう。 ちくしょーなこと、えへへなこと。 まぁ、色々あるけど、 やっぱ周りの人に支えられている、って言うのはいつも感じる。 どうしても我慢できないことはあるけど、 いつの間にか、何とかなっている。 そうやって徐々~に 免疫つけて、成長していくんだろうな。 うん、そうだよ。 あーいう人もいるんだぞ、と。 今度そんなことに遭遇しても、きっと 何とか切り抜けられるんだろうな。 謙虚に、つつましく。 今度は小さなタイプを張ってみました↓↓ Danke Schoen!!

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