実家の父は去年の秋、体調を崩して入院していました。

見舞いに行くと、時々見かける男性患者さん。

下は病院のパジャマと腹巻、上は肌着１枚。
“俺は田舎の気の良いおっさんだよー”という雰囲気全開です。

ある日、喫煙室の脇を通り病室に向かっていると
異様な気配が漂っています。

何時もなら入院患者さんが「早く退院したいね～」とか、
「今日のお昼はうどんだよ」　などと和気あいあいと談笑しながら
喫煙しているんだけど・・・

入り口で二人のチンピラ兄ちゃんが後ろ手を組み直立不動。

中ではあの、気の良い田舎のおっさんが椅子にふんぞり返っております。
隣には眼光鋭い、剃り込み、パンチパーマ、眉なしの、
どう見たって極悪非道の若頭だ！

が～ん！

おっさんは組長さんだったんだね・・・。

その後ダッシュで父の病室に向かう。

「とうさん、あのおじさんは　止めておきなさい！」

何たって父は病院で暇なものだから、やたらと他人に話しかけ
すぐにお友達を作っちゃうんだから・・・。